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あなたは定期? それとも終身? プロが教える「生命保険」選びのポイント

【実践編】生命保険選び

ケース

 「Aさんは30歳会社員。結婚5年目で、専業主婦の妻と3歳の男の子、生まれたばかりの女の子、という4人家族です。毎月の給料は手取り30万円で、現在は賃貸暮らしですが、マイホームを購入する夢があります。そのために少しずつ貯金していますが、万が一を考えて保険に入ることも検討しています」

ポイント①必要な保障金額を知る

 具体的な商品を選ぶ前に、万が一の時に「どのくらいの保障が必要なのか」を把握することが大切です。Aさんの場合、死後に必要な家族の生活費や教育費などを把握します。子どもの教育が終わるまで、そして、その後の妻の老後までを考えると数千万円~1億円以上の大きな金額になります。

 次に遺族年金や死亡時の退職金、そして現在の貯金など「万が一の時、どのくらいのお金が準備できているのか」を計算します。子どもが2人いるAさんの場合、遺族年金が月に約13万円、子どもが18歳になるまで受け取れます。

 こうした公的な社会保障も考慮した上で「必要なお金の総額」と「準備してあるお金」の差額を計算します。万が一の時、この金額を生命保険から準備できればよいのです。ただし、これらのシミュレーションには専門知識が必要です。ネットの情報から自分で計算もできますが、ファイナンシャル・プランナー(FP)や保険コンサルタントに相談するのがよいでしょう。

ポイント②優先順位を大切に!! まずは死亡保障を準備する

 生命保険には、死亡時の保障や入院時の保障、老後のための貯蓄、働けなくなってしまった時の保険など、さまざまな商品があります。Aさんの場合は、小さな子どもがいることから、まずは最悪のケースである「亡くなった場合」を想定して保険を選びます。死亡時の保障には、大きく分けて「掛け捨て(定期保険)」と「貯蓄型(終身保険・養老保険)」があります。掛け捨てと聞くと「もったいない」と思うかもしれませんが、少ない保険料で大きな保障を用意できるメリットがあります。

 貯蓄型の保険は、将来的には支払った保険料の全額、商品によってはそれ以上の金額が戻ってきます。ただし、支払った保険料に対して保障が少ないというデリットもあります。

 「掛け捨て」と「貯蓄型」。どちらも一長一短はありますが、Aさんの場合、マイホームを購入する予定もあるため、現時点では住宅ローンの頭金を貯めることを優先するのも一案です。生命保険は、保険料が安い掛け捨て中心に選ぶのがよいでしょう。

 Aさんに万が一のことがあった場合の必要保障金額が3000万円だとします。30歳の男性で、掛け捨ての定期保険であれば、保険料は月3000円~4000円程度。これが貯蓄型になると、最低でも月6万円程度の保険料が必要です。

 とにかく安さを重視したいなら、全額を掛け捨ての定期保険にするのがベストです。または、3000万円のうち500万円は貯蓄型にして、残り2500万円を定期保険にするなど、自由に組み合わせることもできます。

ポイント③「医療」「就労不能」「老後」などは予算次第

 次に、入院や働けない状況、老後の生活などについて考えてみましょう。入院時の保険は、可能であれば入院1日につき1万円を受け取れるものがよいですが、まずは1日あたり5000円から始めるのも手です。就労不能や老後について心配するのも当然ですが、あれこれと保険料を高くするよりは、夢であるマイホーム購入を優先すべきかもしれません。

ポイント④定期的な見直しを

 Aさんは現在、賃貸住まいですが、マイホームを購入すれば家賃はなくなります。その代わりに、住宅ローンが発生しますが、ローンを組む際に団体信用生命保険(死亡時に住宅ローンがなくなる保険)に加入するので、万が一の時にはローンがなくなります。保険を見直すのは、このようなタイミングです。保険料を減らし、その分のお金を老後や学資のために回すことで、より効率的に将来に備えることができます。

 最初から“完璧”を求めるよりも、収入や環境に応じて「保険を育てていく」という考え方を持ちたいものですね。

(オトナンサー編集部)

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加藤圭祐(かとう・けいすけ)

株式会社あおばコンサルティング代表取締役

外資系大手のプルデンシャル生命保険で11年間コンサルティング業務に従事。個人顧客700人、法人顧客30社を開拓。2015年4月に株式会社あおばコンサルティングを設立。インターネット上で保険情報サイト「みかづきナビ(http://www.mikazuki-navi.jp)」と、ライフプランニングやお金に関わるコラム「みかづきナビメディア(http://www.mikazuki-navi.jp/blog)」を運営。日々お客様のライフプランニングや執筆・講演活動などを精力的に行う。

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