スマホの「実質1円」って本当に得? 実は2年後に損するケースも…契約に向かない人の特徴とは
家電量販店のスマホ売り場に掲示されている「実質1円」について、ファイナンシャルプランナーに聞きました。
スマホには、内部性能がパソコンに匹敵するくらいのハイエンドのモデルから、最低限の機能があればいいというエントリーモデルまでさまざまな製品があります。
家電量販店のスマホ売り場に行くと、「本体価格実質1円」という看板が掲げられており、「なぜこんなに安いのか?」「裏があるのではないか?」などと疑問に思ったことはありませんか。こうした「実質1円」の仕組みや、契約をして得をする人、損をする人の違いについて、テレビ番組への出演経験が豊富なファイナンシャルプランナー(FP)の水野崇さんに聞きました。
かえってコストが高くなるケースも
Q.スマホ売り場に行くと「実質1円」という看板がありますが、どのような契約なのでしょうか。具体的な「損益分岐点」の見極め方を教えてください。
水野さん「『実質1円』というのは、実際に本体価格が1円で購入できるというよりも、自動車ローンの残価設定プランに近い仕組みで、将来の返却を前提に、購入時や利用期間中の負担を小さくしているケースが多いですね。極端に安い端末代金と引き換えに、高額な大容量データプランや有料オプションなどが契約時の条件になっている場合でも、後から個別にプラン変更やオプション解約ができるケースはあります。
ただし、申し込み時に対象プランやオプション加入が割引条件となっていたり、契約から最初の数カ月間だけ高い料金を支払う前提で安く見えていたりすることもあるため、『後から見直せば大丈夫』とは必ずしも言い切れないのが実情です。
損益を見極めるには、多くのサービスで端末返却のタイミングとなる『2年』を区切りに、総支払額を比べるのが現実的です。端末代に加えて、月額料金、オプション代、事務手数料、返却時の追加負担まで含めてコストを比較しましょう。店頭契約の月額差とオプション代の合計が端末の値引額を上回るようであれば、SIMフリーの端末をご自身で購入して低価格帯のSIMを組み合わせた方が、総額では安くなる可能性もあります」
Q.今の「実質1円」の多くは、2年後の端末返却を前提としていますが、もし画面が割れたり故障したりして返却時に査定落ちした場合、数万円の追加支払いや残債免除の取り消しが発生すると聞きました。こうした契約に向いている人、向いていない人について、それぞれ教えてください。
水野さん「こういった返却前提の購入プログラムは、スマホを丁寧に扱える人向きです。反対に『スマホをよく落としてしまう』『ケースやフィルムを使用しない』『子どもと共有で使いたい』『契約期限や手続きの管理が苦手』といった傾向の人は向いていない契約と言えるでしょう。
キャリア各社においては、返却時の条件として端末の状態が基準を満たさない場合、例えば画面割れや水ぬれの反応、ボタンが使えないといった不具合が確認されると、追加負担が発生することがあります。結果として『1円で購入できるからお得だと思ったのに、思わぬ出費がかさんだ』ということも十分あり得るでしょう。
細かい条件を気にせず気楽に持ちたい人や、以前にもスマホを落として傷がついたり、画面が割れてしまったりしたことがある人は、従来の買い切り型の契約の方が相性がよいと思います」
Q.「実質1円」は2年ごとに最新機種へ乗り換える人にはお得に見えますが、「スマホを自分の資産にできない(下取りに出せない)」という点にデメリットを感じます。3年以上同じ機種を大事に使う人や、古いスマホを家族に譲ったりフリマアプリで売ったりする習慣がある人にとって、この契約はむしろ損になるのでしょうか。
水野さん「はい。『実質1円』系の契約方法が、見た目ほどお得に感じられないケースはあります。先述のように、端末の返却を前提に、一定期間の支払い負担を抑えるというのが仕組みの根幹ですので、端末を3年以上大事に使いたいという人や、中古で誰かに譲ったり売却したりしたい方とは相性があまり良くありません。
返却してしまえば端末は手元に残りませんし、契約内容によってはそのまま使い続けることもできますが、その場合は残価や残債を再分割するなどして支払う必要が出てくるケースがあります。そのため、『自分の資産として持ち切る人向け』というより、『1台を長く使うよりも、一定期間ごとに端末を入れ替えたい人向け』の仕組みと考えると、分かりやすいでしょう」
* * *
近年、スマホの契約方法やプランについても、さまざまな選択肢があります。使い古した機種は手元に残らなくてよいので、とにかく新しい機種を買い替えながらお得に使いたいという人は「実質1円」プランのメリットが大きいと言えそうです。
(オトナンサー編集部)






コメント