黄砂は「布マスク」じゃ防げない? せき&喉のイガイガ防ぐのに必要な対策とは【耳鼻科医が解説】
3月から5月にかけて飛来する黄砂の対策について、耳鼻咽喉科専門医に聞きました。

3月から5月にかけて、黄砂が多く飛来します。スギ花粉よりも粒子の大きさが小さく、体内に入るとせきやくしゃみや水っぽい鼻水、鼻詰まり、喉のイガイガなどの症状を引き起こすため、注意が必要です。
黄砂による健康被害を防ぐ上で、どのような対策が必要なのでしょうか。なのはな耳鼻咽喉科(水戸市)院長で、耳鼻咽喉科専門医の境修平さんが解説します。
不織布マスクの優位性と必然性
黄砂対策において最も重要な原則は「粒子を体内に取り込まない」ことです。そのためにはマスクの使用は必須ですが、素材によってその有効性には極めて大きな隔たりがあるので注意が必要です。
外出する際は、不織布マスクを必ず使用してください。不織布マスクは、熱可塑性樹脂を繊維状にして絡み合わせた多層構造をしているのが特徴です。特に中間層にある「メルトブローンフィルター」は微細な繊維が静電気を帯びることで、目に見えない微粒子を物理的にキャッチ(静電吸着)する仕組みを持っています。
これに対し、ウレタンマスクや布マスクは、構造上の隙間が黄砂粒子(約4マイクロメートル)に対してあまりにも大きく、フィルタリング効果は極めて低いとされています 。外出時のマスク着用以外には次のことが挙げられます。
■情報の積極的活用
気象庁や環境省の黄砂飛来予測、観測情報を毎日確認し、飛散量が多い日は不要不急の外出を避けましょう。
■換気と密閉の管理
高濃度の黄砂飛来時は、窓の開閉を最小限にしてください。換気が必要な場合は、窓を開ける幅を短くし、短時間で済ませましょう。
■室内干しの徹底
外干しをすると、洗濯物の繊維に黄砂が深く入り込み、取り込んだ後に室内で飛散し続ける原因となります。黄砂の時期は浴室乾燥機や衣類乾燥機を活用し、室内干しを基本としてください。
■空気清浄機の運用
HEPAフィルターを搭載したPM2.5対応の空気清浄機を、黄砂が入り込みやすい窓際や玄関付近で24時間運転させましょう。フィルターの定期的な清掃も忘れないようにしてください。
■清掃と加湿
室内に入り込んだ黄砂は床に堆積します。掃除機だけでなく、ぬれた布による「水拭き」を行うことで、粒子の舞い上がりを防ぎながら除去できます。また、加湿器で湿度を40〜60%に保つと、空中浮遊粒子が水分を含んで重くなり、床に落下しやすくなります。
■帰宅時の個人衛生
玄関に入る前に、衣服に付着した黄砂を払い落としてください。帰宅後すぐに洗顔、うがい、手洗いを行いましょう。可能であれば、すぐにシャワーを浴びて髪に付着した粒子も洗い流しましょう。
黄砂によるアレルギー性鼻炎や気管支ぜんそくの治療法は、基本的にそれぞれの学会が発行する診療ガイドラインに準じます。
■黄砂によるアレルギー性鼻炎への対策
アレルギー性鼻炎に対しては、第2世代抗ヒスタミン薬の内服がおすすめです。また、ステロイド点鼻薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)などを併用するとよいでしょう。
■気管支ぜんそく・せきぜんそく症状
吸入ステロイド薬(ICS)および長時間作用型ベータ2刺激薬(LABA)の吸入療法が主軸となります。黄砂飛来時には、主治医と相談の上、予防的に吸入回数を調整したり、アドオン療法(LTRAの追加など)を検討したりすることが推奨されます。
もしこれらの対策を行っても体に異変が生じた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
(オトナンサー編集部)














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