コーヒー、ホウレンソウの取り過ぎで「結石」に? 実はより危険な食べ物も…今からできる予防策とは【専門医解説】
コーヒーやホウレンソウの取り過ぎで結石ができる可能性はあるのでしょうか。泌尿器科専門医に聞きました、

朝や午後の眠気覚ましに、コーヒーを飲んだり、鉄分を摂取するためにホウレンソウを食べたりする人は多いのではないでしょうか。一方、ネット上では「コーヒーを飲み過ぎると結石ができる」「ホウレンソウを食べ過ぎると結石ができやすい」といった情報を見かけることがあります。
では、実際に飲食物が原因で結石ができることはあるのでしょうか。結石ができやすい部位や原因、コーヒーやホウレンソウとの関係、日常生活でできる予防法などについて、なかざわ腎泌尿器科クリニック(石川県野々市)院長で泌尿器科専門医の中澤佑介さんが解説します。
体のどこに結石ができやすい?
そもそも結石とは、体内の成分が固まって石のようになったものです。代表的なものには、腎臓や尿管、膀胱(ぼうこう)などにできる「尿路結石」、胆のうにできる「胆石」、唾液腺にできる「唾石」などがあります。
このうち、食事や水分摂取との関係でよく問題になるのは、主に尿路結石です。尿路結石は、腎臓や尿管、膀胱、尿道といった尿の通り道にできます。特に腎臓や尿管にできた結石は、背中や脇腹の強い痛み、血尿、吐き気などを引き起こすことがあります。
尿路結石は、尿の中に含まれるカルシウムやシュウ酸、尿酸などの成分が濃くなり、結晶化して大きくなることで生じます。水分不足で尿量が少ない状態が続くと、尿が濃縮され、結石ができやすくなります。
ホウレンソウを食べ過ぎると結石ができやすい?
ホウレンソウについては、「食べ過ぎると結石のリスクが高まる可能性がある」と考えられます。
尿路結石の中には、シュウ酸カルシウム結石というタイプがあります。これは、尿中のシュウ酸とカルシウムが結び付いてできる結石です。ホウレンソウにはシュウ酸が多く含まれているため、特にシュウ酸カルシウム結石を起こしたことがある人は、摂取量に注意が必要です。
米国国立糖尿病・消化器・腎疾患研究所(NIDDK)は、シュウ酸カルシウム結石がある人は、ホウレンソウ、ナッツ類、ピーナッツ、小麦ふすまなど、シュウ酸を多く含む食品を控える必要があると説明しています。
ただし、ホウレンソウを一切食べてはいけないわけではありません。シュウ酸は水に溶けやすいため、ホウレンソウは生で大量に食べるよりも、ゆでて水にさらしてから食べる方が望ましいと考えられます。
また、カルシウムを極端に制限する必要はありません。食事中のカルシウムは腸の中でシュウ酸と結び付き、尿に出るシュウ酸を減らす方向に働く可能性があります。NIDDKも、結石予防のためにカルシウムを極端に減らすのではなく、医療者と相談しながら適量を取ることが重要だと説明しています。
コーヒーを飲み過ぎると結石ができる?
コーヒーについては、「コーヒーを飲むと必ず結石ができる」とは言えません。むしろ、近年の研究では、コーヒーやカフェイン摂取が腎結石リスクの低下と関連する可能性が報告されています。
2014年に発表された大規模コホート研究では、カフェインの摂取が腎結石の発症リスク低下と関連していたと報告されています。また、2022年の研究でも、コーヒーやカフェイン摂取量が多いことが腎結石リスク低下と関連する可能性が示されています。
だからといってコーヒーを大量に飲めばよいというわけではありません。カフェインを取り過ぎると、動悸(どうき)や不眠、胃の不快感などを起こすことがあります。また、砂糖入りの缶コーヒーや甘いカフェ飲料を頻繁に飲むと、糖分の過剰摂取につながります。
結石予防の基本は、コーヒーではなく、水やお茶などで十分な水分を取り、尿量を確保することです。
コーヒーやホウレンソウ以外で注意したい飲食物は?
結石の種類によって注意すべき食品は異なりますが、尿路結石予防の観点では、次のような食習慣に注意が必要です。
まず、塩分の取り過ぎです。塩分を多く取ると、尿中に排せつされるカルシウムが増え、カルシウム結石のリスクが高まる可能性があります。NIDDKも、ナトリウム摂取量の調整が腎結石予防に関わると説明しています。
次に、動物性たんぱく質の取り過ぎです。肉や魚、卵などの動物性たんぱく質を過剰に取ると、尿酸が増えたり、尿が酸性に傾いたりして、尿酸結石の発症リスクが高まる可能性があります。NIDDKは、結石の種類に応じて動物性たんぱく質の摂取量を調整することがあるとしています。
また、ナッツ類やピーナッツ、小麦ふすまなど、シュウ酸を多く含む食品も、シュウ酸カルシウム結石を起こしたことがある人は注意が必要です。
一方で、カルシウムを自己判断で極端に減らすのは避けるべきです。カルシウム不足は骨の健康に影響するだけでなく、腸管内でシュウ酸と結合するカルシウムが減ることで、かえって尿中シュウ酸が増える可能性があります。







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