レバー嫌いでもOK! 「貧血」予防に役立つ“意外な食べ物”とは…賢い「鉄分」補給術を管理栄養士が紹介
鉄分を効率よく摂取する方法について、管理栄養士に聞きました。

健康診断で貧血といわれたわけではないのに、なぜか貧血のような症状で悩んでいる人は少なくないでしょう。その場合、「隠れ貧血」になっているかもしれません。隠れ貧血とはどのような状態なのか、どのような食材を食べれば鉄分不足を補えるかなどについて、管理栄養士の松田加奈さんに聞きました。
「フェリチン」が少ないと貧血に
Q.健康診断で「貧血」といわれたことはありませんが、午後になると急に集中力が切れることがあります。この場合、鉄分不足の可能性はありますか。
松田さん「鉄分は全身に酸素を運ぶ働きがあり、鉄分が不足すると脳に運ばれる酸素の量が減ってあくびが出たり、ぼーっとしたり、眠くなったりするのに加えて、神経伝達物質であるドーパミンが作られにくくなり、やる気が出なくなります。
午後になると急に集中力が切れるのは、怠けているのではなく、鉄分不足で午前中に脳のエネルギーを使い果たしてしまい、体がついてこないからという可能性があるでしょう。また、生理になる女性の方が貧血になりやすいイメージがありますが、男性でも運動して汗をかく人などは貧血になる可能性があります。
会社などで行う健康診断の血液検査でチェックするのは、ヘモグロビンの値です。しかし、ヘモグロビンの値は問題ないのに、肝臓に貯蔵されている『フェリチン(貯蔵鉄)』という鉄が少ないことで貧血になる人がおり、隠れ貧血と呼ばれています。
例えば、ヘモグロビンがお財布の中の現金で、フェリチンが銀行口座の貯金だとすると、財布の中の現金を維持するために口座から貯金を下ろすように、ヘモグロビンの量を保つためにフェリチンが消費されるのです。
そして、財布の中にお金があるからといって口座に貯金があるとは限らないように、ヘモグロビンの値が十分だからといってフェリチンも十分に蓄えられているとは限りません。健康診断でヘモグロビンの値を調べて異常がなくても、貧血ではないとは限らないため、不調を感じている人は両方の成分を調べて、医師に相談の上、必要に応じて注射やサプリメントを検討するなどの対処が必要です」
Q.レバーを食べるのが苦手です。ホウレンソウやプルーンといった植物性の食品だけで十分な鉄分は摂取できますか。
松田さん「鉄分は動物性のヘム鉄と植物性の非ヘム鉄に分けられます。非ヘム鉄はとても吸収されにくい成分で、2%から5%程度しか吸収されないので、ホウレンソウやプルーンを取ったとしても、吸収される鉄分は少量です。食べないよりは良いですが、劇的に改善するのは難しいでしょう。
ヘム鉄が摂取できるものだとレバーや赤身肉、カツオ、アサリなどの貝類が挙げられますが、それらも吸収率は10%から20%です。吸収するのが難しい栄養素のため、鉄分の吸収を助けるタンパク質やビタミンCと一緒に取るか、タンパク質と鉄分の両方が含まれている食材を取ると良いと思います。
例えば、ヘム鉄だとアサリやシジミのカップ入りみそ汁や、買ってきてすぐに食べられるカツオやマグロなどの刺し身などが手軽に食卓に取り入れやすいのではないでしょうか。
さらに、赤身肉の中で最も鉄分の含有量が多いのは牛肉なので、牛ヒレ肉や牛モモ肉を食べるのもよいと思います。また、非ヘム鉄だと厚揚げやがんもどきは含有量が多く、メインのおかずにもなりやすいので手軽でおすすめです」
食事中にコーヒーや紅茶は控えた方がよい
Q.コーヒーや紅茶が好きな人の場合、食事の際に飲んでも問題はないのでしょうか。
松田さん「緑茶や紅茶に含まれるタンニン、コーヒーに含まれるクロロゲン酸といった物質は、鉄分と結びついて別の物質に変化し、不要なものとして排出されてしまいます。そのため、食事の前後30分から1時間は飲むのを控えるのがおすすめです」
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ヘモグロビンの値が問題なくても、フェリチン不足で隠れ貧血になっているケースがあると分かりました。不調が続く場合はフェリチンの値も検査するとよいかもしれません。さらに食事で鉄分をしっかりと取り、貧血を予防できるとよいですね。
(オトナンサー編集部)







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