血糖値が高いから「油抜き」は間違い? 糖尿病専門医が教える意外なリスク&正しい取り方
動物性脂肪や植物性脂肪を摂取した場合、血糖値が上がる可能性はあるのでしょうか。血糖値が高い人が油と上手に付き合うコツについて、糖尿病専門医に聞きました。

健康診断で血糖値が高いと指摘され、油の摂取量を減らしている人は多いのではないでしょうか。GW(ゴールデンウイーク)のような連休時はバーベキューや外食などに行く機会が多く、脂っこい食事や炭水化物に偏った食生活になりがちです。
そもそも、動物性脂肪や植物性脂肪を摂取した場合、血糖値が上がる可能性はあるのでしょうか。血糖値が高い人が油と上手に付き合うコツについて、eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。
油の摂取量を控えるとビタミン類の吸収率が低下
Q.血糖値が高い人や糖尿病の人は油を取ってはいけないのでしょうか。それとも、適量であれば問題はないのでしょうか。理由も含めて、教えてください。
市原さん「まず、適量であれば問題ありません。例えば、パンやおにぎりなど炭水化物だけを食べるよりも、油を少し一緒に取った方が食後の血糖値が上がりにくいことが分かっています。しかし、油自体は単独では血糖値を上げませんが、食事に含まれる油が多いと、植物性でも動物性でも食後の血糖値を上げやすくし、その上がった血糖値が長時間維持されてしまいます。
油は大さじ1杯当たり約120キロカロリーと高カロリーなので、取り過ぎると体重増加につながり、結果としてインスリンが効きにくくなって血糖値が上がりやすくなります」
Q.血糖値が高い人や糖尿病の人が油を摂取する場合、どのような油であれば問題はないのでしょうか。
市原さん「もし選ぶなら不飽和脂肪酸を含む植物性油が望ましいです。動物性脂肪は飽和脂肪酸を多く含みます。飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを上昇させ、動脈硬化につながります。血糖値が高い人は動脈硬化が進んでいる可能性があり、そこにさらに悪玉コレステロールの増加が加わると、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まってしまうため、注意が必要です。
オリーブオイルは不飽和脂肪酸が多いため、悪玉コレステロールの改善に役立ち、インスリンの効き目をよくする働きがあります。しかし、高カロリーであるため、取り過ぎると動物性脂肪と同様、体重増加や血糖値の悪化につながります」
Q.血糖値が高い人が油の摂取量を極端に減らした場合、どのようなデメリットが生じる可能性があるのでしょうか。
市原さん「脂質は消化に時間がかかる分、満腹感が持続しやすいため、極端に減らすとすぐにおなかが減って間食を多く取る可能性があります。その結果、血糖値に悪影響を与える可能性も考えられます。
油の摂取量を極端に減らすと1日の摂取エネルギーも減るため、体重は減ります。ただし、運動をしないまま油の摂取を控えると、筋肉量が減って血糖値が上がりやすくなります。
また、油は、脂溶性ビタミンであるビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの吸収力を高めます。そのため、油の摂取を極端に控えるとこれらのビタミンが吸収されにくくなり、栄養不足を招く可能性があります。油は適度に摂取するのがお勧めです」
Q.油の不適切な摂取が原因で糖尿病を発症する可能性はありますか。
市原さん「発症する可能性はあります。先述のように、油の過剰摂取は体重増加を引き起こすからです。体重増加に伴い内臓脂肪の蓄積、脂肪肝の悪化が起き、結果としてインスリンの効き目が悪くなってしまい、血糖値が上がります。その状態が続くと、将来的に糖尿病を発症するリスクが高まります」
(オトナンサー編集部)





























コメント