まさか自分が…旅先での急な腹痛招く“移動中の盲点”とは GW中の体調不良防ぐ6つの行動
多くの女性を悩ませる「冷え」の正体と、「温まり体質」に変えるのに有効な方法などについて、保健師が解説します。

GW(ゴールデンウイーク)を迎えました。連休中、旅行や帰省で長時間、新幹線や飛行機、高速バスなどを利用する人は多いのではないでしょうか。一方、この時期に増えるのが、旅先での「原因不明の腹痛」や「急な体調不良」です。
これらは、冷房による「冷え」が原因なのかもしれません。多くの女性を悩ませる「冷え」の正体と、「温まり体質」に変えるのに有効な方法などについて、事業場向けの産業保健支援を行うエムステージ(東京都品川区)産業保健事業部保健師業務マネジャーで、保健師の本田和樹さんが解説します。
GWに「冷え」が加速する意外な理由
「まだ夏じゃないから冷房なんて…」と油断していませんか。実は、GWの移動手段や公共施設は、混雑を見越して冷房が強めに設定されていることが多く、まさに「冷えの死角」となっています。
体の冷えを理解する上で押さえておきたいのが、心臓を動かしたり汗をかいたり、自分の意志とは関係なく、無意識のうちに働く「自律神経」です。自律神経には、活動する神経「交感神経」と、休息する神経「副交感神経」とがあり、生命維持に不可欠な体温調整を担っています。
私たちの体は、この自律神経の働きによって体温を調節していますが、あまりに急激な寒暖差が生じると、気温の変化に体が追いつかず、自律神経のバランスが乱れやすくなります。その結果、体温調節がうまくできなくなり、体の冷えにつながってしまうのです。例えば、次のケースに注意が必要です。
・当日の最低気温と最高気温の激しい差
・前日と当日の寒暖差
・室内外の寒暖差(冷房の効き過ぎ)
こうした急激な変化に対応しようとして自律神経が疲弊し、結果として内臓の働きが低下することで、旅先での腹痛などを引き起こしてしまいます。
なぜ女性は「冷えやすい」のか?
冷えの原因は、大きく分けて「体内で熱を作れない」ことと、「熱を全身に配れない」という2つの理由に集約されます。
・「熱を作れない」筋肉量の少なさ
女性は男性に比べて生まれつき筋肉量が少ないため、体内で熱を生み出せる絶対量が少なく、冷えやすい傾向にあります。
・「熱を配れない」巡りの悪さ
せっかく熱を作っても、血液に乗せて全身に配れなければ末端は冷え切ってしまいます。胃腸の働きの低下や、女性に多い「貧血」は、この運搬能力を下げてしまいます。
また、タイトな洋服やガードルによる物理的な締め付けも、熱の巡りを妨げる大きな要因です。
さらに、過度なストレスを感じると自律神経の交感神経が優位になり、毛細血管が縮まって血流が滞ります。女性の場合は、ホルモンバランスの乱れも冷えに拍車をかけます。
「冷え症」のサインと病気の境界線
「冷え症」とは、人が寒さを感じない温度でも、手足などが冷えてつらいと感じる状態を指します。単なる体質と思われがちですが、放置すると肩こりや関節痛、不眠、便秘、下痢、膀胱(ぼうこう)炎などの症状が起こりやすくなります。
さらに、冷えの原因となる病気としては、「甲状腺機能低下症」や「貧血」、「膠原病(こうげんびょう)」、「閉塞性動脈硬化症」などが挙げられます。冷えのほかに、次の症状が同時に生じた場合は、医療機関を受診しましょう。
・疲れやすさが異常
・冷たい風で指先が紫色や白色になる
・どちらかの足が特に冷たい
・ふくらはぎの痛みで長く歩けない
基本的には内科や婦人科で診てもらえますが、冷えていないときでも手足に「しびれ」を感じる場合は整形外科を、急に「皮膚が白くなる」ようならレイノー現象(膠原病)の恐れがあるため、膠原病専門医のいる内科を受診しましょう。
「温まり体質」を作るのに役立つ6つの行動
せっかくの旅行を台無しにしないために、今日からできる「温活」のコツをご紹介します。次の6つの取り組みを実行してください。
【食事】
・朝食を抜かない
睡眠中に下がった体温と代謝を上げるために、朝食は必須です。体の内側から熱を生み出すスイッチを入れましょう。
・たんぱく質の摂取を意識する
たんぱく質は筋肉の材料となるだけではなく、食べたものを熱に変える力が最も高い栄養素です。体内に蓄えておくことができないため、毎食コツコツ取り入れましょう。肉や魚、大豆製品、卵などに多く含まれています。
・ビタミンEとビタミンB群を摂取する
血行を良くするナッツ類やカボチャ、エネルギー代謝をサポートする豚肉や玄米などを積極的に取り入れましょう。
【服装】
・「上半身より下半身に1枚多く」が鉄則
上半身よりも下半身を冷やさないことが基本です。移動中は薄手の腹巻きやレギンスを忍ばせましょう。
・「3つの首」を死守
太い血管が通る「首・手首・足首」を冷気から守るため、夏用のストールや羽織ものを常備しましょう。小まめに温度調節ができる「重ね着」がベストです。
【入浴】
・38〜40度に設定
末梢(まっしょう)の血管を拡張させて芯まで温まるために、ぬるめのお風呂で、胸の高さまでの半身浴がおすすめです。冬場の入浴は20分程度を、これから暑くなる時期は10分程度を目安にしましょう。脱衣所も暖かくして、入浴の前後で小まめな水分摂取も行いましょう。
自分をいたわることが、最高の休日への近道
「たかが冷え」と放っておいてはいけません。原因不明の体調不良は、実は「病気の一歩手前だよ」という体からのSOSサインです。忙しい毎日の中で、つい後回しにしてきた自分の体。このGWは少し立ち止まって、体が温まる食材を選んだり、ゆっくりお風呂につかったりして、心と体を丁寧にメンテナンスしましょう。
ポカポカの「温まり体質」を手に入れれば、連休の楽しさはもっと膨らむはずです。最高のコンディションで、心ゆくまで特別な休日を楽しんでくださいね。
(オトナンサー編集部)







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