【糖尿病】数値が「夏に下がり、冬に上がる」は本当? 一時的に下がっても油断禁物な“理由”とは 専門医解説
糖尿病の指標である「HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)」は夏に下がるという情報もありますが、本当なのでしょうか。糖尿病専門医に聞きました。

冷たいものを食べる夏は血糖値が上がりやすい印象があります。一方、糖尿病の指標である「HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)」は夏に下がるという情報もあります。これは本当なのでしょうか。eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。
「HbA1c」の数値が下がっても油断は禁物
Q.糖尿病かどうかを判断する上で重要な指標である「HbA1c」は、夏に下がり冬に上がるという情報があります。本当に夏になると下がるのでしょうか。
市原さん「はい、多くの研究で、HbA1cは夏に低く、冬に高くなる『季節変動』があることが報告されています。
理由としては、夏は旅行やレジャーなどで活動量が増えやすかったり、暑さで食欲が落ちる人も多く摂取エネルギーが減ったりするからです。結果としてHbA1cが低くなる傾向にあります。
一方、冬は寒いため体を動かす機会が減るほか、年末年始のイベントで会食や間食が増えやすく、体重増加もしやすいです。そのため、HbA1cが高くなりやすいです。
ただし、最近は猛暑の影響で外出や運動を控えたり、アイスやジュース、スイカなどをたくさん摂取したりする人も増えているため、『夏だから必ずHbA1cが下がる』とは言えません。ライフスタイルによっては、むしろ夏に悪化する人もいます」
Q.夏にHbA1cの数値が下がるのを見て、「糖尿病が良くなった」と喜んで通院や薬をやめてしまう患者さんもいると聞きます。なぜこれは危険なのでしょうか。
市原さん「HbA1cは過去1~2カ月程度の平均的な血糖状態を反映する指標です。一時的に数値が改善したからといって、糖尿病そのものが治ったわけではありません。自己判断で通院や薬を中断すると、血糖値は再び悪化し、気付かないうちに高血糖が続く可能性があります。
HbA1cは6%未満(治療目標は7%未満)が正常値ですが、8%未満だと自覚症状が出にくいため、定期的に血液検査をしてHbA1cの状態を確認しないと、網膜症、腎症、神経障害といった合併症だけでなく、心筋梗塞や脳卒中などのリスクも高まります」
Q.夏の生活習慣の中で、糖尿病患者や糖尿病予備軍の人が「絶対に避けるべき行為」とは何でしょうか。
市原さん「次の3つの行為を絶対に避けてください」
(1)スポーツドリンクやジュースを水代わりに飲むこと
汗をかくからといって糖分を多く含む飲料を頻繁に飲むと、血糖値が急上昇します。日常の水分補給は、水や麦茶など糖分を含まない飲み物が基本です。
(2)冷たい麺類だけで食事を済ませること
そうめんや冷やしうどん、ざるそばだけでは糖質に偏りやすく、食後の血糖値が上がりやすくなります。鶏肉や卵、ツナ、豆腐などのたんぱく質や野菜を組み合わせることが大切です。
(3)水分摂取を怠ること
高血糖のときは尿量が増えることで体が脱水状態になっています。通常はのどが渇いて飲み物を飲むのですが、この高血糖による脱水状態が続くと、脳梗塞や心筋梗塞などの血管が詰まることで起こる病気になりやすくなります。また、脱水の状態は熱中症のリスクを高めてしまいます。
特に高齢者や糖尿病のある人は、喉の渇きを感じる前から小まめな水分補給を心掛けてください。
(オトナンサー編集部)



























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