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「子どもが万引した」 警察から連絡…親の対応次第で子の処分重くなる? 「NG行動」とは【弁護士に聞く】

「子どもが万引をした」と警察から連絡があった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。親がすべきこと、やってはいけない行為について、弁護士に聞きました。

子どもが万引をしたときに親がやってはいけないNG行動とは?(画像はイメージ)
子どもが万引をしたときに親がやってはいけないNG行動とは?(画像はイメージ)

 夏休み中は子どもが外出する機会が増えますが、非行に走るケースも珍しくありません。例えば、「子どもが万引をした」と警察から連絡があった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。親がすべきこと、やってはいけない行為について、佐藤みのり法律事務所の佐藤みのり弁護士に聞きました。

14歳未満は「刑事責任」なし?

Q.そもそも、18歳未満の人が店舗で万引をした場合、どのような法的責任を問われる可能性があるのでしょうか。また、どのような法的手続きが行われるのでしょうか。

佐藤さん「万引をすると、窃盗罪に問われる可能性があります。窃盗罪の法定刑は『10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金』です(刑法235条)。ただし、14歳に満たない者の行為は罰しないことになっているため(刑法41条)、14歳未満が万引をしたとしても、刑事責任を問われることはありません。

少年法は、20歳未満の者について適用されます(少年法2条1項)。従って、20歳未満の者が万引をした場合、少年法にのっとり、手続きが進められることになります。

具体的な手続きの流れは、年齢ごとに異なります。まず、14歳未満の者が万引をした場合、刑事責任を問うことはできませんが、警察官は、事案の真相を明らかにし、少年の健全育成のため、事件について任意で調査することができます(少年法6条の2)。そして、事件は児童相談所に通告されます。ここで児童福祉法上の福祉的な援助措置が取られます。事件によっては、児童相談所から家庭裁判所に送致されることもあり得ます。

次に、14歳以上の者が万引をした場合、警察による捜査がなされ、事件は検察庁に送られます。検察官からも取り調べを受けた後、事件は家庭裁判所に送られます。家庭裁判所は、審判を開始するかどうかを決定し、審判が開かれた場合、保護処分が必要かどうかや、必要であるならばどのような保護処分を下すべきか判断します。

保護処分とは、少年の更生を図るための処分であり、保護観察や少年院送致といった処分があります。14歳以上であれば刑事責任を問うことも可能であり、家庭裁判所が刑事処分にするべきと判断すれば、事件は検察庁に送り返されます(逆送)が、初犯の万引の場合、逆送される可能性は低いでしょう。

なお、18歳、19歳の少年は『特定少年』とされ(少年法62条)、保護処分についての特例が定められています」

警察から連絡が来た際の正しい対応とは?

Q.もし「お宅の子どもが万引をした」と警察から連絡があった場合、親はまずどのように対処すればよいのでしょうか。

佐藤さん「まずは事実の確認をしましょう。お店側が『子どもが万引をした』と判断した理由を聞き、子ども側の言い分も聞いて、万引の事実があったのかどうかに関わる一定の情報を集めましょう。

仮に、子どもが事実を否定していたとしても、例えば、防犯カメラ映像に犯行の様子が映っているような場合には、万引の事実はあったと考えられ、落ち着いて事実を受け止める必要があります。

万引の事実があったのであれば、店側に謝罪し、商品を返すか代金を支払うことになります。同じ店舗で何度も万引を繰り返していたような悪質な事案の場合、商品の代金を超える金額の支払いが必要になることもあります。示談交渉が必要な事案などでは、弁護士に相談するのも一つの方法です。

また、早期に子どもに対して教育的な指導をすることが重要になります。子どもに万引をした理由を聞き、万引がどうしていけないのか、万引は犯罪であり法的責任を問われることなどを説明しましょう。子どもが心から反省し、再び同じことを繰り返さないよう、適切な指導が求められます。

子どもから事情を聞き取ったところ、子どもが何らかのストレスや悩みを抱えていたことが判明し、それが万引の背景事情になっていたということも少なくありません。勉強や進路、学校生活、友達関係、いじめなど、子どもの抱えているさまざまな問題については、学校や関係機関と協力しながら解決していくべき場合があります。さらに、病的に万引を繰り返しているような事案もあり、医療につながることが必要なこともあるでしょう」

子どもの処分に悪影響となる親の行為

Q.警察から連絡があった際や、警察に行ったときに親がやってはいけない行為について、教えてください。例えば、警察官の心証を損ねてしまう行為、心証を損ねると不利になるケースはありますか。

佐藤さん「冷静さを失い、事実を確認しないまま、子どもに謝罪を強要したり、逆に『うちの子はやっていない』と決めつけたりと感情的な対応をすることは避けましょう。また、警察から連絡が来た時点で、『やっていないと言いなさい』など、子どもにうそをつくよう求めることもいけません。

先述のように、子どもが万引をした場合、少年法に基づき手続きが進んでいきます。警察での対応の先には家庭裁判所による判断があり、家庭裁判所は親の子への指導や監督体制、家庭環境なども重視して判断しますので、親の誤った対応が子どもの処分等に影響を与える可能性があります」

Q.子どもが万引などの非行に走らないために、あるいは再発を防ぐために、普段から親ができるケアや接し方はありますか。

佐藤さん「子どもの問題行動はそれ自体がSOSであることも多く、その背景には、子どもなりの悩みが隠されていることが少なくありません。さまざまな悩みが複雑に絡み合い、寂しさや葛藤、絶望といった負の感情に支配されているのに、自分に寄り添ってくれる人が誰もいないという孤独感に苦しんでいることもあります。

親や身近な大人は、表面的な子どもの問題行動だけを見るのではなく、その背景に目を向け、子どもの心の内にある悩みや負の感情と向き合い、共に乗り越えたり、味方としていつも見守ったりする姿勢を示すことが重要だと思います。

日頃からよく子どもの様子をみて、子どもの発する小さなSOSのサインに気付けるようにしましょう。『朝なかなか起きてこない』『食欲がないようだ』『眠れていないようだ』『たびたびお金が必要だと言うようになった』など、ちょっとした変化や違和感を察知し、子どもと本音で話し合えるようになることは非常に重要です」

(オトナンサー編集部)

【画像】「えっ…!?」 これが子どもが万引をした時に親がやってはいけない“NG行動”です

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佐藤みのり(さとう・みのり)

弁護士

神奈川県出身。中学時代、友人の非行がきっかけで、少年事件に携わりたいとの思いから弁護士を志す。2012年3月、慶応義塾大学大学院法務研究科修了後、同年9月に司法試験に合格。2015年5月、佐藤みのり法律事務所開設。少年非行、いじめ、児童虐待に関する活動に参加し、いじめに関する第三者委員やいじめ防止授業の講師、日本弁護士連合会(日弁連)主催の小中高校生向け社会科見学講師を務めるなど、現代の子どもと触れ合いながら、子どもの問題に積極的に取り組む。弁護士活動の傍ら、ニュース番組の取材協力、執筆活動など幅広く活動。女子中高生の性の問題、学校現場で起こるさまざまな問題などにコメントしている。

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