大雨で車が水没…実は道交法違反に? 車両置いて避難する場合の注意点とは【弁護士解説】
大雨の際に車を運転中、冠水した道路に進入してしまい、車が水没してしまった場合、道路交通法違反に問われてしまう可能性はあるのでしょうか。弁護士に聞きました。

千葉県で8月13日から同月14日未明にかけて降った記録的な大雨により、県内では道路の冠水が相次ぎました。その影響で、約2700台の車が水没などにより動けなくなりました。夏は急な大雨により、道路が冠水するリスクが上がるため、車の運転時は注意が必要です。
ところで、もし大雨の際に車を運転中、冠水した道路に進入してしまい、車が水没してしまった場合、道路交通法違反に問われてしまう可能性はあるのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。
過失の程度によっては道交法違反に
Q.冠水した道路に進入してしまい、車が水没してしまった場合、道交法違反に問われる可能性はありますか。
牧野さん「冠水した道路に進入して車が水没した場合、過失の程度によっては、道路交通法70条の安全運転義務違反などの道交法違反に問われる可能性があります。
例えば、冠水していると分かっていながら、あるいは注意していれば分かったはずなのに無理に進入し、事故や水没を引き起こした場合に安全運転義務違反が適用される恐れがあり、注意が必要です。この場合、違反点数2点、反則金9000円(普通車の場合)が科される可能性があります。
また、水没によって灯火類(ライト・ウインカー)が消灯した状態のまま、危険な状態でそのまま運転を続けた場合にも整備不良違反(道交法62条など)が問われる可能性があります。
大雨の際、周囲より低く作られた道路である『アンダーパス』は冠水しやすいとされています。車の運転時は『走行できるだろう』と考えてそのまま進むのではなく、別のルートを走行しましょう」
Q.もし冠水で動けなくなった車を路上に残して避難した場合、違反になる可能性はありますか。
牧野さん「一般的に、豪雨や洪水などの天災において、命を守るためのやむを得ない避難であれば、緊急避難となるため、冠水で動けなくなった車を路上に放置しても放置駐車違反には問われません。また、故障や水没など、自らの意思ではなく運行できなくなった車両をその場に残すことは、基本的には、違法駐車の要件を満たしません。
ただ、そのまま放置しておいてよいわけではなく、その後の対応が重要です。危険が去り、安全が確保でき次第、速やかに一般社団法人日本自動車連盟(JAF)などのロードサービス、警察、自治体などに連絡し、車の移動やレッカーの手配を行う必要があります。
災害後もそのまま長期間放置し続けると、道路管理者による移動措置の対象となります。水没した車は、エンジンをかけると感電やショートによる火災の危険があるため、勝手にエンジンを掛けたり動かしたりしないよう、注意してください」
Q.車が水没してしまった場合、補償はどうなるのでしょうか。車両保険は下りるのでしょうか。
牧野さん「車が台風や豪雨、洪水などで水没した場合、車両保険に加入していれば、基本的に保険金が下ります。例えば、台風や大雨による洪水、高潮、冠水などの場合です。
ただし地震、噴火を原因とする津波による水没は、車両保険の補償対象外です。また、水害で車両保険を使うと、翌年は『1等級ダウン』となり、支払う保険料がその分値上げされます」
(オトナンサー編集部)







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