深夜の騒音に「すぐ苦情」は泥沼化? 裁判でも負けない“証拠集め”と正しい初期対応【弁護士解説】
「騒音」とみなされる目安の音量や、騒音の被害を立証するための証拠集めのポイント、トラブルを泥沼化させないための対処方法について、弁護士に聞きました。

エアコンに頼らず窓を開けられる程度に残暑も和らいでくる秋は、過ごしやすいと同時に、周囲の騒音が気になりがちな季節でもあります。寝静まる家庭の多い夜間ともなればなおさらで、集合住宅などでは騒音トラブルに発展する例もあります。SNS上では「隣人の騒音で起きた」「深夜でもいきなり叫び声上げて騒いでる人いて、マジで迷惑」といった声が上がっています。
「騒音」とみなされる目安の音量や、騒音の被害を立証するための証拠集めのポイント、トラブルを泥沼化させないための対処方法について、弁護士の永島徹さんに聞きました。
夜間に「45デシベル」を超えると騒音とみなされるリスク
Q.法律や裁判で「受忍限度(我慢すべき範囲)」を超える騒音と判断される、具体的な基準や音量について、教えてください。
永島さん「騒音トラブルでは、受忍限度を超えるかどうかが最大の争点になります。具体的には、一般的な住宅地であれば昼間は55デシベル以下、夜間であれば45デシベル以下が1つの基準となっており、これを超えると『耐え難い騒音』とみなされるリスクがあるでしょう。
ただし、単に音量だけでなく時間帯や継続時間、あるいは話し声、足音、楽器といった音の種類なども総合して判断されるため、一概には言えません」
Q.隣人の騒音を理由に警察や管理会社に通報や相談する際に効果を発揮する「証拠の集め方」はありますか。
永島さん「効果的なのは客観的な記録です。例えば『いつ、どのような、どの程度の音が聞こえていたのか』を記録することが重要となります。可能であれば、騒音計で計測をしたり、音が聞こえてきたりする様子を動画で撮影するのも有効です。
スマホアプリでも計測可能なものがあるようですが、結果の正確性に関してはどうしても一歩劣るため、できれば正確な騒音計を用いて計測し、客観的な証拠を残すのがベストだと思います。多くの自治体では、公害防止などの目的で『普通騒音計』や『振動レベル計』といった測定機器の貸し出しを行っているので、担当課に相談してみてください」
Q.騒音を発している住宅にいきなり文句を言うのは危険なのでしょうか。トラブルを泥沼化させないための法的に正しい初期対応について、教えてください。
永島さん「どのような人が住んでるか分からない場合は、やはりいきなり文句を言うのは危険なのであまりお勧めはできません。感情的な口論になれば、将来的に別の嫌がらせに発展するケースもあるため、避けた方がいいでしょう。管理会社や大家(貸主)には住環境を適切に保つ法的な義務があるため、まずはそちらに連絡を取り、間接的に注意喚起をしてもらう形が良いと思います。
それでも騒音が改善せず、例えば深夜に大騒ぎしているような悪質な場合には警察に相談することが考えられます。軽犯罪法では『公務員の制止を聞かずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者』は『静穏妨害の罪』に問われるため、直接対応するのではなく公務員、つまり警察に来てもらうことが第一です。
ちなみに、仮に裁判となった場合『侵害行為の態様』『被害の性質と程度』『加害行為の公共性・社会的価値』『地域性・場所的状況』『防止措置の有無とその内容・効果』といった点以外に、『交渉の経緯』も判断材料の一つになります。
もし第三者の介入前に当事者間で直接交渉していた場合は、その日時や内容をメモなどで残しておいた方がいいでしょう」
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「耐え難い騒音」と客観的に認められるためには、一定の音量を超えていると証明する必要があるため、必要に応じて正確な測定機器を用いて証拠を残しておきましょう。
ただし、明らかに「騒音」の範囲にある場合であっても、いきなり当事者同士で交渉するのではなく、まずは法的義務を負う大家や管理会社を通じてコンタクトを取り、それでも改善しないようなら警察に介入してもらうのが比較的安全です。訴訟にもつれ込んだ場合のために証拠を確保しておくのも大切ですが、身の安全を守ることを第一に考えましょう。
(オトナンサー編集部)






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