「しゃぶ葉」配膳ロボの肉“横取り”に批判…他人の料理を食べたら「窃盗罪」になる? 食べ放題の店でもNGか
もし配膳ロボから他の客が注文した料理を取り、食べてしまった場合、窃盗罪に該当するのでしょうか。弁護士に聞きました。

しゃぶしゃぶ食べ放題チェーン「しゃぶ葉」で、配膳ロボが運ぶ肉を他の客に取られたという内容の投稿がXで相次いでおり、ネット上では批判の声が多く上がっています。
同店では、価格に応じて注文できる料理が異なる食べ放題コースを提供。低価格帯のメニューでは基本的に豚肉と鶏肉が中心ですが、高価格帯のメニューを選ぶと国産牛やブランド豚なども提供されます。高価格帯の食べ放題コースを選んだ際に牛肉や牛タンなどを取られたと訴える投稿が複数上がっています。
報道によると、店の運営会社は他の客の商品を取ろうとすると音声で知らせる追加機能を導入するなど、再発防止を図るということです。
もし配膳ロボから他の客が注文した料理を取り、食べてしまった場合、窃盗罪に該当するのでしょうか。1つのコースしかない食べ放題の店の場合はどうなるのでしょうか。アトム法律事務所の松井浩一郎弁護士に聞きました。
誤って食べた場合も代金を支払う義務
Q.他人の料理だと知りながら、配膳ロボで運ばれている料理を故意に横取りして自分の席で食べた場合、どのような罪に問われる可能性があるのでしょうか。
松井さん「配膳ロボットが運ぶ料理は、注文客が受け取るまでは店が管理している物と考えるべきです。他人の注文と知りながら取って食べれば、窃盗罪(刑法235条)が成立する可能性があります」
Q.では、自分の席のすぐ近くに配膳ロボが到着したことで、他人が注文した料理を自分のものだと勘違いして食べてしまった場合はいかがでしょうか。この場合も窃盗罪に該当するのでしょうか。
松井さん「刑法上、窃盗罪に過失犯の規定がないため、本当に自分の注文だと思い込んで食べたのであれば、窃盗罪は成立しません」
「食べ放題」でも窃盗罪は成立する?
Q.複数のコースではなく、1つのコースのみを提供する食べ放題の店の場合、配膳ロボの料理を横取りされた客側は追加注文すれば金銭的損害はなく、横取りした客側も定額料金を支払っています。このように客同士の金銭的損害が発生しにくい構造であっても、窃盗罪は成立するのでしょうか。
松井さん「窃盗罪は、『最終的に金銭的な損害が出たかどうか』ではなく、『他人が管理・占有している財物を取得したか』によって成否が判断されます。そのため、1つのコースのみの食べ放題であっても、店舗に対する窃盗罪は成立しうると考えられます」
Q.「うっかり間違えて食べてしまった」場合であっても、食べた分の料金を支払う義務や、店舗、本来の注文客に対して民事上の損害賠償責任は生じるのでしょうか。
松井さん「過失があれば民法709条に基づき、店に対する不法行為として、過失がなくても民法703条の不当利得として、食べた分の代金相当額を支払う義務が生じる可能性があります」
Q.店舗で料理を横取りした人から「うっかり間違えただけだ」と主張された場合、警察や店舗はどのようにして「故意」か「過失」かを判断・立証するのでしょうか。
松井さん「『うっかり間違えただけだ』というのは、あくまで内心の問題なので、故意か過失かについては、客観的事実、状況証拠を積み重ねて検討することになります。
例えば、注文履歴と配膳端末のデータ、防犯カメラ、目撃証言などの客観的状況から『うっかり』という言い逃れが認められない場合は、故意が認定されます」
(オトナンサー編集部)




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