「1日最大600円」の駐車場を3日利用…1万2000円に 「小さな注意書き」の高額請求は拒否できる?【弁護士解説】
もし「1日最大○○円」と記載されたコインパーキングの利用時に高額請求された場合、断ることは可能なのでしょうか。弁護士に聞きました。

シルバーウイーク中に旅行やレジャーに車で出掛ける際、コインパーキングを利用する人は多いのではないでしょうか。中には「1日最大○○円」と記載しているパーキングがあり、2日以上利用する人もいるようです。
ところで、国民生活センターが過去に公表した資料によると、「1日最大600円」と記載された駐車場を3日間利用した人が約1万2千円の請求を受けた事例があるといいます。この駐車場の看板には、「最大料金の適用は1回限り」でその後は時間制で料金が発生するという内容が小さい文字で記載されていたということです。
もし「1日最大○○円」と記載されたコインパーキングの利用時に高額請求された場合、断ることは可能なのでしょうか。佐藤みのり法律事務所の佐藤みのり弁護士に聞きました。
まずは提示された料金を支払う必要がある
Q.「1日最大○○円」と書かれた駐車場で「最大料金は1回限り」「土日祝は対象外」などの条件が小さな文字でしか書かれていなかった場合、契約として成立しているのでしょうか。提示された高額請求を拒否することは法的・実務的に可能ですか。
佐藤さん「コインパーキングの利用に関する取引は、不特定多数の客を取引の相手方とし、その内容が画一的であることが当事者双方にとって合理的なものと言えるため、民法548条の2が定める『定型取引』に当たると考えられています。
そして、通常、駐車場内の看板などに記載された利用条件などが契約内容であり、利用客は看板などに記載された個別の条項について合意したものとみなされます。
そのため、『最大料金は1回限り』や『土日祝は対象外』などの条件が小さな文字でしか書かれていなかったとしても、原則として、記載された通りの内容の契約が成立していると考えられます。また、駐車場の仕組み上、出庫するためには料金を支払う必要があり、駐車している間は料金が上がり続けるため、まずは提示された金額を支払うことが必要になるでしょう。
ケースバイケースですが、分かりにくい表示であることを理由に返金を求められる可能性も考えられます。事業者に問い合わせてみて、納得がいかないような場合は、返金を求められるかどうかなど、弁護士に相談することも一つの方法です。
なお、このような分かりにくい表示は、景品表示法に違反している可能性があります。消費者庁は、2017年に『時間貸し駐車場の料金表示について』として、景品表示法上の考え方を公表しています。それによると、例えば、最大料金が一定の期間のみ適用されることが小さい文字で記載されるなど、消費者がその表示を認識できない恐れがある表示は、景表法違反になる恐れがあるとされています」
Q.もしコインパーキングの精算時に想定外の高額料金が表示されてしまった場合、現地でまずやるべき対処法や、絶対にやってはいけない行動はありますか。
佐藤さん「利用客としては、料金に疑問がある場合、看板などに記載されているコインパーキングの運営会社に電話するなどして、確認してみましょう。それでも納得できなければ、提示された金額を支払った上で、領収書を保管し、駐車場の看板を写真に撮るなどして記録します。その上で、消費生活センターなどに相談することをおすすめします。
消費生活センターに相談すれば、運営会社から返金を受けられるわけではありませんが、消費者庁が業者に指導するなどして、不当表示の改善につながる可能性があります。また、消費者庁は、一定の悪質な事業者に対し、措置命令を出したり、課徴金を課したりすることがあり、事業者が消費者に対し自主的に返金措置を取れば、課徴金が減免される制度も存在します。
利用者がやってはいけない行為ですが、金額に納得がいかないからといって、無理やり車を動かし、料金を支払わないまま立ち去ることは避けましょう。駐車場の設備を壊す恐れがあり、逆に法的責任を追及される可能性があります」
Q.後から駐車場の管理会社とトラブルにならないために、利用者が駐車する直前に必ず確認しておくべき「看板のチェックポイント」を教えてください。
佐藤さん「トラブルの予防には、看板や、入り口や精算機付近にある詳細な案内も含め、利用条件をしっかり確認することが大切です。
特に、自分が駐車する時間帯について『平日料金か、休日料金やイベント等の特別料金か』『最大料金か通常料金か』『最大料金の細かな条件(適用回数に上限があるか、その他時間や曜日の条件はあるか)』などを必ず確認するようにしましょう」
(オトナンサー編集部)






















コメント