矢印信号なのに「進まない車」は交通違反か…後続車が追突したら過失割合はどうなる?【弁護士に聞く】
もし矢印信号に慣れない人が運転時に進行せずにその場にとどまった場合、交通違反として罰せられる可能性はあるのでしょうか。弁護士に聞きました。

休日に車で旅行やレジャーに出掛ける予定がある人は多いのではないでしょうか。地域によっては、矢印信号があります。このタイプの信号は赤でも矢印の方向に進行できるのが特徴で教習所で習いますが、慣れていない人は戸惑うかもしれません。SNS上では「ややこしい」「都内でよく見る」といった声が上がっています。
もし矢印信号に慣れない人が運転時に進行せずにその場にとどまった場合、交通違反として罰せられる可能性はあるのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。
矢印信号と青信号の違いとは?
Q.そもそも矢印信号は青信号と何が違うのでしょうか。
牧野さん「法令上、矢印信号と青信号に大きな違いはなく、どちらも『進むことができる(進んでもよい)』という意味です。つまり、矢印信号は、『赤信号や黄色信号でも、指定された方向にだけ進むことができる』という意味であり、青信号は、『すべての方向に進むことができる(進んでもよい)』という意味で、双方とも進行しなければならない『義務』ではありません」
Q.では、矢印信号に慣れていない人が車で遠出をしたとします。その際、矢印信号が自分の進みたい方向を示しているにもかかわらず、赤信号だと勘違いをしてその場にとどまり続けた場合、交通違反になる可能性はありますか。
牧野さん「矢印信号で進行せずにその場にとどまった場合、基本的には、交通違反として罰せられる可能性はないでしょう。先述のように矢印信号は、『その方向にしか進んではいけない』という意味であり、進行しなければならない『義務』ではないため、進まないことによってのみ、交通違反として罰せられることは基本的にないからです。
ただし、安全に通行できる状態であるにもかかわらず発進しない場合は、『前方不注意』に問われる可能性があります。
ドライバーは、ハンドルやブレーキなどを確実に操作し、他人に危害を及ぼさない速度と方法で運転する義務があり、『前方不注意』として、道路交通法70条の『安全運転義務違反』に該当する可能性があります。この場合の違反点数は2点、反則金は普通車で9000円です」
Q.もし車の運転中、前方の車が「矢印信号の誤認」によって急ブレーキを踏んだとします。それにより事故が起きてしまった場合、過失割合はどうなるのでしょうか。
牧野さん「矢印が出ているのに(進行可能であるにもかかわらず)、先行車が急ブレーキを踏んだ結果、後続の車が追突した場合、先行車側にも20~30%程度の過失が問われる可能性があります。
そのため、過失割合は『追突車:70%、先行車(急ブレーキ車):30%』前後が目安となるでしょう。
追突事故は、前方の車が急停止しても衝突を避けられるよう『必要な車間距離の保持』が後続車に義務付けられているため(道路交通法26条)、原則として過失割合は『追突車:被追突車=10:0』です。
ただし、先行車の不必要な急ブレーキのケースでは、危険防止のやむを得ない場合を除き『急ブレーキの禁止』が定められているため(道路交通法24条)、青信号や矢印が出ているのに急停車することはこれに該当し、先行車にも責任が認められる可能性が高いです」
(オトナンサー編集部)







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