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よく見かけるけど…自宅前に「段差スロープ」設置、実は違法? 意外と知らない法的リスクとは

ネット上では「段差スロープを道路上に設置するのは違法」という情報がありますが、本当なのでしょうか。弁護士に聞きました。

段差スロープを道路上に設置するのは違法?(画像はイメージ)
段差スロープを道路上に設置するのは違法?(画像はイメージ)

 車をスムーズに出し入れするため、自宅のガレージや駐車場の前にプラスチック製や金属製の「段差スロープ(乗り上げブロック)」を置いている住宅をよく見かけます。一方、ネット上では「段差スロープを道路上に設置するのは違法」という情報がありますが、本当なのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。

道路法違反で1年以下の拘禁刑の可能性も

 自宅前に段差スロープを設置することは、そもそも公道に物を置くことになるため違法になる可能性があります。道路法43条2項では、道路の構造または交通に支障を及ぼす恐れのある行為を禁止しています。

 そのため、道路上に段差スロープを設置する行為は、道路法違反行為に該当し、同法102条3号に基づき1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

 また、道路交通法76条3項では、交通の妨害となる方法で道路上にみだりに物件を置くことを禁止しています。段差スロープの設置によって、交通の妨害が生じる場合は、道交法違反行為として3カ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金に処せられる可能性があります(道路交通法119条)。

 段差スロープは、道路から自宅へスムーズな乗り入れを可能にする便利な商品ですが、道路を利用する他の歩行者からすると段差スロープがあることによって歩道が狭くなり、つまずいて転倒するリスクがあります。バイクや自転車を運転している人にも、乗り上げによる転倒や負傷のリスクが生じます。

 もし段差スロープの設置により他人に損害を与えたことが証明されれば、設置した住人は、被害者に対して、民法717条1項の「土地の工作物責任」に基づき、占有者や所有者としての損害賠償責任を負う可能性があります。民法709条の不法行為に基づく損害賠償責任は加害者に過失(不注意)が必要とされているのと異なり、この場合には、その所有者は過失(不注意)がなくても責任を負うことに注意すべきです。

 すでに近所の家々がたくさんのスロープを設置していて、通行時に危ないと感じる場合、近隣トラブルの相談として、警察相談専用電話「♯9110」に電話をしてみましょう。警察安全相談員が、対応方法についてアドバイスをしてくれます。

 なお、「車を傷つけずに自宅の駐車場に入れたい」という場合、道路法24条に基づき、道路管理者(管轄する役所)に道路工事施行承認申請を行い、許可を得ることができれば、歩道の縁石を低くする「切り下げ工事」を行うことが可能です。この場合、工事費用は自己負担となりますが、法律に則った正しい方法と言えます。

(オトナンサー編集部)

【要注意】自治体も注意喚起…これが自宅前に「段差スロープ」を設置してはいけない“理由”です!

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牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。

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