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海・山…レジャーで虫刺され、すり傷が炎症&重症化 放置すると怖い“病気”とは

本格的な夏を迎えるにあたり、海や山で虫に刺されたり、すり傷などを負うこともあると思います。ささいな事だと思い込んでいたら、炎症や激痛が……。実は放置すると怖い「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」について皮膚科専門医に聞きました。

夏は虫刺されやささいなケガを負うこともあるが…※蜂窩織炎の初期症状のイメージ(PIXTA提供)
夏は虫刺されやささいなケガを負うこともあるが…※蜂窩織炎の初期症状のイメージ(PIXTA提供)

 子どもが夏休みを迎えた家庭も多いのではないでしょうか。大人の人も夏のレジャーシーズンでは、海や山で虫に刺されたり、ささいな傷を負って帰宅してくるといったことが増えます。ささいな傷だと思い込んでいると、傷から細菌が入り込み炎症を起こしたりします。その一つに「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」があります。放置すると重症化し、入院が必要になるケースもある蜂窩織炎について、皮膚科専門医の慶田朋子さんに原因や見分け方、早めに受診すべきサインを聞きました。

場合によっては「壊死」 広範囲で“切除”の可能性も

Q.まず、蜂窩織炎とはどんな病気なのか教えてください。また、夏に増える理由もお願いします。

慶田さん「蜂窩織炎は、皮膚の深い部分(皮下脂肪組織)に細菌が感染して引き起こされる、急性の化膿性感染症です。傷口や虫刺され、水虫など皮膚のバリア機能が壊れた部位を入り口に、主に『黄色ブドウ球菌』や『A群β溶血性レンサ球菌(A群溶連菌)』が皮膚内部に侵入することで起こります。

夏は、汗や蒸れなど細菌が好む高温多湿な環境が整いやすく、感染リスクが高まります。また、肌の露出が増え、虫刺されやすり傷などの小さな傷ができやすくなります。水虫も夏に悪化する皮膚病の代表格ですから、放置していると蜂窩織炎のきっかけになります。足の指の間から感染して蜂窩織炎になるケースも多く、炎症が広がると足の裏から足首までパンパンに腫れて入院に……ということもあります。ささいな傷や水虫は、放置せずにきちんと治療してください。

蜂窩織炎は感染症ですが、人にうつることはありません。しかし、感染した際の症状は重く、進行の速度も早い上、放置すると重症化し命に関わることもあります。糖尿病などの基礎疾患がある方、高齢者など免疫力・抵抗力が低下している方は、症状の進行が速いので特に注意が必要です。他にも、水虫やアトピー性皮膚炎など皮膚のバリア機能が低下している方、血流やリンパの流れが滞っている方も、かかりやすいとされています」

Q.蜂窩織炎の症状の特徴を教えてください。

慶田さん「主な初期症状は、患部の赤み、腫れ、違和感、軽い痛み、熱感です。症状が進むと、患部が膨張したように見えるほど強く腫れます。何もしなくてもズキズキとした痛みがある上、触れると強く痛むようになります。

放置すると、悪寒や発熱、倦怠(けんたい)感などの全身症状を伴うことも多くあります。そのため、風邪やインフルエンザだと思って、我慢してやり過ごそうとしたり、内科を受診して見逃されてしまうケースもあります。

蜂窩織炎は重症化すると、壊死(えし)性筋膜炎や敗血症といった恐ろしい病気に進行することがあります。場合によっては、壊死した組織の広範囲にわたる切除術(医学用語でデブリードマン)を余儀なくされ、植皮術など大々的な手術が必要になります。命に関わることもあるため、できるだけ早く皮膚科を受診する必要があります」

Q.では、受診した方がよい目安も教えてください。また、家庭でケアする方法や予防はできますか?

慶田さん「皮膚に痛みを伴う赤みや腫れが急に現れたら、すぐに皮膚科を受診しましょう。ただの虫刺されだと思い込んで受診を控えるのは危険です。ただの虫刺されでも受診して大丈夫ですから、自己判断せずに皮膚科専門医の診断を受けてください。

蜂窩織炎は症状の進行が速く、初期症状が出てから半日~数日で範囲が広がり、全身症状が現れます。重症化する前に、できるだけ早く抗菌薬による治療を始めなければなりません。軽い症状であれば内服薬での治療が可能ですが、症状が進行していると入院して点滴治療を行う場合もあります。適切な薬を使えば、数日で腫れや熱感が和らぎます。

家庭では、患部を冷やして安静に過ごします。治療中は患部を刺激しないことが最優先です。患部を温めたり、マッサージをするのは避けてください。

蜂窩織炎を予防するには、肌を清潔に保ち、しっかり保湿して皮膚のバリア機能を正常に働かせることが大切です。小さな傷でも放置せず、きちんと処置して傷口をカバーし、細菌が繁殖しないように丁寧に洗浄しましょう。

糖尿病など免疫力が低下する持病がある場合は、日ごろから体の状態を整えて持病の管理を徹底すること。健康的な生活習慣で、免疫力を保ちましょう」

 海や山だけでなく、街中やレジャー施設などでも虫に刺されたり、ケガを負うこともあります。赤みや腫れが広がる、痛みが強い、発熱があるなどの症状が出たりしたら要注意してください。早期に皮膚科を受診するようにして、重症化しないようにしましょうね。

(オトナンサー編集部)

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慶田朋子(けいだ・ともこ)

銀座ケイスキンクリニック院長 医学博士

1999年、東京女子医科大学医学部卒業、同大にて皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、2011年に銀座ケイスキンクリニックを開設。最新の医療機器と注入治療をオーダーメイドで組み合わせ、「切らないハッピーリバースエイジング」をかなえる美容皮膚科医として多くの患者から厚い信頼を得ている。皮膚の働きや美肌に役立つスキンケア、生活習慣などの分かりやすい解説が人気で、テレビ、雑誌、ウェブなど多方面で活躍中。学会や論文などで、新しい皮膚科学を常に学び続け、発信を続けている。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。著書「女医が教える、やってはいけない美容法33」(小学館)が好評。

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