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子どもが「YouTube」を見続ける…親が絶対にブレてはいけない“一線”とは

自閉症の25歳の息子を育てる筆者が、子どもに動画を見せる際の注意点について紹介します。

子どもにYouTubeを見せる際に親が注意すべきことは?(画像はイメージ)
子どもにYouTubeを見せる際に親が注意すべきことは?(画像はイメージ)

 私には、25歳になる知的障害を伴う自閉症の息子がいます。2歳3カ月のときに、正式に診断を受けました。これまで試行錯誤しながら育児に向き合ってきました。そんな私のもとには、よく親御さんから次のような相談が寄せられます。

【相談内容】
子どもがYouTubeをずっと見ていて、やめさせることができません。「あと3本」「あと1本だけね」と約束しても、見終わったあとギャーッとなって大騒ぎして、毎日バトルになります。

 今の20~40代の親御さんと、1961年(昭和36年)生まれの私の世代とでは、子どもを取り巻く環境が違います。私が子どもの頃はスマホやインターネットがなく、テレビも白黒からカラーに移行する時代でした。そのため、当時はテレビ漬けにもゲーム漬けにもなりませんでした。

 しかし、今の子どもたちは生まれた時からスマホがあり、YouTubeがあります。また、おむつをしていて、言葉も話せない時期からスマホをいじっている子も、けっこう見かけますよね。それを取り上げると大騒ぎになるそうで、本当に困った問題です。

 では、どうすれば子どもが納得してYouTubeの視聴を終えられるのでしょうか。年齢によって違う部分もありますが、いくつか重要なポイントを解説します。

ルールは親が押し付けず「子ども自身に選ばせる」

(C)あべゆみこ
(C)あべゆみこ

 まず大事なのは「YouTubeに限らず、他人から押しつけられたルールは守りにくい」ということです。

 人は、“人に押しつけられたルール”は守りたくありませんが、“自分で選んだルール”は守ろうとするものです。そのため、「あと1本見たらおしまい」「あと2本」「あと3本」など、いくつかの選択肢を与えて、子ども自身に選ばせるのが効果的です。

「じゃあ、あと3本にする」と本人が決めた場合、親が「あと3本見たらおしまいね」と言うよりも、ずっと受け入れやすくなります。

 例えば、公園からなかなか帰りたがらない子にも同じことが言えます。「もうそろそろ帰るよ。夕ごはんの時間だから、買い物にも行かなきゃ」と言っても、遊びに夢中な子には「親の都合で言っているだけじゃん」としか思えません。

 だから、時計が読める子なら「午後4時5分になったら帰る」もしくは「午後4時10分になったら帰る」、滑り台なら「あと1回滑ったらおしまい」「あと2回」「あと3回」と、選択肢を与えます。

 そうすると、親から押しつけられたルールよりも、ずっと守りやすくなるようです。

YouTubeは「時間」ではなく「本数」で区切る

 YouTubeの場合、「あと○分でおしまい」と時間で区切るのはおすすめしません。なぜなら、キリの悪いところで止められてしまうからです。

 それは、たとえるなら「おしっこしている途中でやめなさい」と言われるようなもの。やはりキリの良いところで終わらせる方がいいです。

 そして、その“区切り”を本人に選ばせるのがポイントです。

タブレットやスマホの所有権は「すべて親のもの」にする

 それから、スマホやタブレットの扱い方について解説します。これは「携帯電話をいつから持たせるか」という質問にも通じますが、親も使いたいから2台、兄弟がいれば3台、という家庭もあると思います。

 ただし、台数がいくつあっても「すべて親のもの」としておきましょう。“親のものを貸してあげる”という形にするのです。子どもが「自分のもの」と思うと、自分の自由に使いたくなるからです。

 でも、「お母さんのスマホを貸してもらっている」という感覚なら、親のルールが通りやすいです。実際、お金を払っているのは親だからです。

「じゃあ、お母さんのタブレットを貸してあげるね。今日は何本見る? 3本にする?」と本人に選ばせるのがいいでしょう。

 もちろん、「そもそもYouTubeなんて見せる必要はない」と言う人もいます。でも、実際にはそうもいきません。

 YouTubeやテレビを見せている間は、子どもがおとなしくしてくれることが多く、手が離せない時や外食の時、電車の中で騒ぐ時に見せるのは悪いことだとは思いません。

 ただし、一日中見せっぱなしは良くありません。いろんな子どもを見ていると、YouTubeを見始めると、パズルやレゴ、積み木などよりもYouTubeの方が楽しくなってしまい、そうした遊びに戻れなくなることがあります。

 そして、「自分で“あと3本見たらおしまい”と決めたのにかんしゃくを起こした」場合。これは定型発達の子でも、どんな子でも同じです。

 どんなにかんしゃくを起こしても、親は譲らないことが重要です。「3本だけって、さっき決めたでしょ」と毅然と伝えます。

 その日は大バトルになるかもしれませんが、ここは“根比べ”です。どうしても耐えられない時は、親が耳栓をしてでも構いません。どんなに騒いでも「もうダメなんだな」と学ばせる必要があります。

 YouTubeを見るのが“こだわり”なのか“わがまま”なのかは分かりませんが、そこは心を鬼にして、「どんなに泣いても3本は3本」と貫きましょう。その積み重ねが、結果的にお互いを楽にします。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

【画像】知らなかった…これが「発達障害児」にみられる行動です(5つ)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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