甘えない、人を石ころのように扱う…2歳3カ月で「自閉症」と診断された息子が見せていた“兆候”とは
自閉症の25歳の息子を育てる筆者が、息子の自閉症に気付くことになった当時のきっかけについてご紹介します。

「人見知りをしない」「人に興味を持たない」「人を『人』と思っていないかのような表情をする」という様子が幼少期の息子にありました。こちらから抱っこをすれば嫌がりはしませんが、自分から抱っこを求めることはありません。バイバイやハイタッチ、他人のまねを一切しませんでした。
私が保育園に迎えに行ってもうれしそうな表情は見せないのに、迎えの時刻が少しでも遅れると怒り狂いました。このほかにも、怪しい行動はたくさんありました。
私の息子は現在25歳です。自閉症の正式診断を受けたのは2歳3カ月でした。「診断されて気付いた」というより、「ずっと怪しいとは思っていたけれど、本当に診断されてしまった」という感じでした。それまでの行動について改めて紹介しようと思います。
生後8カ月ごろから異変
生後3カ月までは特に特徴はありませんでした。しかし生後半年を過ぎ、8〜9カ月になると「あれ?」と思うことが出てきました。
まず、人見知りをしないことです。定型の子にも人見知りしない子はいますが、息子の場合は「人を人と思っていない」という感じでした。存在を石ころのように扱うという印象でした。目はあっても心からの目線が人に向いていないのです。
商店街に連れて行くと、見知らぬおばちゃんが「かわいいね」とのぞき込んでも、ニコッと笑うこともなく、嫌がるわけでもなく、ただスルー。「なんでこの子はこんな目つきをするのだろう」と思ったのを覚えています。
1歳過ぎになって動物に興味を示さず
ハイタッチもせず、私が「タッチ」と言っても手を出してきません。バイバイもしません。逆さバイバイすらしません。まねをしようとする気配もありませんでした。
特定の音を嫌がり、犬や猫などの動物にも興味を示しませんでした。
例えば、ベンチに5人のおじいさんが座っていて、一番離れた席のおじいさんがつえを持っていました。長いものに興味を持っていた時期で、そのつえを取りに行こうとしたのですが、途中に犬がいても避けません。犬をモノのように踏んづけて進んで行くということもありました。
「この子、なんか変だな」と感じる瞬間が増えていきました。
2歳ごろは他の子に興味を示さず
2歳を過ぎると傾向はより明らかになりました。友達と関わらず、クリスマスの時期にサンタクロースが来ても無視。プレゼントを渡されても、私が手を取って受け取らせても、すぐに落としました。
地図パズルや数字、文字にはものすごい興味を示し、それらに夢中で取り組んでいました。一方、ままごとなどの「ごっこ遊び」には興味なし。他の子にも関心がありません。
私が母に一時的に預けた後、迎えに行ったときも、うれしそうにしません。「ママ〜」と飛びついてくることは一度もありませんでした。そもそも言葉を発しませんでした。ちなみに、息子が話し始めるようになったのは5歳ごろです。
比較対象がなく…
私は現在、ファミリーサポートの仕事で定型発達のお子さんを預かることも多く、改めて「定型発達の子ってこうなんだ」と思わされることがあります。皆さんの中にも、上の子が自閉症で下の子が定型発達の場合、「定型発達の子って赤ちゃんでもこんなことができるんだ」と気付くことがあるかもしれません。逆に、上が定型発達で下が自閉症だと、気付きが早いと思います。
しかし私は未婚の母で、育てたのは一人だけ。比較対象がなかったのです。2歳3カ月で保育園に入り、初めて“普通の子どもたち”の中に入れてみて、「うちの子だけ浮いている」「行動が異次元のように見える」と感じ、診断を受けました。
母子の愛着形成について
私が卵巣のう腫の手術で4~5日入院したとき、私の母が保育園に迎えに行き、お見舞いにきてそのまま実家に連れて帰っていました。母は毎日、帰る前に病院に寄ってくれていましたが、息子は私の顔を見てもうれしそうにしません。ひどい日は、病室に来ず、病院の自販機の「野菜生活」のジュースだけ飲んで帰ることもありました。
「この子、私に会いたくないのかな」
そんな風に思って、寂しかったです。
関わっても反応が乏しいと、親も愛着形成が難しくなります。「わが子をかわいいと思えない」と感じてしまうこともありました。
最近、電車に乗ったとき、バギーに乗った10カ月くらいの赤ちゃんがいました。目が合って私が笑いかけると笑い返す子でした。後日、電車で別の赤ちゃんに会いましたが、私が目を合わすとけげんそうな顔をして顔をそらしました。どちらの赤ちゃんも人に関心がある証拠ですね。
一方、当時の息子を思い返すと、こうした「人への関心」が欠けていたのだと、今ならとてもよく分かります。
今思い返すと、まだまだエピソードはたくさんありますが、今思い出せるのはこのあたりです。皆さんは育児について、どのような経験がありますか。
(子育て本著者・講演家 立石美津子)






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