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夏本番の前に…知っておきたい“肌トラブル” 子どものあせも・かぶれ・アトピーの見分け方&受診の目安【皮膚科専門医・解説】

暑くなってくると子どもの肌トラブルが増えます。子どものあせも・かぶれ・アトピーの見分け方はなかなか難しく、いつ受診をすればいいのか悩むものです。そこで、皮膚科専門医に対処法なども聞きました。

子どもの湿疹やかゆみの症状の原因は見分けにくいもの
子どもの湿疹やかゆみの症状の原因は見分けにくいもの

 日中、気温25度を超える日が増えてきました。暑くなってくると、子どもの肌に赤いブツブツやかゆみが出やすくなります。このような症状は、「あせも」なのか「かぶれ」なのか、はたまた「アトピー性皮膚炎」かも…と見分けるのが難しく心配になる親もいるのではないでしょうか。そこで、皮膚科専門医の慶田朋子さんに、あせもやかぶれ、アトピー性皮膚炎などの見分け方、家庭でできる初期対応などについて聞きました。

子どもは皮膚が薄く、バリア機能が「未熟」

Q.気温が高まってくる時期に、子どもに湿疹やかゆみなどの症状がある場合、類似点の多いあせも、かぶれ、アトピー性皮膚炎などを見分けるポイントがあったら、教えてください。

慶田さん「気温が上がる時期のかゆみや湿疹は、子どもの場合ほとんどが『あせも』または『汗かぶれ』です。『アトピー性皮膚炎』も汗で悪化する疾患の一つです。それぞれの見分け方は、主に症状が出ている範囲やかゆみの強さ、原因と経過によって判断します。以下に、各項目ごとで説明します」

(1)あせも
汗腺がつまって皮膚が炎症を起こしている状態です。汗腺部分に白く透明な水疱(すいほう、水晶様汗疹)や赤いブツブツができます。軽度であれば、かゆみは少ないことが多いですが、悪化すると強いかゆみや赤みをともなう「紅色汗疹」と呼ばれる状態になることもあります。汗っかきの子どもや、高温環境で作業をする大人に生じます。

(2)かぶれ
外部からの刺激やアレルギー反応によって皮膚が炎症を起こしている状態です。とくに夏に多いのが「汗かぶれ(刺激性皮膚炎)」です。汗かぶれの場合、あせもと違い、汗腺部分だけでなく周囲にも炎症が広がります。赤みとともに、ピリピリとした痛みやチクチクする不快感、かゆみを感じます。子どもだけでなく大人の女性で悩む方も多く、インナーの着用部分や、首周りなど皮膚が柔らかくて汗が溜まりやすい部分に生じます。また汗以外にも、金属や衣服など特定の物質が肌に触れることで起こる「アレルギー性接触性皮膚炎」が、本来皮膚科医が定義する真のかぶれです。この場合は触れた物質の形にくっきりとした赤みが出て、触れるたびに症状が繰り返す再現性があります。

(3)アトピー性皮膚炎
強いかゆみをともなう湿疹が繰り返しあらわれる皮膚病です。耳や目のまわり、首、ひじやひざ裏などの関節部、皮膚が薄く摩擦しやすい部位を中心に左右対称に症状があらわれます。症状が軽快したり悪化したりを、幼少期から長期的に繰り返すのが特徴です。角層のセラミドを合成する力が弱く、肌バリアが弱いという遺伝的素因がベースにあります。
Q.暑くなると、子どもが肌トラブルを起こしやすくなる理由も教えてください。

慶田さん「夏の肌トラブルの主な原因は、多量の汗の刺激や紫外線によるダメージです。
皮膚の表面積の少ない子どもは、大人に比べて皮膚の単位面積あたりの汗腺の数が多くなるため、大人よりも汗をかきます。汗をかいたまま放置すると、蒸発して肌に塩分やアンモニアが残ります。それらが皮膚を刺激して炎症を起こしてしまいます。肌のバリア機能が低下するため、汗そのものの刺激に弱くなり、汗をかくたびに症状が出てしまいます。
また、紫外線は、肌表面の炎症(日焼け)だけでなく、真皮層にもダメージを与えます。将来的なシワやたるみが起きやすい状態になってしまうので、幼児期から紫外線対策は必須です。

そもそも子どもは皮膚が薄くバリア機能が未熟なため、肌トラブルが起きやすいものです。大人よりもしっかり予防してあげる必要があります」

Q.あせも、かぶれ、アトピー性皮膚炎で、家庭でできる初期対応と受診の目安を教えてください。

慶田さん「まず、どの皮膚炎にも共通して悪化につながる汗のケアは必須です。汗をかいたら吸水性のよいタオルなどで早めに拭き取り、できれば水で洗い流します。帰宅後はすぐにシャワーで汗を流してあげましょう。

すでに症状が出ている場合は、温まりすぎるとかゆみが悪化するため入浴はサッとでOKです。寝汗をかく場合は、朝のシャワーも効果的です。汗は水で落ちますし、ボディーソープを使いすぎると乾燥してしまうので、シャワーのたびに使う必要はありません。

シャワー後は保湿を徹底して、肌のバリア機能を高めてあげましょう。夏は、うつ熱しにくいような、さっぱりした乳液が適しています。赤みやかゆみが強いときは、濡らしたタオルや保冷剤を使って患部を冷やしてあげるのもおすすめです。

あせもや軽い汗かぶれであれば、衣類や環境を整え、適切なスキンケアをすることで、数日で自然に治ります。このようなケアを徹底し、3日ほど様子を見てください。ただ、子どもの場合はかゆみを我慢できずにかきむしり、とびひなどの感染症につながることもあります。強いかゆみや湿疹、急速に広がる赤みや腫れが見られたら、すぐに皮膚科を受診するようにしてください」

(オトナンサー編集部)

【写真】あせも、かぶれ、アトピー性皮膚炎の違い…“判断”材料になるかも! 症状がひどい場合は病院へ!

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慶田朋子(けいだ・ともこ)

銀座ケイスキンクリニック院長 医学博士

1999年、東京女子医科大学医学部卒業、同大にて皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、2011年に銀座ケイスキンクリニックを開設。最新の医療機器と注入治療をオーダーメイドで組み合わせ、「切らないハッピーリバースエイジング」をかなえる美容皮膚科医として多くの患者から厚い信頼を得ている。皮膚の働きや美肌に役立つスキンケア、生活習慣などの分かりやすい解説が人気で、テレビ、雑誌、ウェブなど多方面で活躍中。学会や論文などで、新しい皮膚科学を常に学び続け、発信を続けている。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。著書「女医が教える、やってはいけない美容法33」(小学館)が好評。

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