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【新NISA】SBIか楽天か「経済圏」で選ぶと損? 専門家が教える、口座選びの正解と“乗り換え”の盲点

新NISAの口座選びの正解や選び方を間違えた場合のリスクについて、専門家に聞きました。

新NISAの口座をうまく選ぶには?(画像はイメージ)
新NISAの口座をうまく選ぶには?(画像はイメージ)

 物価の高騰が続いています。日々の貯金だけでは将来の生活資金をためるのが難しいと感じ、今から新NISAを始めようか迷っている人は多いのではないでしょうか。

 新NISAを始めようと思ったとき、多くの人が最初に悩むのが「SBI証券と楽天証券、どっちで口座を作るべきか」という問題です。両社は国内トップクラスのネット証券であり、自分が普段使っているクレジットカードをもとに選ぶ人も多いようですが、本当にそれだけで選んでよいのでしょうか。口座選びの正解や選び方を間違えた場合のリスクについて、資産運用の支援事業を行う、Financial DC Japan社長の岩崎陽介さんに聞きました。

証券会社選びはあまり重要ではない

Q.そもそも、新NISAを始めるにあたり、証券会社を選ぶときのコツはありますか。例えば、SBI証券、楽天証券のいずれかを選ぶのが無難なのでしょうか。

岩崎さん「まず大前提としてお伝えしたいのは、『どの証券会社を選ぶか』は、実は資産形成の成否を分ける最重要ポイントではない、ということです。一番大事なのは、良質な世界株式の投資信託を、長期にわたってほったらかしで持ち続けられるかどうかです。証券会社は、そのための『入れ物』に過ぎません。

その上で、入れ物選びで見ておきたいポイントは3つあります。それは『クレカ積立ができるか』『取扱商品数が多いか』『売買手数料が安いか』です。

意外と知られていませんが、NISAで買える銘柄数は金融機関によって違います。銀行や郵便局でNISAを開くと、ネット証券では買える投資信託が選べない、ということも起こり得ます。 その点、SBI証券と楽天証券は、この3つをすべて満たす2強と言って差し支えありません。国内株式の売買手数料が無料、NISAの取引も無料、クレカ積立でポイントもたまり、主要な投資信託はほぼ網羅しています。

口座数もSBI証券が約1600万、楽天証券も1400万を超え(NISA口座数は楽天証券が業界最多の約700万)、ネット証券の中では群を抜く2強です。利用者が多くサービスが安定しているのも、安心材料でしょう。ですから『迷ったらこの2社のどちらか』で大きく外すことはなく、その意味では『無難』と言えます。

ただ、一点だけ補足すると、ネット証券は手数料が安い反面、商品選びも、売買のタイミングも、相場の読み解きも、暴落が来たときの対処も、すべて自身で判断しなければなりません。長期投資は、一人で乗り切れるほど簡単ではありません。人は含み損を抱えると、損失の痛みを利益の喜びの2倍以上に感じてしまうという、いわゆる『プロスペクト理論』が働くため、つい底値で売ってしまいます。

暴落のときに冷静な助言をくれる存在がいるかどうかで、投資行動は大きく変わるといわれます。手数料の安さだけにとらわれず、『自分が長く続けられる体制かどうか』も併せて考えてみてください。その上で最終的にどの証券会社・商品を選ぶかは、ご自身の状況に合わせてご判断ください」

Q.もし三井住友関連のクレカ、楽天カードのいずれも持っていない場合、どう判断すればよいのでしょうか。この2社以外の証券会社を選んでも問題はないのでしょうか。

岩崎さん「結論から言うと、まったく問題ありません。そもそもクレジットカードは『ポイントというおまけ』を得るための手段であって、証券会社選びの主役ではありません。カードを持っていないことを理由に、証券会社選びで悩む必要はないのです。

本当に見るべきは、先述のように取扱商品数(自分が長く持ちたい良質な投資信託を扱っているか)、手数料、そしてクレカ積立という順番です。この条件さえ満たせば、SBI・楽天以外を選んでも問題はありません。

ただし注意点として、銀行や郵便局などは、NISAで買える商品が限られていたり、自分が持ちたい投資信託を扱っていなかったりすることがあります。『自分が長期保有したい商品を扱っているか』を、事前に必ず確認してください。

カードについて言えば、クレカ積立を使わず、現金(口座引落)で積み立てるという選択肢もあります。各社の対応カードの範囲は広がってきているため、最新の情報はご自身でもご確認いただきたいのですが、いずれにせよポイント還元は数%の世界。20年、30年の運用リターンに比べたら、本質ではありません。 カードに引っ張られて証券会社を決めるのは、本末転倒です。『良質なファンドを、長く持ち続けられるか』を軸に選んでいただき、それでも迷うなら、やはりSBI証券か楽天証券が無難、というのは変わりません」

Q.途中で経済圏(証券会社)を変えたくなった場合、乗り換え(移管)はできるのでしょうか。

岩崎さん「はい、NISA口座の金融機関は変更できます。ただし、いくつか押さえておくべきルールがあります。 まず、NISA口座は1人1口座が原則で、同じ年に持てるのは1金融機関だけです。その上で、『来年はこちらの金融機関で』というように、年単位で変更できます(変更できるのは年に1回)。

手続きの受付期間は、変更したい年の前年10月1日から、その年の9月30日までと決まっています。

ここで、つまずきやすい落とし穴が2つあります。1つ目は、その年に一度でもNISA口座で買付(積立を含む)をしていると、その年は金融機関を変更できず、変更は翌年からになる、という点です。積立設定や再投資が自動で走っていると、意外とここに引っかかります。変更を考えるなら、変更前の金融機関であらかじめ積立設定を解除しておきましょう。

2つ目は、すでに変更前の金融機関のNISA口座で保有している商品は、新しい金融機関のNISA口座へそのまま移すこと(移管)はできないという点です。たとえ同じ銘柄を持ちたくても、新しい金融機関で買い直すことになります。元の金融機関に残した商品は、売却するまでそのまま非課税で保有を続けられますので、無理に売る必要はありません。『保有を続けるか、タイミングを見て売るか』の戦略は、あらかじめ考えておくとよいでしょう。

その上で、私の考えをお伝えします。そもそも、経済圏(ポイント)目当てで頻繁に証券会社を乗り換えるのは、おすすめしません。NISAは、老後に向けた資産形成のための制度であって、頻繁な売買や乗り換えのための制度ではないからです。乗り換えの手間や、先ほど説明したルールの複雑さを考えれば、最初に『長く付き合える1社』を選んでおくのが、結局いちばんラクなんです。ポイント還元の差は数%、長期投資の本質ではありません。

こうした制度のルールは改正で変わる可能性があります。実際に手続きをされる際は、各金融機関や最新の情報をご確認ください」

(オトナンサー編集部)

【画像】これが「新NISA」で絶対にやってはいけない「6つのNG行為」です!

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岩崎陽介(いわさき・ようすけ)

Financial DC Japan 代表取締役社長

一橋大学商学部卒業。元野村證券・IFAとして16年以上、累計130億円超の資産運用アドバイス経験を持つ、資産運用の専門家。

世界全体の成長を取り込む長期・分散投資を軸に、NISA・DCなどの税制優遇制度を最大限に活用した資産形成を提唱。低コスト一辺倒やインデックス信仰に偏らず、人・哲学・運用プロセスを重視した良質なアクティブファンドも含め、目的に応じた運用設計を行う。「何となく始めた投資」に不安を感じている層から高い支持を得ている。

■【実績】
・野村證券では、社長賞はじめ、数々の賞を受賞。海外留学も経験。
・企業型DC導入実績600社超。(日本トップクラス)

■著書
「頭のいい会社はなぜ企業型確定拠出年金をはじめているのか」(青春出版社)
2022年4月に発売し、1万3000部。

「10年後、確実に差がつく!資産運用の王道」(きずな出版)
2025年9月に発売し、9000部。

■YouTube ほったらかし投資のフクロウ先生
https://youtube.com/@hukurou_invest?si=NBoF3fLKZgMacLO0

■会社HP https://f-dc-j.co.jp

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