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「警備員に従いUターン」で違反切符? 自宅前の工事で“逆走”強いられた理不尽すぎる体験

自宅前に工事車両を止められた結果、生活に支障が出た体験について、コラムニストがつづります。

自宅前の道路が工事車両でふさがれ、日常生活に支障(画像はイメージ)
自宅前の道路が工事車両でふさがれ、日常生活に支障(画像はイメージ)

 7月のある日、自宅前の一方通行の道路が、また工事車両でふさがれました。電気設備の取り替え工事だといいます。6月、7月と2カ月連続です。

 交通量の多い道で、警備員は走ってくる車を次々とUターンさせています。しかし、一方通行でUターンをすれば、その先は逆走。住民は、違反せざるを得ない状況に置かれていました。

車を出したのは通院のためだった

 近所の用事なら、私は歩くか自転車で済ませます。車を出すのは、必要なときだけ。私の車は、高齢になる父の通院に使っています。足腰が弱く、送迎は欠かせません。一度目から、私は工事業者に事情を伝えていました。後部座席に高齢の父がいること。近くに住む住民であること。

 それでも作業スタッフは車をどかしません。「皆さんにご協力いただいています」と言うばかりでした。「みんなやっている、だからあなたも」という理屈です。私は言われるまま逆走し、500メートル進んで大通りに出ました。

 二度目は、違いました。父を示して通行を求めると、スタッフはこう言い放ちました。

「皆さんにご協力いただいています。あなただけのわがままは許されません」

 通院の送迎だと伝えても、です。しかもこのとき、後ろには別の車がつかえていました。逆走できる状態ですらありません。示された唯一の逃げ道すら、ふさがっていました。繰り返し移動を求めて、動いたのは30分後。予約の時間には、間に合いませんでした。従業員の舌打ちが、耳に残りました。

 その間、もう一つの光景を見ています。区の清掃車が、一方通行を逆走していったのです。道沿いには、ゴミの集積所が数カ所あります。普段なら、清掃車を集積所の前に横付けします。だが、工事でそれができません。

 清掃員は、生ゴミの袋を、離れた車まで手で運んでいました。夏で臭いも相当だったはずです。それでも運び切れなかったのでしょう。最後は、車が一方通行を逆走していきました。工事現場は、住民だけではありません。区の公用車も、清掃業務も、巻き込んでいたのです。

警察に確認すると現場の説明とは違っていた

 ふに落ちず、帰宅後に警察へ確認しました。担当者の説明は、現場の話とまるで違いました。この工事に、道路を封鎖してよいという許可は出していないと。Uターンも逆走も、交通違反であり、違反すれば、反則金を払うのは運転手。事故のときも同じだといいます。

 指導は明快でした。車が来たら、その都度車両をどかして通します。それが本来の運用だ、と。あくまで、私が警察から受けた説明です。

 ここが核心です。道路で工事をするには、道路交通法に基づく道路使用許可が必要です。しかしこれは、「道路を通行以外の目的で使ってよい」という許可にすぎません。一般の車に逆走や通行禁止違反をさせてよい、という許可ではありません。

 では、一方通行で工事をして、住民が逆走しなければ出られないとき、どうするのでしょうか。業者が何らかの許可を取れば、通りかかった車に逆走させてよくなるという仕組みはありません。通行禁止の道路を通る許可(道路交通法8条2項)という制度はありますが、これは通行する側が自分の車について事前に申請するものです。工事業者が代わりに取れるものではありません。

 結局、答えは警察が言った通りです。車が来たら、その都度どかして通す。道をふさぐ側が、通行を妨げないよう運用する。それしかありません。迂回(うかい)路の確保や住民への周知も含め、所轄警察署と事前に調整しておくのが本来の筋です。それをせず、現場の判断で住民に逆走させていたのなら、不適切な運用ということになります。

従った住民がすべての責任を負う

 もう一つ、見過ごせない問題があります。交通誘導の権限です。警備員の誘導には、法的な強制力がありません。警備業法は、警備員に特別な権限を与えていないと明記しています。信号や標識と違い、警備員の「こちらへどうぞ」は、任意のお願いにすぎません。

 従うかどうかは、運転者が決めます。警察官の交通整理とは、重みがまるで違います。この違いが、住民に牙をむきます。誘導に従って逆走し、切符を切られても、事故を起こしても、責任を負うのは運転者本人。「警備員に言われたから」は、通用しません。

 実際、東京地裁は2003年、次のような判断を示しています。交差点の信号が「直進と左折のみ可」を示す中、警備員が右折の合図を出し、それに従って右折した車が対向車と衝突した事故。裁判所は、警備員の誘導ミスを認めつつも、信号表示に反して右折した運転者自身の義務違反は重いとして、運転手7・警備員側3の過失割合としました(東京地裁2003年9月8日判決、自動車保険ジャーナル1546号)。

 ふさいだのは事業者。なのに、違反の責任だけが、たまたま通りかかった住民に転嫁されます。加害と負担が、きれいにねじれているのです。

 電気工事は必要です。現場で働く方々には、敬意を払います。だからこそ、手続きと運用は正しくあってほしいです。「許可の範囲を守る」「車が来たらどかし逆走させない手続きを踏む」というだけのことです。

 逆走の反則金を自分で払うか、30分足止めされて、親の通院を諦めるか、どちらを選んでも、私たちは「違反者」か「わがままな住民」にされてしまいます。これは今日も、どこかの街で起きています。だからこそ、変わってほしいと強く思います。

(コラムニスト、著述家 尾藤克之)

【画像】「えっ…車で移動できない」 これが自宅付近に止められた「工事車両」です!

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家 尾藤克之

コラムニスト、著述家。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。代表作として『頭がいい人の読書術』(すばる舎)など21冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も絶賛公開中。

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コメント

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5件のコメント

  1. これは工事業者がおかしい。
    少なくとも、車の出入に支障出る場合、下見と開始前に声を掛ける。
    やむを得ず、一時通行止めになる場合、一通入口にも警備等立たせる。
    住民の希望が有れば即解除。住民希望で逆走する際は、責任の所在を説明する。

  2. 警察に工事業者名や日時を正確に伝えて、警察が許可していないというのであれば工事業者が悪いでしょう。稀に少しの時間だからと許可取らない業者もいますから、その場合は業者名を発注してる電力や電気工事会社に通報すれば良いと思います。ただ、この中で主張してる事に、工事業者がきちんと使用許可取ってる場合、道路状況では迂回路は作れない場合があります。その際に工事車両を動かす事で通行出来る場合は時間通行止めという手段を使います。時間制限中は工事車両をどかす事は出来ないと思ってるほうがいいですね。それと工事で穴を掘ってる場合は工事車両をどかす事は出来ませんどかせても通行できませんしね。
    あと工事車両が重量物わや吊り上げて作業補助してる場合などは、その作業が終わるまで工事車両をどかせる事はまずできないでしょうね。
    あと一方通行でも場合によれは、逆走してもいい許可ゆ工事区間の住民を限り出す場合が稀にありますよ。影響受けて住民の車両を工事関係車両扱いにする事で出来ますから。

  3. 路上工事に携わってます。
    時間と手間はかかるが、一方通行解除の申請が受理されれば、一方通行を逆走できるようになります。

    工事業者はその手間を嫌ったのでしょう。

    一応周知ビラで沿道に協力を求める場合もあるのですが、まあ見られないのも現実。

  4. 正確な情報ではありません。
    業者側が一通解除の申請をして許可が出れば逆走しても大丈夫です。この方の言い方では業者側は何をしても逆走しても良い事になるとはなってないので正確ではありません。

    もう一つ、見過ごせない問題があります。交通誘導の権限です。警備員の誘導には、法的な強制力がありません。警備業法は、警備員に特別な権限を与えていないと明記しています。信号や標識と違い、警備員の「こちらへどうぞ」は、任意のお願いにすぎません。

    こちらの書き方も矛盾しています。↓
     従うかどうかは、運転者が決めます。警察官の交通整理とは、重みがまるで違います。この違いが、住民に牙をむきます。誘導に従って逆走し、切符を切られても、事故を起こしても、責任を負うのは運転者本人。「警備員に言われたから」は、通用しません。

     実際、東京地裁は2003年、次のような判断を示しています。交差点の信号が「直進と左折のみ可」を示す中、警備員が右折の合図を出し、それに従って右折した車が対向車と衝突した事故。裁判所は、警備員の誘導ミスを認めつつも、信号表示に反して右折した運転者自身の義務違反は重いとして、運転手7・警備員側3の過失割合としました
    責任を負うのは運転手本人と言い切ってますが、すぐに警備員側3の過失割合と言っています。警備員にも責任ありますよね?無ければ過失は付きません。
    工事業者や警備員を責める前に正確な情報を伝えれない自分を責めてはいかがですか?とても敬意を払ってるようには思えません

  5. あくまで個人的な見解です
    私はこの筆者の方は信用出来ない方なのかなと思いました
    一方通行の逆走許可は取れます
    その様な事は出来ないと断言
    ちょっと調べれば簡単にわかる事です
    その手間隙を惜しんで間違った情報を発信してしまう
    コラムニスト、著述家を名乗るのならばその手間隙を惜しんではならないのかなと思いました
    逆走許可を取らない業者、ちょっと調べれば簡単にわかる情報を調べないコラムニスト、著述家。
    私はどっちもどっちだなと感じました