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職場へのお土産「全員に配る風潮」が苦痛…買わないのは失礼? マナー専門家の“意外な回答”

帰省したり旅行に行ったりした際、職場への土産は必ず買わなければならないのでしょうか。土産選びのポイントや注意点などについて、マナーコンサルタントに聞きました。

旅行の際、職場への土産は買うべきか(画像はイメージ)
旅行の際、職場への土産は買うべきか(画像はイメージ)

 シルバーウイークの連休中は帰省や旅行を楽しむ人が増えますが、頭を悩ませがちなのが「職場へのお土産」です。SNS上では「実家に帰省するたびに職場にお土産買って行くのまじ謎。帰省組みんな買ってくるから、買わない選択肢を選べない」「夏休み明けに職場に持っていくお土産、考えるのが面倒」といった声が上がっています。

 そもそも、帰省したり旅行に行ったりした際、職場への土産は必ず買わなければならないのでしょうか。土産選びのポイントや注意点などについて、ヒロコマナーグループ代表で、企業価値を高める人財育成コンサルティングをはじめ、皇室のマナー解説やNHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」などのマナー指導などでも活躍するマナーコンサルタント・西出ひろ子さんに聞きました。

お土産を必ず買う必要はない

Q.そもそも、連休時に帰省したり、旅行したりした場合、「職場へのお土産」は必ず買うべきなのでしょうか。「全員が配る風潮」に苦痛を感じている人も多いですが、マナーの観点からの見解を教えてください。

西出さん「職場へのお土産は、マナーとして『必ず買わなければならないもの』ではありません。本来職場へのお土産は『日頃のお礼を形にしました』という感謝から生まれるものです。

それがいつの間にか、『みんなが買ってくるから自分も買わなければ』『買わないと気が利かないと思われそう』といった“暗黙の義務”になってしまい、かつ、苦痛まで感じるのであれば、それは本来のお土産の意味から少し離れているように思います。

そもそもマナーは、相手を思いやる気持ちからなるものです。よって旅行や帰省のたびに必ず職場へお土産を持参しなければならないということではありません。また持参しない人を『非常識』『気が利かない』『マナー違反』などと評価や批判などすることも避けたいものです」

喜ばれるお土産選びのポイント&配り方の注意点

Q.もし職場にお土産を買う場合、トラブルや気まずさを避けるためにはどのようなものを選ぶとよいのでしょうか。配る際の注意点はありますか。

西出さん「まずおすすめなのは、個包装になっているものです。人数分に分けやすく、すぐに食べられない人も自分のタイミングでいただくことができます。

また、常温で保存でき、比較的賞味期限が長いものの方が職場では扱いやすいでしょう。要冷蔵品や生もの、切り分けなければならないものは、冷蔵庫のスペースや包丁、皿の準備など、かえって周囲に手間をかけることがあります。

さらに香りが非常に強いもの、好みが大きく分かれるもの、アルコールを含むものなども、職場によっては注意が必要です。

そして意識することとしては『個数』です。例えば20人いる部署に10個入りのお菓子を持っていくと、『誰が食べていいのだろう』と遠慮が生まれたり、早い者勝ちのようになったりすることがあります。部署全体へのお土産であれば、できるだけ人数を把握し、不足しない数を用意すると安心です。

配り方についても、全員のデスクを回って一人一人に渡す必要はありません。共有スペースに置ける職場であれば『○○に行ってきました!』と旅行アピールをするより、『よろしければどうぞ』とすると、受け取る側もスムーズに『いただきます』と受け取れるでしょう。

特に自分が休んでいる間に仕事をフォローしてくれた人には、『昨日は対応してくださり、本当にありがとうございました』と、直接一言伝えることをおすすめします。お土産そのものより、この一言の方が大切です」

あえて「お土産を買わない」場合のスマートな対処法

Q.あえて「お土産を買わない」選択をした場合、休み明けの出勤時や会話で、周囲に気まずさを感じさせないためにはどのように対処したらよいのでしょうか。

西出さん「お土産を買わない場合でも、特別な言い訳をする必要はありません。『今回はお土産を買っていなくて……』と自分から説明すると、かえって周囲も『気にしていなかったのに』と気を遣ってしまう場合があります。

大切なのは、お土産ではなく、休み前後のコミュニケーションと考えます。例えば、休暇に入る前には、『○日までお休みいたします。ご負担をおかけすることもあるかとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします』と伝えることです。

そして休み明けには、『お休み中は、ありがとうございました』と伝えること。業務を代わってくれた人がいれば、『○○の件、ご対応くださりありがとうございました。助かりました』と個別に感謝を伝えることが大切ですね。

また、周囲の人がお土産を配っているからといって、自分も同じことをしなければならないわけではありません。人によって、家族構成も違えば、旅行の目的、経済事情、荷物の量、考え方も異なります。『自分は買うから、あなたも買うべき』という考え方はマナーではありません。

もし周囲から『お土産ないの?』などと冗談交じりに言われた場合は、深刻に受け止めず、『いつものように時間ギリギリで動いてしまって…今後は時間管理を意識します!』などと明るく返してみましょう。

スマートな職場は、『買ってきた人はありがたく受け取る。買ってこなかった人については何も言わない』という傾向にあります。このような空気をつくることが職場の一つのマナーと言えますね。

そして、お土産を買う人も買わない人も、お互いを評価しないことです。大切なことは、お土産という形よりも『ありがとうございます』という言葉や、お互いに負担に思うことなく、感謝の気持ちを忘れずに業務を行うことではないでしょうか」

(オトナンサー編集部)

【画像】「えっ…!?」 これが職場に持って行ってはいけない“お土産の特徴”です!

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西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと1999年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)、16万部を超える「改訂新版 入社1年目 ビジネスマナーの教科書」(プレジデント社) など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」「かつてない結果を導く 超『接待』術」(共に青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

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