置き配が「雨でビショぬれ」「盗まれた」…自己責任? 宅配業者に「弁償」請求できる例外ケースとは【弁護士解説】
置き配に関しては、荷物の「盗難」や雨ぬれ、破損といったトラブルが発生することがあります。こうしたトラブルが起きた場合、法的責任はどこにあるのでしょうか。弁護士に聞きました。

不在時でも玄関先や宅配ボックスに荷物を届けてもらえる「置き配」サービスが定着しています。シルバーウイーク中に外出する際、置き配を使う人は多いのではないでしょうか。
ただし、置き配に関しては、荷物の「盗難」や雨ぬれ、破損といったトラブルが発生することがあります。こうしたトラブルが起きた場合、法的責任はどこにあるのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士が解説します。
置き配のトラブル…原則は「受け取り側の自己責任」
結論から言えば、置き配による盗難や荷物の損壊が発生した場合、原則として受け取り側(購入者)がリスクを負担することになります。
多くのECサイトや配送業者では、利用規約において「指定場所に商品を置いた時点で配送完了とし、その後の紛失・盗難・汚損等について一切の責任を負わない」といった規定が設けられています。利用者がこの規約に合意して置き配を指定した以上、長時間荷物を放置していたかどうかにかかわらず、宅配業者や販売元へ損害賠償を請求することは基本的にできません。
また、利用規約に明示的な記載がない場合であっても、置き配を指定した時点で「配達完了後のリスクを受け取り側が引き受ける意思があった」と解釈されるのが一般的です。
業者が責任を負う「3つの例外」
ただし、利用規約に同意している場合であっても、宅配業者側が引き渡しまでの重大な注意を怠った(重過失)と認められるケースでは、商法575条に基づき業者が損害賠償責任を負う可能性があります。
なぜなら、商法575条では、運送人が商品の受け取りから引き渡しまでの間に発生した滅失や損傷について、自らが注意を怠らなかったことを証明できない限り、損害を賠償しなければならないと定められているためです。
具体的には、次のようなケースで宅配業者側の責任が問われることがあります。
・悪天候下での放置や危険な場所への設置
雨風にさらされる場所に荷物を放置して商品(本や服など)をぬらして使えなくさせたり、エアコンの室外機の上など不安定な高い場所に置いたことで荷物が落ちて破損したりした場合。
・業者が誤って指定外の場所に置き配した場合
利用者が指定した場所とは異なる外部者の盗難が容易な誤った場所に置き配し、その結果として盗難被害が発生した場合。
・無断での置き配
利用者の合意や指定がないにもかかわらず、業者が勝手に置き配を行って荷物が盗まれた場合(配達完了しておらず、契約上の債務不履行に該当します)。
なお、受け取り側があらかじめ「雨風にさらされやすい玄関前」を自ら指定していたような場合は、リスクを引き受けていたとみなされ、業者へ損害賠償を請求するのは難しくなります。
被害に遭った場合の「正しい対処法」
万が一、置き配の荷物が盗まれたり損傷したりしていた場合は、まず宅配業者へ連絡し、配達状況の確認と補償対象に含まれているかの確認を行います。
盗難の疑いがある場合は、警察へ被害届を提出することが重要です。防犯カメラ映像などから犯人が特定できる可能性があるほか、損害保険の請求時に被害届の提出が求められるためです。例えば「個人用火災総合保険」などの補償対象に置き配被害を追加していれば、保険会社から購入金額相当の保険金が支払われるケースがあります。
また、規約上は自己責任とされていても、販売会社やECサイトによっては顧客サービスの一環として再送や返金に対応してくれる場合もあるため、一度問い合わせてみるとよいでしょう。
(オトナンサー編集部)






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