宿題や読書感想文にAI…子どもが無意識にやりがち “絶対に入力してはいけない情報”とは【専門家解説】
夏休みに宿題や調べもの、作文の下書きなど、さまざまな場面でAIツールを活用する子どもたちが増えています。AIツールを使用する際の注意点について、サイバーセキュリティの専門家が解説します。

夏休みに宿題や調べもの、作文の下書きなど、さまざまな場面でAIツールを活用する子どもたちが増えています。AIは便利な学習サポートツールである一方、子どもが知らないうちに個人情報を入力してしまうリスクや、家族のアカウントが危険にさらされる可能性もあります。夏休みを安全に過ごすために、家族で今すぐ確認しておきたいポイントを専門家の解説とともに紹介します。
夏休みにAI利用が増える理由
夏休み中、子どもたちは自由な時間が増え、宿題の手助けや読書感想文の構成、外国語の翻訳、アイデア出しなど、さまざまな目的でAIを活用するようになっています。しかし、多くの子どもはAIをただの「便利な検索エンジン」のように捉えていて、アカウント登録の際にどんな情報を提供しているか、会話内容がどのように保存・利用されるかを意識していないことがほとんどです。
サイバーセキュリティーの専門家であり、NordVPN(オランダ)の最高技術責任者を務めるマリユス・ブリエディスさんは、こうした状況についてこう警鐘を鳴らします。
「AIは素晴らしい教育ツールになり得ますが、子どもたちはAIをただの検索エンジンのように見ていることが多いです。AIサービスも、ユーザーが入力した情報を収集・処理していることを、きちんと教えることが大切です」
家族が見落としがちなプライバシーリスク
子どもたちがAIチャットボットに何気なく入力してしまいやすい情報には、自分の名前や学校名、住所、日々のスケジュール、さらには家族に関する情報なども含まれます。「宿題を手伝って」と話しかけるような感覚で、個人的な情報を自然に伝えてしまうのです。
また、人気のAIサービスに似せた偽のアプリやウェブサイトも存在します。本物そっくりのデザインでログイン情報を盗んだり、マルウェアをインストールさせたりする手口です。子どもは偽サイトの見分けがつきにくいため、特に注意が必要です。
ブリエディスさんはこう続けます。
「最大のリスクは、AIが宿題の答えを知っているということではありません。子どもたちが見知らぬ人には絶対に話さないような個人情報を、AIには無意識に伝えてしまっている可能性があることです」
家族で決めておきたいAI利用のルール
被害を防ぐために、まず、公式のAIサービスのみを使うことを家族のルールとして決めておきましょう。アカウントには強力なパスワードを設定し、多要素認証(MFA)が利用できる場合は必ず有効にしておくことも重要です。プライバシー設定は親子で一緒に確認し、AIには絶対に入力してはいけない情報についても、あらかじめ話し合っておきましょう。
具体的に伝えておくべき「AIに入力してはいけない情報」は次の通りです。
・本名や住所、学校名などの個人情報
・学校や習い事のアカウントとパスワード
・家族の写真や日常のスケジュール
・クレジットカード情報などの金融情報
ブリエディスさんは「子どもにAIの安全な使い方を教えることは、インターネットの安全な使い方を教えることと同じくらい重要になっています。今日の家族の会話が、明日の深刻なプライバシーミスを防ぐことにつながります」と話します。
学びを制限せず、賢く使うためのサポートを
AIを禁止する必要はありません。大切なのは、子どもたちが責任ある使い方を身に付けられるよう、親がサポートすることです。インストール済みのAIアプリを一緒に確認し、アカウントの権限設定を見直すことから始めてみましょう。また、AIが生成した情報が必ずしも正確とは限らないこと、回答をうのみにせず自分で確かめる習慣も大切だと伝えましょう。
ブリエディスさんは「目標は子どもたちがAIを使うことをやめさせることではなく、賢く使えるようにすることです。今のデジタルリテラシーには、AIができることを理解するだけでなく、AIに絶対に共有してはいけない情報を知ることも含まれます」と締めくくります。
夏休みは子どもたちが新しいデジタルツールに触れる絶好の機会です。ルールを一緒に決め、正しい使い方を教えながら、安全で充実した夏を過ごしましょう。
(オトナンサー編集部)






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