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「生きていく自信がない」 19歳ひきこもり長女、発達障害で孤立…絶望の親子を救った社労士の“一手”

障害年金の請求に必要な「病歴・就労状況等申立書」を作成するには、どのような要素を盛り込む必要があるのでしょうか。社労士がある家族を例に紹介します。

障害年金の請求に必要な書類はひきこもっている本人だけでは作成が不可能なケースも珍しくない(画像はイメージ)
障害年金の請求に必要な書類はひきこもっている本人だけでは作成が不可能なケースも珍しくない(画像はイメージ)

 筆者のファイナンシャルプランナー・浜田裕也さんは、社会保険労務士の資格を持ち、病気などで就労が困難なひきこもりの人を対象に、障害年金の請求を支援する活動も行っています。

 障害年金の請求に必要な書類の一つに「病歴・就労状況等申立書」というものがあります。そこには、発病から請求時点までの日常生活や就労の状況をできるだけ具体的にまとめることになっています。

 浜田さんによると、発達障害がある場合、病歴・就労状況等申立書は幼少期からまとめるルールになっているといいます。ひきこもっている本人は幼少期の記憶がないこともあるため、親が当時の記憶をたどって作成していくケースが一般的です。浜田さんがある家族を例に解説します。

発達障害が原因でいじめに遭った長女

 19歳の岡田奈緒美(仮名)さんには発達障害の一つである「自閉スペクトラム症」があり、9歳の時に児童精神科を受診。14歳の時に不登校となり、その後ひきこもりのような生活を続けてきました。

 19歳になった現在も就労が難しいため、奈緒美さんは20歳になった時、障害基礎年金の請求をする予定です。

 奈緒美さんの母親は「20歳になったときにすみやかに請求できるよう、今から準備をしておきたい」ということで、私のもとへ相談に訪れました。

 奈緒美さんが20歳になるまでまだ時間はあるので、今できることは次の2つです。

・初診日の証明書である受診状況等証明書を児童精神科で作成してもらう。
・病歴・就労状況等申立書を下書きしておく。

 母親によると、児童精神科に当時のカルテが残っていることは確認できたとのことなので、受診状況等証明書を入手することはできます。あとは病歴・就労状況等申立書の下書きになります。

 奈緒美さんには発達障害の一つである自閉スペクトラム症があるので、幼少期から請求時点の20歳までをまとめる必要があります。

 発達障害は生まれつきの脳の障害とされており、生きづらさなどの特性は幼少期から現れることが多いとされています。そのため、病歴・就労状況等申立書は幼少期からまとめなければならないルールになっているのです。

 そこまで話が進んだところ、母親は顔を曇らせました。

「幼少期から20歳までをまとめるとなると、かなりの分量になりますよね。一体どのようにすればよいのでしょうか」

「お嬢さまの場合、次のような区分けにするとよいでしょう」

・小学校入学前
・小学校
・中学校
・中学卒業後から20歳時点まで

 すると母親はさらに質問しました。

「それぞれ、どのようなことを書けばよいのでしょうか」

「自閉スペクトラム症により、日常生活や学生生活がどのくらい大変だったのかを具体的に記載していきます。学生生活でいうと、例えば『友人関係がうまく築けなかった』『勉強はこの科目が苦手だった』などです。お嬢さまご本人は幼少期の記憶があいまいでしょうから、お母さまが当時を振り返り、たたき台を作成するとよいでしょう。それを参考に病歴・就労状況等申立書を作成していくことになります」

 私は話を続けました。

「お母さまだけで病歴・就労状況等申立書の作成をするのは大変でしょうから、お嬢さまの同意が得られれば、私も作成に協力することができます。ご安心ください」

「分かりました。長女にも事情を伝えてみます。その際はどうぞよろしくお願いいたします」

 母親はそのように言いました。

【画像】要注意! これが、ひきこもりの人にやってはいけない“NG行為”です

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浜田裕也(はまだ・ゆうや)

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

2011年7月に発行された内閣府ひきこもり支援者読本「第5章 親が高齢化、死亡した場合のための備え」を共同執筆。親族がひきこもり経験者であったことから、社会貢献の一環としてひきこもり支援にも携わるようになる。ひきこもりの子どもを持つ家族の相談には、ファイナンシャルプランナーとして生活設計を立てるだけでなく、社会保険労務士として、利用できる社会保障制度の検討もするなど、双方の視点からのアドバイスを常に心がけている。ひきこもりの子どもに限らず、障がいのある子ども、ニートやフリーターの子どもを持つ家庭の生活設計の相談を受ける「働けない子どものお金を考える会」メンバーでもある。

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