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【がん】いつの間にか痩せたケースも…ダイエットと「病的な激痩せ」を見分ける目安とは 放置してはいけないワケ

ダイエットによる健康的な痩せ方と病的な激痩せを見分けるポイントのほか、体重減少を放置した場合のリスクについて、医師に聞きました。

ダイエットと病的な激痩せを見分ける方法とは?(画像はイメージ)
ダイエットと病的な激痩せを見分ける方法とは?(画像はイメージ)

 食事制限をしているわけではないのに、以前よりも体重が減った経験はありませんか。この場合、がんのような病気が隠れているかもしれません。ダイエットによる健康的な痩せ方と病的な激痩せを見分けるポイントのほか、体重減少を放置した場合のリスクについて、天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック(大阪市天王寺区)院長で総合内科専門医、消化器病専門医、内視鏡専門医の安江千尋さんに聞きました。

「意図した減量か」どうかが基準

Q.急に体重が減少した場合、がんが原因なのか、それとも食事制限や運動が原因なのかを見分ける方法はありますか。受診目安も含めて、教えてください。

安江さん「体重減少には、『健康的な減量』と『病的な体重減少』があります。まず大切なのは、『自分で意図した減量かどうか』です。例えば『食事制限を始めた』『運動量を増やした』あるいは『間食を控えた』など、生活習慣の変化が明確にある場合は、生理的な減量である可能性が高いでしょう。

一方、注意が必要なのは、『特に何もしていないのに痩せる』『食事量は変わらない』『むしろ食べているのに痩せる』というケースです。さらに次の症状を伴う場合は病気が隠れている可能性があります」

・強い疲労感
・発熱
・血便
・胃痛
・下痢
・食欲低下
・貧血
・寝汗

がんによる体重減少では、「脂肪だけでなく筋肉も落ちる」という特徴があります。そのため、頬がこける、足腰が弱る、疲れやすい、階段がつらいといった変化が出ることがあります。

また、ダイエットでは比較的ゆっくり体重が減ることが多いですが、病気による体重減少では短期間で急激に減少することがあります。

一般的な受診目安としては、次の4つのうちいずれかに該当する場合は、一度医療機関を受診した方が安心です。

・半年で5%以上の意図しない体重減少
・1~2カ月で急に痩せた
・食欲低下が続く
・胃腸症状を伴う

例えば体重60キログラムの人なら、半年で3キロ以上減少した場合は注意が必要です。消化器内科では、血液検査や腹部エコー、CT(コンピューター断層撮影)、胃カメラ、大腸カメラなどを組み合わせ、原因を詳しく調べることができます。

体重減少の原因は、がんだけでなく糖尿病や甲状腺疾患、慢性炎症性疾患、うつ病などさまざまです。原因不明の体重減少が続く場合は、自己判断せず医療機関で相談することが大切です。

Q.もしがんが原因で体重が激減したにもかかわらず放置すると、どのような危険性がありますか。

安江さん「がんによる体重減少を放置すると、単に『痩せる』だけでは済まない場合があります。特に問題になるのが『筋肉量の低下』です。

がん悪液質が進行すると、脂肪だけでなく筋肉量も減少し、十分に食事を取っていても体重や体力が回復しにくくなります。そのため、疲れやすくなったり、歩行や階段の昇降がつらくなったり、転倒しやすくなり、日常生活に支障が出ることがあります。

さらに、低栄養状態になることで、免疫力低下や感染症リスク増加、肺炎、褥瘡、回復力低下などにつながります。

また、体力が落ちると、本来受けられたはずの治療が難しくなることもあります。例えば『手術に耐えられない』あるいは『抗がん剤の副作用が強く出る』『放射線治療が継続できない』といった問題が起こります。

つまり、体重減少は『がんの結果』であるだけでなく、『治療成績そのもの』にも影響する重要なサインなのです。近年では、がん悪液質や低栄養状態そのものが予後に影響することが分かっており、体重減少は重要な治療指標の一つと考えられています。

また、原因不明の体重減少を放置すると、がん発見のタイミングが遅れる可能性があります。

胃がんや大腸がんは、早期であれば内視鏡治療や手術で根治できるケースも多い一方、進行すると治療が難しくなることがあります。そのため、原因不明の体重減少や食欲低下、長引く胃腸症状、血便、貧血などがある場合は、『様子を見る』のではなく、一度しっかり検査を受けることが大切です。

特に原因不明の体重減少が続く場合や、血便、貧血、食欲低下などを伴う場合は、年齢にかかわらず早めに医療機関を受診してください。がんによる体重減少は、単なる『痩せ』ではなく、体からの重要な警告サインです。自己判断で様子を見るのではなく、必要に応じて適切な検査を受けることが大切です」

(オトナンサー編集部)

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安江千尋(やすえ・ちひろ)

天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック院長、総合内科専門医、消化器病専門医、内視鏡専門医

がん専門病院で長年にわたり消化器がんの診療・内視鏡治療に従事した後、2024年に「天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック」(大阪市天王寺区)を開院。苦痛の少ない内視鏡検査と患者に寄り添う丁寧な診療で、地域医療に貢献している。特に胃・大腸の早期がん発見と内視鏡切除を専門とするほか、脂肪肝や肝機能障害をはじめとした肝臓疾患の診療にも力を入れている。天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック(https://tennoji-naishikyo.com/)。

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