子どもの近視治療は「夏休み中が始めどき」と言えるワケ 話題の「近視管理眼鏡」や費用のリアル【眼科医解説】
夏休みが治療の始めどきと言える理由や、最新の治療法の選択肢、費用について眼科医に聞きました。

夏休みは子どもの生活環境が変わり、目の負担が増えやすい時期です。一方で、いわみ眼科(兵庫県芦屋市)理事長で眼科医の岩見久司さんは、「夏休みは子どもの近視を一度きちんと調べ、必要なら近視治療を始めるのに適した時期でもある」と語ります。夏休みが治療の始めどきと言える理由や、最新の治療法の選択肢、費用について岩見さんが解説します。
夏休みは「治療の始めどき」と言える理由
近視治療と聞くと、「子どもに何をするの?」と思うかもしれません。現在は医療が進み、選択肢がかなり増えています。 実は夏休みは、点眼の副作用を確認したり、コンタクトレンズを親子で練習したり、新しい眼鏡に慣れたり、新学期までに治療を生活の中に定着させたりできる絶好の時期なのです。主な治療法を紹介します。
(1)低濃度アトロピン点眼
1日1回、主に就寝前に点眼する方法です。毎日コンタクトレンズを扱う必要がなく、比較的始めやすい治療です。一方、アトロピンには瞳孔を広げる作用があるため、子どもによってはまぶしさなどを感じることがあります。夏休みなら、治療を始めたあとに「まぶしくないか」「生活に支障はないか」を保護者が確認しやすいという利点があります。
(2)オルソケラトロジー
夜寝ている間に専用のハードコンタクトレンズを装用し、角膜の形を一時的に変える方法です。日中は眼鏡なしで過ごせるためスポーツをする子などにメリットがありますが、衛生管理や着脱の練習が必要です。翌朝の登校時間を気にせず親子で練習できる夏休みは始めやすい時期です。
(3)多焦点ソフトコンタクトレンズ
日中に装用する、近視管理用の特殊なソフトコンタクトレンズです。「夜のハードコンタクトは怖い」という子どもに選択肢となりますが、こちらも毎日の着脱や衛生管理が必要です。夏休みなら、保護者がそばで確認する時間を取りやすくなります。
(4)近視管理眼鏡
近年、日本でも一気に身近になってきたのが「近視管理眼鏡」です。特殊な光学設計を施したレンズを使い、見た目や使い方は普通の眼鏡とほとんど変わりません。朝かけて学校へ行き、そのまま日中を過ごすため、目にコンタクトを入れる必要はありません。すでに眼鏡を使っている子どもなら、生活を変えずに取り入れやすい治療法です。
費用は「将来の目への投資」という考え方
近視管理治療の多くは保険診療ではなく、近視管理眼鏡も一般的な子ども用眼鏡より高額です。決して「誰でもやった方がいい」と簡単に言える金額ではありません。
ただ、近視が強くなり眼球が前後方向に長く伸びるほど、将来、緑内障や網膜剥離など視力を脅かす病気のリスクが高くなります。子どものうちに近視が強くなり過ぎるのを少しでも抑えることには大きな意味があります。
そう考えると、近視管理にかかる費用は「将来の目への投資」という見方もできると思います。 どの治療が一番効くかだけでなく、子ども自身の生活スタイルやご家庭で管理できる範囲に合わせて選ぶことが大切です。新学期を迎える前に、まずは眼科で子どもの目の状態を詳しく調べてみてはいかがでしょうか。
(オトナンサー編集部)




















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