金利上昇でも「新NISA」はほったらかしでOK? 積立続ける人が今すぐやるべき“お金の仕分け”
日本銀行が9月18日、金融政策決定会合で政策金利を1.0%程度から1.25%程度に引き上げると決めました。もし新NISAで積み立て投資を行っている場合、運用方針を変えるべきなのでしょうか。専門家に聞きました。

10月4日は「証券投資の日」です。全国の証券会社で構成される日本証券業協会が「10(とう)」と「4(し)」の語呂合わせから1996年に制定しました。
ところで、日本銀行が9月18日、金融政策決定会合で政策金利を1.0%程度から1.25%程度に引き上げると決めました。もし新NISAで積み立て投資を行っている場合、運用方針を変えるべきなのでしょうか。資産運用の支援事業を行う、Financial DC Japan社長の岩崎陽介さんが解説します。
運用方針を変える必要はない?
結論から申し上げると、「生活防衛資金」や「数年以内に使う予定のあるお金」がきちんと確保できていて、今の積立額・株式比率が自分のリスク許容度に見合っているのであれば、金利上昇のニュースだけを理由に運用方針を大きく変える必要は、通常はありません。
逆に言えば、この仕分けができていない場合は、そもそも金利上昇の話以前に、積立額や配分そのものを見直す必要があります。
理由は大きく2つあります。1つ目は、金利や為替の短期的な方向を継続して正確に予測することは難しく、それだけを根拠に売買のタイミングを判断するには大きな不確実性があるという点です。「利上げが来そうだから一旦売る」「円高になりそうだから乗り換える」といった短期的な相場予想だけを根拠にした売買を繰り返すと、売買コストがかさむうえ、売り時・買い戻し時の判断を誤りやすく、かえって長期の運用成果を損ねてしまう恐れがあります。
資産配分を見直すべきかどうかは、相場の先行き予想ではなく、そのお金の使い道や使う時期、自分がどれだけの値動きに耐えられるかが変わったかどうかを基準に判断するのが基本だと考えています。
2つ目は、「理由が分からないまま資産が減る」状態が、不安を強め、感情的な売却判断につながる一因になり得るからです。今回のように、金利上昇が背景にあると事前に理解しておけば、実際に一時的な下落が起きても「想定内の値動きだ」と受け止めやすくなります。
逆に、理由が分からないまま値下がりに直面すると不安に耐えられず売ってしまい、その後に相場が戻ってから後悔する、というのが典型的な失敗パターンです。
金利上昇局面に備えて、新NISA運用者が今からやっておくべき「備え」として、まず一番に見直していただきたいのは、「お金の仕分け」です。
「(1)日常生活で使うお金」「(2)生活防衛資金」「(3)数年以内、または使う時期と必要額がある程度決まっているライフイベント資金」「(4)それ以外の余剰資金」という順に分けた上で、投資に回すのはあくまで(4)の余剰資金だけにとどめてください。
生活防衛資金の目安として、よく生活費の6カ月〜1年分程度という基準が使われますが、これは絶対的な正解ではありません。自営業やフリーランスなど収入の変動が大きい人、扶養家族がいる人、近く大きな支出を予定している人などは、もう少し厚めに現金を持っておくことも検討してよいと思います。
もし今、生活防衛資金やイベント資金にまで手をつけて積み立てている場合は、この機会に金額を見直すことをおすすめします。
次に、「暴落や急落のときに慌てて動かない」というルールを、平常心でいられる“今のうち”に自分の中で決めておくことです。恐怖の中では冷静な判断も計算もできないというのが実感で、相場が急落したときにはSNS上の煽りや「今すぐ買うべき・売るべき」といった根拠の乏しい提案に反応せず、「事前に定めた資産配分・積立方針に照らして判断する」というルールを持っておくと、いざという時に感情に流されにくくなります。
ただし、生活資金の必要額や投資目的、リスク許容度が変わった場合や、資産配分が大きく崩れた場合には、相場環境にかかわらず積立額や配分を見直して構いません。
また、「株式や投資信託など、価格変動のある資産の評価額が仮に半分になっても、生活を維持し、慌てて売らずにいられるか」という問いを自分自身に投げかけ、株式と現預金などの安全資産の配分が自分のリスク許容度に合っているかを点検しておくのも有効です。ここで不安が大きいようであれば、無理のない範囲でリスクの取り方を見直すのも一つの選択肢です。
最後に、外国の株式や債券などの外貨建て資産に投資する際、為替レートの変動による資産価値の増減(為替変動リスク)を抑える「為替ヘッジ」についてです。
ヘッジを付ければ円高局面での目減りは抑えられる一方、円安になった場合の為替差益も抑えられてしまいます。また、海外通貨の金利が円の金利より高い局面では、主に内外の金利差を反映したヘッジコストがかかりやすく、そのコストは市場環境によって変動します。
ヘッジが必要かどうかは最終的には個人の考え方次第ですが、「円高・円安のどちらに転んでも慌てないよう、あらかじめ影響の大きさを理解しておく」ことの方が、ヘッジの有無そのものよりも本質的な備えになると考えています。
(オトナンサー編集部)







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