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「年収700万以下は新NISA一択」は本当? iDeCoで損しないための“5つの注意点”とは【専門家解説】

SNS上では「年収700万以下は新NISA一択」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。専門家に聞きました。

「年収700万以下は新NISA一択」って本当?(画像はイメージ)
「年収700万以下は新NISA一択」って本当?(画像はイメージ)

 資産運用の手法として「新NISA」や「iDeCo」が浸透するようになりました。どちらか一方に取り組んでいる人もいれば併用している人もいます。

 ところで、SNS上では「年収700万以下は新NISA一択」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。資産運用の支援事業を行う、Financial DC Japan社長の岩崎陽介さんに聞きました。

「年収700万以下は新NISA一択」説は誤り?

Q.SNS上では「年収700万以上は所得税率が20%以上になるから、iDeCoの節税効果は強力。逆に年収700万以下の場合、iDeCoは節税効果がNISAの非課税より劣るので、新NISA一択」という情報がありましたが、本当なのでしょうか。

岩崎さん「半分は正しく、半分は誤解です。確かに、所得控除は所得税率が高いほど効果が大きくなる仕組みなので、年収の高い方ほどiDeCoの節税効果が強力になるのは事実です。

ただ、『年収700万円以下なら新NISA一択』というのは言い過ぎです。所得税率5%の方でも住民税10%と合わせれば掛け金の約15%が戻ってきますし、例えば年収500万円の会社員が満額の月2万3000円(年間27万6000円)を拠出すれば、年間5万円以上お得になるケースがあります。これを何十年と続ければ、節税額だけで100万円を超える規模になります。

そもそも、新NISAには所得控除の仕組み自体がありません。運用益の非課税は両者共通で、iDeCoはそこに掛け金の所得控除が『上乗せ』される制度です。つまり『iDeCoの節税効果が新NISAの非課税より劣る』という比較自体が成り立たず、老後まで使わない長期運用が前提であれば、所得税・住民税を納めている限り、税効果はiDeCoの方が高くなります。

結論としては、新NISAかiDeCoかの二択で考えるのではなく、併用が基本です。優先順位は年収ではなく『そのお金を60歳より前に使う可能性があるかどうか』で決めるのが正解だと考えています」

Q.iDeCoを始める前に知っておくべき「注意点」や「損をしないためのポイント」はありますか。

岩崎さん「ポイントは大きく5つあります。1つ目は、原則60歳まで引き出せないことです。生活資金や生活防衛資金、数年以内に使う予定のあるお金はしっかり確保した上で、しばらく使わない余裕資金で行うことが大前提です。ただ、裏を返せば『強制的に老後資金を貯められる』制度でもあり、ほったらかし投資とは相性が良い仕組みです。

2つ目は、勤務先に企業型DC(企業型確定拠出年金)がないかをまず確認すること。iDeCoは年間2000円強~数千円程度の口座管理手数料が自己負担になりますが、企業型DCは会社が負担してくれるケースが多いためです。会社に制度があるなら、まずそちらを活用した方がお得です。2026年4月にはマッチング拠出の上限規制(会社の掛け金額を超えられないルール)も撤廃され、会社の枠を自分の給与から使い切れるようになりました。なお、マッチング拠出を利用する場合、iDeCoとの併用はできない点にご注意ください。

3つ目は、中身をきちんと運用商品にすること。近年は投資信託を選ぶ人が増え、定期預金などの『元本確保型』のみで運用している人の割合は減少傾向にありますが、それでも一定数の方が元本確保型のまま放置されているのが実態です。特に60代以降は元本確保型の比率がやや高めです。インフレ率2〜3%の時代にほとんど増えない商品で置いておくと、実質的に資産が目減りしているのと同じです。ご自身のリスク許容度に応じて、世界株式型など良質な投資信託でしっかり運用してください。

4つ目は、受け取り方(出口)です。退職所得控除は大きな枠ですが、会社の退職金と控除枠が重なると思ったほど控除が残っていないこともあります。また、2026年からは、iDeCoの一時金を先に受け取り、その後に退職金を受け取ることで退職所得控除を二重に使う方法への規制も強化されています(いわゆる『5年ルール』が『10年ルール』になりました)。受け取り方については専門家に相談しながら決めると安心です。

5つ目は、自分の拠出上限を調べること。会社員か自営業か、勤務先の企業年金の有無などによって拠出できる金額は変わります。今一度、自分の立場ではいくらまでできるのかを確認してみてください」

(オトナンサー編集部)

【画像】「NISA貧乏」の原因に? これが「新NISA」で絶対にやってはいけない「6つのNG行為」です!

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岩崎陽介(いわさき・ようすけ)

Financial DC Japan代表取締役社長

一橋大学商学部卒業。元野村證券・IFAとして16年以上、累計130億円超の資産運用アドバイス経験を持つ、資産運用の専門家。世界全体の成長を取り込む長期・分散投資を軸に、NISA・DCなどの税制優遇制度を最大限に活用した資産形成を提唱。

■【実績】
・野村證券では、社長賞はじめ、数々の賞を受賞。海外留学も経験。
・企業型DC導入実績600社超。(日本トップクラス)

■YouTube ほったらかし投資のフクロウ先生
https://youtube.com/@hukurou_invest?si=NBoF3fLKZgMacLO0

■会社HP
https://f-dc-j.co.jp

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