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スイカとビールでおなか壊す…胃腸に「すさまじいダメージ」のうわさは本当? 腹痛、下痢が生じるワケ【医師解説】

スイカとビールを組み合わせると、本当に胃腸に悪いのでしょうか。医師に聞きました。

スイカとビールを組み合わせてはいけないのは本当?(画像はイメージ)
スイカとビールを組み合わせてはいけないのは本当?(画像はイメージ)

 夏に冷えたビールと甘いスイカを楽しむ人は多いのではないでしょうか。しかし、一緒に食べると「胃腸にすさまじいダメージを与える」「おなかを壊しやすい」といったうわさも耳にします。スイカとビールを組み合わせると、本当に胃腸に悪いのでしょうか。金沢駅前内科・糖尿病クリニック(金沢市)院長で、糖尿病専門医の小倉慶雄さんに聞きました。

おなかを壊す3つの理由

Q.スイカとビールを組み合わせると、胃腸に大きなダメージを与えるのでしょうか。

小倉さん「健康な人が通常量のスイカとビールを一緒に摂取しただけで、胃腸に『すさまじいダメージ』が生じるという医学的根拠はありません。ただし、摂取量や体質によっては、腹部膨満感、吐き気、腹痛、軟便、下痢などが起こりやすくなることはあります。これは『危険な食べ合わせ』というより、それぞれの食品や飲料が持つ作用が重なるためです。胃腸症状が起こる3つの理由は次の通りです」

(1)ビールの量とアルコールの影響
ビールを大量または短時間に飲むと、アルコールそのものによって吐き気や嘔吐(おうと)が起こることがあります。さらに、ビールには炭酸が含まれるため、一度に多く飲めば胃が膨らみ、げっぷ、胃もたれ、腹部膨満感を感じやすくなります。空腹時の飲酒、脂っこい肉料理の食べ過ぎ、早食いなどが重なると、胃腸症状は一層起こりやすくなります。

(2)スイカに含まれる糖質の影響
スイカに含まれる果糖などの糖質は、人によっては小腸で十分に吸収されないことがあります。吸収されなかった糖質が大腸に届くと、腸内細菌によって発酵し、ガス、腹部膨満、腹痛を生じることがあります。

また、腸管内に水分を引き込むことで、軟便や下痢につながる場合があります。特に、過敏性腸症候群、果糖の吸収不良、もともと下痢をしやすい人では、症状が出やすい可能性があります。

(3)冷たいものを一度に多く取る影響
冷えたビールと冷えたスイカを短時間に大量摂取すると、胃が膨らみ、不快感や腹痛を覚える人がいます。ただし、「冷たい食品の組み合わせが腸を傷つける」といった意味ではありません。

下痢が生じる原因は?

Q.翌日の体調不良や下痢にはどのような関係がありますか。

小倉さん「翌日の頭痛や倦怠(けんたい)感、口渇、吐き気などは、主として飲酒量、睡眠の質、脱水傾向、食事内容などに関係します。スイカとの組み合わせが、特異的に二日酔いを悪化させるとする十分な根拠はありません。翌日に下痢や腹痛が起こった場合には、次のような複数の要因が考えられます」

・アルコールを多量に摂取した
・スイカや他の果物を大量に食べた
・脂質の多い肉料理を食べ過ぎた
・食品の保存状態に問題があった
・過敏性腸症候群など、もともとの体質が影響した

バーベキュー後の激しい腹痛、頻回の水様便、嘔吐、発熱、血便がある場合は、単なる「食べ合わせ」ではなく、食中毒や感染性胃腸炎なども考える必要があります。

Q.ビールを飲んだ後にスイカを食べる場合、何時間空ければよいですか。

小倉さん「『何分または何時間空ければ安全』という医学的に定められた間隔はありません。スイカとビールの間隔を空けることよりも、次の点の方が重要です」

・ビールを短時間に大量に飲まない
・飲酒とは別に水を飲む
・暑い場所で長時間過ごさない
・空腹で飲酒しない
・スイカも一度に大量に食べない
・体調が悪いときは飲酒しない

胃腸が弱い人は、ビールとスイカを同時に大量摂取せず、まず少量にするのが現実的です。時間を空けても、総摂取量が多ければ腹痛や下痢は起こり得ます。

ビールを飲む場合は、ビールを水分補給と数えず、水やノンアルコール飲料も並行して摂取してください。例えば、ビールを1杯飲んだら水も飲むなど、飲酒の合間に意識して水分を補う方法が有用です。 ただし、「水を一緒に飲めば多量飲酒しても安全」という意味ではありません。アルコールによる健康影響は摂取量に伴って増えるため、飲酒量そのものを抑えることが基本です。

糖尿病の人は、ビールや食事による血糖値の変動に加え、暑さと脱水が血糖管理に影響する可能性があります。インスリンや一部の血糖降下薬を使用している人では、飲酒による低血糖にも注意が必要です。暑い日の活動時には、飲酒を避け、水分を確保し、必要に応じて血糖値を確認してください。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)も糖尿病患者に対し、暑い日は十分に水を飲み、アルコールを避けるよう案内しています。

スイカとビールを組み合わせると深刻な胃腸障害が起こるという情報は、医学的には不正確です。問題となるのは、スイカとの特別な相互作用ではなく、主に暑い環境、ビールの多量摂取、水や電解質の補給不足、食べ過ぎ、体質や基礎疾患です。スイカは水分を含む食品ですが、ビールを水分補給飲料に変えるものではありません。夏のバーベキューでは、ビールとは別に水分を確保し、飲酒量を抑え、体調変化があれば早めに休むことが重要です。

(オトナンサー編集部)

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