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日銀利上げで「新NISA」は売るべき? 「利上げ=株安」の勘違い&為替のワナ【専門家が解説】

日本銀行が9月18日、金融政策決定会合で政策金利を1.0%程度から1.25%程度に引き上げると決めました。この場合、新NISAで人気のオルカンやS&P500などの投資信託にどのような影響を及ぼすのでしょうか。専門家に聞きました。

金融政策決定会合を終え、記者会見する日本銀行の植田和男総裁(9月18日、時事通信フォト)
金融政策決定会合を終え、記者会見する日本銀行の植田和男総裁(9月18日、時事通信フォト)

 日本銀行が9月18日、金融政策決定会合で政策金利を1.0%程度から1.25%程度に引き上げると決めました。この場合、新NISAで人気のオルカンやS&P500などの投資信託にどのような影響を及ぼすのでしょうか。資産運用の支援事業を行う、Financial DC Japan社長の岩崎陽介さんが解説します。

「金利上昇=即株安」とは限らない理由

 金利上昇は、株価にとって重しになりやすい要因の一つです。中央銀行が物価安定の観点から政策金利を引き上げる局面では、企業の借入コストが増えることに加え、将来の利益を今の価値に割り引いて評価する際の「割引率」が上がるため、株価が伸び悩みやすくなります。

 ただし、金利が上がる背景に景気や企業収益の改善への期待があるケースもあり、その場合は業績期待の高まりが金利上昇の悪影響を打ち消し、株価が底堅く推移することもあります。金利が上がったからといって、それだけで株価の方向が一律に決まるわけではないという点は、まず押さえておきたいところです。

 その中でも影響を受けやすいのは、現在の利益水準よりも将来の高い成長期待によって株価が評価されている、いわゆる高バリュエーションのグロース株です。近年、世界の株式市場をけん引してきたAI関連や半導体関連の銘柄の中には、高い成長期待が株価に織り込まれ、高いバリュエーションで取引されている企業もあります。

 ただし、同じAI・半導体関連でも、すでに高い利益水準を確保している企業と、将来の期待だけで買われている企業とでは金利感応度が異なるため、「AI関連だから一律に金利に弱い」と捉えるのは正確ではありません。

 また、為替の影響も見逃せません。日銀が利上げを進めると、他の条件が同じであれば日米の金利差が縮まり、円高方向に働きやすくなります。ただし実際の為替相場は、米国側の金利動向や景気見通し、市場がどこまで利上げを織り込んでいるか、リスク回避時の資金の動きなど、複数の要因の綱引きで決まるため、「日銀が利上げすれば必ず円高になる」とまでは言い切れません。

 オルカン(全世界株式)やS&P500などのような、外国の株式や債券などの外貨建て資産に投資する際、為替レートの変動による資産価値の増減(為替変動リスク)を抑える「為替ヘッジ」をしていない海外株式の投資信託は、海外の株価に加えて、円に換算する際の為替レートの影響も受けます。

 為替ヘッジなしで米国株に投資するS&P500連動型の投資信託では、円建ての基準価額・評価額は主に米ドル円の影響を受けます。

 オルカンのような時価総額加重の全世界株式型では、一般に米国株の比重が大きいため、ドル円の影響も相対的に大きくなりますが、米国株の比率や各通貨の影響度は市場環境に応じて変動します。

 為替ヘッジなしの商品では、海外の現地通貨建て株価が変わらなければ、円高は原則として円換算の評価額を押し下げ、円安は押し上げる方向に働きます。実際、近年、為替ヘッジなしの円建て投信の評価額が大きく伸びた局面では、株価の上昇に加えて円安がその評価額を押し上げていた面があったことも押さえておく必要があります。

 ただし、利上げ局面での株価の動きは、短期的に見ても中長期的に見ても一律ではありません。インフレが落ち着き、景気後退を避けながら企業収益が伸びていく、いわゆる「ソフトランディング」に近い展開になった局面では、利上げが続く中でも株価が底堅く推移したり、上昇したりした例が見られます。

 一方で、1970年代のオイルショック期のように、原油価格の急騰や高インフレ、景気停滞が重なり、金融引き締めも合わさって、株式の実質的なリターン(物価の影響を差し引いたリターン)が長期にわたって厳しくなった局面もありました。「利上げ=株安」と単純に決めつけるのも、「利上げが起きても株は必ず戻る」と楽観しすぎるのも、どちらも正確ではないというのが実情です。

(オトナンサー編集部)

【画像】「NISA貧乏」の原因に? これが「新NISA」で絶対にやってはいけない「6つのNG行為」です!

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岩崎陽介(いわさき・ようすけ)

Financial DC Japan代表取締役社長

一橋大学商学部卒業。元野村證券・IFAとして16年以上、累計130億円超の資産運用アドバイス経験を持つ、資産運用の専門家。世界全体の成長を取り込む長期・分散投資を軸に、NISA・DCなどの税制優遇制度を最大限に活用した資産形成を提唱。

■【実績】
・野村證券では、社長賞はじめ、数々の賞を受賞。海外留学も経験。
・企業型DC導入実績600社超。(日本トップクラス)

■YouTube ほったらかし投資のフクロウ先生
https://youtube.com/@hukurou_invest?si=NBoF3fLKZgMacLO0

■会社HP
https://f-dc-j.co.jp

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