喉イガイガ、肌カサカサ…秋の乾燥が原因? 体内を潤す市販薬の正しい選び方とは【薬剤師に聞く】
秋の乾燥による喉や肌の不調はどう改善するのがおすすめなのでしょうか。ドラッグストアで買えるおすすめの漢方薬や正しい飲み方、注意点などについて、薬剤師に聞きました。

秋になると喉がイガイガしたり、肌トラブルが増えたりしがちです。秋の不調は乾燥とどのような関係があるのでしょうか。ドラッグストアで買えるおすすめの漢方薬や正しい飲み方、注意点などについて、薬剤師の真部眞澄さんに聞きました。
秋に喉や肌が不調に陥る原因とは?
Q.秋になると「なんとなく喉がイガイガする」「肌のかゆみや便秘が増える」といった不調が起きますが、これらは「秋の乾燥(秋燥)」とどう関係しているのでしょうか。
真部さん「秋は体の中の粘膜にある水分がカラカラに乾き、バリアー機能がストライキを起こしているような状態になるため、乾燥によるトラブルが体に現れやすくなる時期です。
漢方医学では秋の乾燥による不調を『秋燥』と呼び、初秋の熱を伴う乾燥である『温燥』と、晩秋の冷えを伴う『涼燥』の2種類があります。そして、秋は『肺』という臓器がダメージを受けやすい季節と考えられています。
漢方医学での肺は呼吸する肺だけでなく、喉や鼻、皮膚、その裏でつながっている大腸までを含めるのが特徴です。肺は潤いを好んで乾燥をひどく嫌うので、空気が乾燥すると肺のシステム全体から水分が奪われて体の調子が悪くなると考えられています。
例えば呼吸器の不調の場合、喉や鼻などの粘膜が乾いてバリアーが破れ、ウイルスの侵入を防げなくなると、喉のイガイガや空咳が出やすくなるでしょう。
さらに、皮膚は乾燥すると水分が抜けてバリアーが壊れるので、例えば下着のこすれといった少しの刺激だけで強いかゆみを感じるようになってしまいます。また、秋に便秘が急増するのは、腸の中の水分まで乾燥して便が硬くなり、スムーズに流れなくなるためです。
このように、一見バラバラの不調が全て体の中の乾燥という同じ原因から地続きで引き起こされていて、この状態を秋燥といいます」
おすすめの漢方薬とは?
Q.ドラッグストアで買える薬の中で、体の中から「潤い」を補い、これらの乾燥トラブルを和らげてくれるおすすめの漢方薬や成分について教えてください。
真部さん「外からクリームを塗るだけでなく、体の中から潤いを補って乾燥のトラブルを和らげるおすすめの漢方として、まず『麦門冬湯(ばくもんどうとう)』が挙げられます。喉の乾燥やコンコンする空せき、喉が張り付くようなイガイガの症状に効果的です。喉の粘膜を強力に潤してこびりついたものを出しやすくし、せきを鎮めてくれます。
次に『清肺湯(せいはいとう)』という漢方薬もおすすめです。肺にこもった熱を冷まして気道を潤し、粘り気のある黄色いたんや長引くせきを鎮めてくれます。喉の乾燥や空咳だけでなく、気管支炎によるたんが多くて切れにくいせきや、タバコや排気ガスによる喉の不快感にも効果的です。
肌の乾燥に効果的な漢方薬としては『当帰飲子』が挙げられます。特にお風呂上がりや寝るときなどに体がかゆくなるなど、肌の乾燥やかゆみがあったり、粉を吹いたような肌になってしまってお困りの人におすすめです。体に『栄養(血)』と『潤い』を補給し、カサカサ肌を内側からしっとりさせてかゆみを根元から抑えてくれます。
また、『麻子仁丸(ましにんがん)』という漢方薬は便がコロコロしていて硬い、強くいきまないと出ないなど、腸が乾燥して便秘になっている時に効果的です。主成分の麻子仁(ましにん)に含まれる天然の植物油が硬くなった便と腸壁を潤し、自然な排便を促します。
なお、漢方薬は症状だけでなく体質に合ったものを選び、併用薬のある人は必ず購入の際に薬剤師に確認してくださいね。
ドラッグストアで買えるサプリメントについては、コラーゲン、セラミド、ヒアルロン酸、オメガ3脂肪酸、ビタミンA、C、E群あたりがおすすめです。コラーゲンは肌だけではなく、水分を蓄えるスポンジのような場所である全身の結合組織の保水力を高めます。
セラミドは肌のバリアー機能を高めて水分が外に逃げるのを防ぐので、全身の乾燥対策に効果的です。ヒアルロン酸は抜群の保水力があり、細胞と細胞の間で水分を蓄えてくれます。最近は体内への吸収を考えて、低分子化されたものが多いです。
オメガ3脂肪酸は、良質な脂質の材料になるほか、肌の表面に膜を張って水分の蒸発を防ぐ効果や、中性脂肪を劇的に低下させる効果もあります。体内で合成されないので、青魚などの食事やサプリメントで補いましょう。
ビタミンAは粘膜の防壁を強化して皮膚や粘膜を正常に保ち、ターンオーバーを整えてくれる成分で、不足すると粘膜がぺらぺらに薄くなって乾燥のダメージが直撃してしまうので、積極的に取るようにしましょう。さらに、ビタミンCは肌の弾力を支えるコラーゲンの生成を助けてくれますし、ビタミンEは血行を促進して肌の隅々まで栄養を届けてくれます。
ただし、ビタミンAやEは脂溶性ビタミンで、尿として排出される水溶性ビタミンとは異なり、過剰摂取すると体内に蓄積されやすいです。健康被害を起こすことがないように、パッケージをよく確認して服用量を必ず守りましょう」
市販薬や漢方薬の正しい飲み方とは?
Q.乾燥対策として市販薬やのどあめ、サプリメントなどを取り入れる際、効果を半減させないための「正しい飲み方や注意点」を教えてください。
真部さん「市販の乾燥対策の薬やのどあめ、サプリメントは成分が働く場所や吸収される仕組みがそれぞれ異なる点に注意が必要です。
まず、乾燥に効く漢方薬や粘膜を保護する医薬品は、飲むタイミングと水分量が重要となります。例えば麦門冬湯や清肺湯の場合、食前または食間の空腹時、胃の中に食べ物がない状態が最も効率よく吸収できるので、少量の白湯(さゆ)に溶かして喉の粘膜にじっくり触れさせながら飲むと良いでしょう。
また、麻子仁丸はコップ1杯の水で胃に送り込みますが、おなかを冷やさないように冷たい水は避け、常温の水か白湯で飲んでください。一部の便秘薬のように、多めの水で飲む必要はありません。
次にのどあめですが、のどあめは医薬品、医薬部外品、食品に種類が分かれており、それぞれ使い方が変わります。例えば南天のど飴(あめ)や浅田飴、ヴィックスなどの医薬品や医薬部外品ののどあめは、殺菌や去痰などの有効成分が含まれており、喉の粘膜に長く留めるのが重要です。かみ砕いてすぐに飲み込むと効果がほとんど得られないので、ゆっくり溶かしましょう。
また、普通のお菓子と同じペースでなめると有効成分の過剰摂取になるので、1日の個数制限や摂取間隔の指示をきちんと守りましょう。
一方で、蜂蜜やプロポリス、ハーブキャンディーなどの食品ののどあめは唾液の分泌を促して喉を乾燥から守るのが主な目的なので、なめること自体に意味があります。しかし、糖分が多いあめは喉を刺激してイガイガする原因になったり、なめすぎて糖分の取り過ぎや虫歯の原因になったりしがちなので、乾燥対策にのどあめをなめる場合はシュガーレスがおすすめです。
サプリメントは成分ごとに飲み方を変えないと、吸収されずに体外に排出されやすいので注意が必要です。特に脂溶性のオメガ3脂肪酸やビタミンA、ビタミンEは空腹時に飲むと吸収率が下がるので、食後すぐの胃に食事の油分があるタイミングで飲みましょう。
水溶性のヒアルロン酸やビタミンC、ビタミンB群は数回に分けて飲んでください。例えば朝だけたくさん取っても、体が一度に吸収できる栄養素には限度があるため、吸収しきれない部分が尿として排出されてしまいます。そのため、1日の目安量を2~3回に小分けにして飲むのが効果的です。また、セラミドは肌のバリアー機能を修復しますが、ターンオーバーは睡眠中に活発になるので、夕食後か就寝前に飲むと良いでしょう。
なお、薬やサプリは全般的にお茶やコーヒーで飲まないことが重要です。カフェインやタンニンはサプリのビタミンやミネラル類の吸収を阻害することがあるので、水で飲んでいただければと思います。飲み方や注意点はそれぞれの製品によって異なるので、必ず説明書で確認してから指示通りに飲んでください」
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秋は乾燥によって、体の表面だけでなく胃腸などの内臓にまで様々な不調が引き起こされることがあるようです。乾燥対策で市販薬やサプリ、のどあめを活用するときには、用量や用法をきちんと守りましょう。
(オトナンサー編集部)







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