「紅茶」飲むと血糖値の上昇抑えられるって本当? 糖尿病専門医が教える“意外な注意点”
紅茶には血糖値の上昇を抑える働きがあるといわれていますが、本当なのでしょうか。糖尿病専門医に聞きました。

11月1日は「紅茶の日」です。海難に遭ってロシアに漂着した伊勢国(現在の三重県)の船頭、大黒屋光太夫が1791年のこの日、ロシアのエカテリーナ2世から茶会に招かれ、日本人として初めて外国での正式な茶会で紅茶を飲んだとされることから日本紅茶協会(東京都港区)が1983年に制定しました。
朝食時に紅茶を飲む人は多いと思います。ネット上では「紅茶には血糖値の上昇を抑える働きがある」「紅茶にミルクを組み合わせてはいけない」などの情報がありますが、本当なのでしょうか。
紅茶を飲む際の注意点や、紅茶と組み合わせることで栄養素の吸収が損なわれるケースなどについて、eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。
ポリフェノールが血糖値の上昇を抑える?
Q.紅茶には血糖値の上昇を抑える働きがあるといわれていますが、本当なのでしょうか。
市原さん「現時点で本当だと断言はできませんが、紅茶には、食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果がある可能性があります。
注目されているのは、紅茶に含まれる『テアフラビン』や『テアルビジン』などのポリフェノールです。これらは茶葉の発酵過程で作られる成分で、糖質を分解する消化酵素であるα-アミラーゼやα-グルコシダーゼの働きを抑える可能性が報告されています。実際に、紅茶由来のポリフェノールを含む飲料を砂糖と一緒に摂取した場合、食後の血糖値の上昇が抑えられたという研究があります。
ただし、この研究は小規模であり、すべての人に同じ効果があると確認されたわけではありません。また、長期間飲み続けることで糖尿病の指標である『HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)』が改善するという十分な根拠もありません。
紅茶は血糖値対策の補助として期待できる飲み物ですが、食事の糖質量や食べ方を見直すことの方が重要です」
Q.もし血糖値対策として紅茶を飲みたい場合、「食前」「食事中」「食後」のどのタイミングで飲むのが適切だと考えられますか。
市原さん「先述の研究で主に検討されているのは、食事と一緒に紅茶を飲む方法です。紅茶のポリフェノールが糖質の消化に関わる酵素に作用すると考えると、食事中に飲むことは理にかなっています。持病や食べ物にもよりますが、血糖値対策として取り入れるのであれば、食事中に無糖の紅茶を飲む方法が実践しやすいと思います」
Q.手軽な「ティーバッグ」や、市販の「ペットボトル紅茶(無糖)」でも血糖値の上昇を抑える効果が得られる可能性はありますか。
市原さん「ティーバッグでいれた紅茶や市販の無糖ペットボトル紅茶にもポリフェノールは含まれているので、先述のような効果は期待できます。選ぶ際は栄養成分表示を確認し、糖類や炭水化物があまり含まれていないものを選ぶことが大切です。
『紅茶飲料』と書かれていても、砂糖や果糖ぶどう糖液糖が含まれている製品があります。特にフルーツティーやミルクティーは、商品によって糖質量に大きな違いがあります」
鉄分の吸収を妨げる可能性も
Q.紅茶の1日の適量(目安の杯数)や飲む際の注意点について教えてください。ネット上では「紅茶にミルクやレモンを入れるのはNG」「紅茶が鉄分の吸収を妨げる」という情報がありますが、本当なのでしょうか。
市原さん「最も注意したいのは、砂糖やシロップをたっぷり加える飲み方です。砂糖を加えれば、その分の糖質を摂取することになります。ミルクは少量であれば糖質は気にならない程度です。レモンは全く問題ありません。ただし、砂糖入りのレモンシロップなどには注意が必要です。
甘味料については、砂糖の代わりに糖質をほとんど含まない甘味料を使用すれば、糖質を減らすことができます。
また、紅茶にはカフェインが含まれているため、飲みすぎには注意が必要です。一般的には、1日2〜3杯程度を目安にしましょう。カフェインを過剰に摂取すると、不眠、動悸(どうき)、胃の不快感などにつながることがあります。特に睡眠への影響が出やすい人は、夕方以降の摂取を控えた方がよいでしょう。
このほか、紅茶に含まれるタンニンなどのポリフェノールには、食事に含まれる鉄分の吸収を妨げる作用があります。貧血気味の人や、鉄分が多い食べ物を食べる際は紅茶を飲むのを避け、食後1時間以上空けて飲むことをおすすめします」
(オトナンサー編集部)



























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