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「飲むとフラつく」睡眠薬&血圧の薬とは? 転倒&要介護を防ぐ“薬の組み合わせ”【薬剤師解説】

薬の副作用に伴う転倒事故を防ぐ方法について、薬剤師に聞きました。

普段飲んでいる薬が転倒リスクを上げることも(画像はイメージ)
普段飲んでいる薬が転倒リスクを上げることも(画像はイメージ)

 10月10日は「転倒予防の日」です。高齢者の転倒やそれに伴う骨折・要介護状態を防ぐための研究や啓発活動を行う日本転倒予防学会が制定しました。

 高齢者の転倒は大けがにつながりやすいので注意したいところですが、普段飲んでいる薬が転倒のリスクを高めるケースもあるのをご存知でしょうか。特に高齢者は薬の副作用をきちんと確認することが大切です。転倒のリスクを高める薬の主な種類や、主治医とどのように相談すればよいのかなどについて、薬剤師の真部眞澄さんに聞きました。

普段飲んでいる薬で転倒リスク増

Q.高齢者の転倒、骨折の原因が、実は「毎日飲んでいる薬の副作用」であるケースはどれくらい多いのでしょうか。

真部さん「高齢になると肝臓や腎臓の機能が低下し、薬が体の中に長く残りやすいです。本人はいつも通り飲んでいるつもりでも、実は薬が効き過ぎていて頭や体が思うように働かず、それが転倒の隠れた原因になるケースがあります。

ふらつきやめまいが副作用の薬もありますが、原因はそれだけに限らず、その時の肝臓や腎臓機能の低下、体調などの影響もあるかもしれません。

また、高齢者の場合に考えられるのが、5~6種類以上の薬を常時飲んでいるポリファーマシーの影響です。5剤以上の薬を常に服用している高齢者の約4割にふらつきや転倒が起きており、転倒した高齢者の約1割が骨折に至るという報告もあるため、特に注意が必要です」

転倒リスクが上がる薬の特徴

Q.睡眠薬や抗不安薬、血圧を下げる薬がありますが、特にどのような薬を飲んでいるときに、ふらつきや立ちくらみが起きやすく、転倒のリスクが高まりますか。

真部さん「特に要注意なのは抗精神病薬全般、次に睡眠薬や抗不安薬です。ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系などの、ハルシオン(トリアゾラム)やデパス(エチゾラム)、アモバン(ゾピクロン)、マイスリー(ゾルピデム)などが挙げられます。

脳をリラックスさせるだけではなく、筋肉の緊張もほぐす筋弛緩(しかん)作用があるので、『朝まで眠気やふらつきが残る』『夜中にトイレに起きた際に足に力が入らなくてガクッと膝から崩れ落ちてしまう』といったことがあり得ます。

また、アムロジン(アムロジピン)やオルメテック(オルメサルタン)などの降圧剤が過剰に働いて血圧が下がり過ぎると、朝起きて急に立ち上がった時に脳に血液がいかず、起立性低血圧で立ちくらみが起きたり、一瞬目の前が真っ暗になって倒れたりすることがあります。

さらに、インスリンやアマリール(グリメピリド)などの糖尿病の治療薬による低血糖にも注意が必要です。あまり食べていないのに普段通り薬を飲んでしまうと、薬の効き過ぎで低血糖になり、激しいめまいやふらつき、意識が遠のく症状が出てしまうことがあります。

他には、過活動膀胱(ぼうこう)の薬や一部のアレルギー薬、風邪薬にも注意してください。抗コリン作用という尿の回数を減らす作用や、くしゃみ、鼻水を抑える作用がある薬は、ふらつきや認知機能の低下、頭がぼんやりするといった副作用が出ることがあるので、これらもリスク要因です」

転倒を防ぐための薬の飲み方

Q.転倒を防ぐために、薬の飲み方で注意すべきポイントや、「最近足元がふらつく」と感じたときに主治医や薬剤師にどう相談し、調整してもらうべきか教えてください。

真部さん「まずは、寝起きなどは立ってすぐに歩こうとしないことです。特に睡眠薬や降圧剤を飲んでいる人は、夜中に目が覚めたらまずベッドの端に腰かけて、足の裏をしっかり床につけて30秒くらいたってから、ゆっくり歩き出していただきたいです。

さらに、主治医や薬剤師に相談する際は原因の特定のため、いつどんな時にふらつくかをメモしてから診察に行くのがおすすめです。『朝起きてからすぐにふらつく』『薬を飲んだ30分後からぼーっとする』など、時間帯や状況をメモしていただけると、薬を特定して処方を見直しやすくなります。

最も避けていただきたいのは、自分の判断で服用をやめてしまうことです。例えば血圧が跳ね上がって症状が急激に悪化したり、不眠になったりと、別の部分で影響が出てきます。

医師に薬を飲んでいないことを伝えないまま症状を相談すると、薬が効いていないと判断して薬を増やす悪循環に陥るかもしれません。特にある程度の年齢の人だと、何かあった時に包み隠さず相談できることが大切なので、本音で話しづらい場合はセカンドオピニオンも検討しましょう。

さらに、薬の重複などに薬剤師が気付けるよう、お薬手帳を1冊にまとめておくことも大切です。重複していなくても、ポリファーマシーの影響でふらつきや転倒が生じている可能性もありますし、他の病院でもらっている薬で代替することで薬を減らせるかもしれないので、ぜひご協力ください」

* * *

 高齢者の場合、本人が意識していなくても、薬の副作用で転倒するケースもあることが分かりました。大けがにつながりやすいので、寝起きの急な行動などには特に注意しましょう。相談できる医師の存在や、お薬手帳をまとめておくことが対策になりそうです。

(オトナンサー編集部)

【画像】「えっ…!?」 これが薬と一緒に食べてはいけない食べ物です!

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真部眞澄(まなべ・ますみ)

薬剤師

東京薬科大学卒業後、日商岩井(現・双日)を経て、現在は現役薬剤師として 25 年
目、調剤薬局の最前線に立ち続けている。日々多くの患者に接する中で、5 年、10 年
と経つうちに薬の量が倍増していく現状を目の当たりにし、「初期に踏み込んだ対策
を伝えていれば」との強い後悔から、現在は「お薬だけに依存させない薬剤師」として
活動。40 代以降の世代を中心に、薬に頼りすぎない改善策を男女問わずアドバイス
している。また、心身の相関性を重視し、医療・心理・統計学的鑑定を用いたカウンセ
リングも実施。多角的な視点で健康寿命を延ばすための情報発信を続けている。

HP:https://m-inflore.com/

youtube.com/@まなママチャンネル カウンセリング:https://renfortune-bruk2bqw.manus.space/

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