「三角食べ」は糖尿病のもと? 血糖値の爆上がり防ぐ“食事の正しい順番”とは
三角食べは健康上、問題はないのでしょうか。管理栄養士に聞きました。

子どもの頃、家庭や学校の給食などで、主食とおかず、汁物を交互に食べる「三角食べ」を教わった人は多いのではないでしょうか。
一方、近年は野菜から先に食べることで血糖値の上昇を緩やかにする「ベジタブルファースト」という食べ方も注目されています。三角食べは健康上、問題はないのでしょうか。「戸塚西口さとう内科」(横浜市戸塚区)に所属する管理栄養士の政木吾実さんに聞きました。
炭水化物を食べるタイミングを意識すること
Q.三角食べは、血糖値が上がりやすい食べ方なのでしょうか。
政木さん「三角食べそのものが健康上問題のある食べ方というわけではありません。ただし、血糖値の観点から見ると、野菜やたんぱく質を先に食べてから主食を食べる方法と比較して、食後血糖値が上昇しやすくなる場合があります。
三角食べでは、白米やパンなどの主食、肉や魚などの主菜、野菜などの副菜を交互に食べます。そのため、食事の比較的早い段階から炭水化物を摂取することになります。特に、空腹の状態で最初に白米やパン・麺などの主食を多く取ると、野菜やたんぱく質を先に取る場合と比べて、食後血糖値が上昇しやすくなることがあるのです。
ただし、これは『三角食べが悪い』ということではありません。三角食べでは、主食・主菜・副菜をバランスよく食べることができるというメリットもあります。血糖値への影響を考える場合に重要なのは、三角食べという食べ方そのものよりも、食事の中で炭水化物をどのタイミングで、どのくらい摂取するかという点です。
三角食べをする場合でも、血糖値の急激な上昇をできるだけ抑えたいのであれば、最初に野菜や主菜をある程度食べてから主食を取るなど、炭水化物を食事の後半に回す方法があります。
例えば、『白米→主菜→白米→副菜』という食べ方よりも、『主菜・副菜→汁物→白米』のように、野菜やたんぱく質を先に取り、主食を後半に回すことで、食後血糖値の上昇を緩やかにすることが期待できます」
Q.では、三角食べで先に主食を食べる習慣が続くと、将来的に糖尿病になる可能性が高まりますか。
政木さん「主食を先に食べる習慣があるからといって、それだけで将来糖尿病になるとは言えません。主食を先に食べる場合と、野菜やたんぱく質を先に食べる場合を比較すると、前者の方が食後血糖値が上昇しやすいことはありますが、食後の一時的な血糖値の変化と、将来の糖尿病の発症リスクは分けて考える必要があります。
糖尿病の発症には、食事の量や内容、体重、身体活動量、遺伝的要因など、さまざまな要因が関係します。そのため、食べる順番だけを過度に気にするのではなく、主食や間食の量に配慮し、野菜やたんぱく質を適切に取り、日頃から身体を動かすなど、生活習慣全体を整えることが重要です。
三角食べは決して『悪い食べ方』ではありません。血糖値が気になる場合には、まず野菜やたんぱく質を食べてから主食を取るなど『食べる順番』を意識し、自分の食生活の中で無理なく工夫しましょう」
野菜やたんぱく質を先に食べるとなぜ血糖値の上昇が緩やかに?
Q.なぜ野菜やたんぱく質を先に摂取すると、食後の血糖値の上昇が緩やかになるのでしょうか。
政木さん「野菜などに含まれる食物繊維には、食物の消化・吸収を緩やかにする働きがあり、食後血糖値の上昇を抑えることにつながります。また、たんぱく質や脂質などの摂取によって『GLP-1』や『GIP』などの『インクレチン』と呼ばれる消化管ホルモンの分泌が促進されます。インクレチンはインスリン分泌を促す作用を持っており、食後の血糖調整に関わっています。
そのため、野菜やたんぱく質を先に摂取し、その後に炭水化物を摂取すると、炭水化物を最初に食べる場合と比べて、食後血糖値の上昇が緩やかになることが報告されています。
ただ、『野菜やたんぱく質をすべて食べ終わるまで主食を一切食べてはいけない』というほど厳密に考える必要はありません。食事全体の構成や、食物繊維、たんぱく質、炭水化物を摂取するタイミングなどによって、食後血糖値への影響は変わります。重要なのは、野菜やたんぱく質を取り入れた上で、主食を後半に回すなど、食事全体のバランスを意識することです。
しかし、食べる順番を工夫しても、摂取した糖質そのものがなくなるわけではありません。炭水化物を多量に摂取すれば、食べる順番を工夫したとしても食後血糖値は上昇します。
従って、食後血糖値の急激な上昇を抑えるためには『何をどのくらい食べるか』と『どのような順番で食べるか』の両方を意識することが大切です。野菜やたんぱく質を取り入れ、主食の量にも配慮しながら全体としてバランスの良い食事を続けることが重要です」
(オトナンサー編集部)


























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