雨の日に頭痛ひどい…気圧の変化で生じる「気象病」防ぐには? 梅雨までに覚えたい4つの有効な対策
雨の日や曇りの日に頭痛やめまいなどの症状が出る原因や対処法について、保健師に聞きました。

間もなく梅雨の時期を迎えます。雨の日や曇りの日に「なんとなく頭が重い」「ズキズキ頭が痛む」という経験はありませんか。近年、天気による不調は「気象病」と呼ばれ、そのメカニズムの解明が進んでいます。気象病の正体とその対処方法について、事業場向けの産業保健支援を行うエムステージ(東京都品川区)産業保健事業部保健師業務マネジャーで、保健師の本田和樹さんが解説します。
天気によって頭痛に悩まされるメカニズムとは?
気圧の変化によって引き起こされることがある頭痛。最近の研究では、耳の奥にある「内耳(ないじ)」が深く関係していることが明らかとなっています(※1)。
内耳には、「音を聞き取ること」と「体のバランスを保つこと」という大きく2つの役割があります。このうち「バランスを保つ」仕組みの中に、気圧の変化を感じ取るセンサーが存在することが近年の研究で示唆されました。
気圧が急激に変化すると、このセンサーが脳へ過剰な情報を送ってしまいます。その結果、呼吸や体温など、生命維持に不可欠な機能を無意識のうちに調整する「自律神経」の乱れを引き起こします。すると、血管の拡張や神経の過敏状態を招き、頭痛が発生するのです。
頭痛以外にも、めまいや耳鳴り、関節痛、だるさや眠気、気分の落ち込みなど、多様な症状が見られるのも気象病の特徴です。
梅雨時期の気象病を和らげる「4つのセルフケア」
気象病は、日々の環境調整やちょっとした習慣で、その影響を最小限に抑えることができます。次の4つの対策が有効です。
(1)室内環境のコントロール
梅雨時期の「高湿度」は体にとって大きなストレスになり、自律神経の乱れを加速させます。冷房や除湿機を活用し、湿度は50~60%に調節しましょう。
(2)空気の循環と小まめな換気
小まめに換気を行い、室内の空気を停滞させないことも重要です。サーキュレーターや扇風機を併用し、できる限り湿気が入り込まないよう工夫するとさらに有効です。
(3)耳マッサージの実施
「内耳」の血流を整えることも有効な手段です。「引っ張る」「回す」「包む」の3ステップで、くるくると耳を動かすマッサージをすると、頭痛が和らぐケースがあります。
・引っ張る:両耳を軽くつまみ、上、下、横にそれぞれ5秒ずつ引っ張る
・回す:耳を引っ張ったまま、後ろに向かってゆっくり5回回す
・包む:耳を包むように折り曲げ、そのまま5秒間キープする
(4)規則正しい生活習慣の維持
気圧の変化に負けない身体づくりのために、規則正しい生活習慣を意識しましょう。日光を浴び、良質な睡眠を取ることで、より気圧の変化に強い体をつくることができます。
・朝の光を浴びる:朝起きて光を浴びることで体内時計がリセットされ、自律神経が整うといわれています。特に梅雨の時期は日光を浴びることが難しい天気が続きますが、日中晴れ間が見えるときには外に出て、できるだけ日光を浴びるよう心掛けましょう。
・良質な睡眠:睡眠不足は自律神経が乱れる原因の一つです。就寝1~2時間前に入浴し体温を上げ、寝る前のスマホを控えることで、質の良い睡眠に近づきます。
自分のパターンを知り気象病に備える
気象病による頭痛は、これまで「体質だから仕方ない」と諦められがちでした。しかし、メカニズムが解明されたことで、日々の環境調整やセルフケアによる対策が可能となりました。
天候そのものを変えることはできませんが、ご自身の体質や発症のパターンを理解し、適切に備えることで、不調の影響を最小限に抑えることができます。今回ご紹介したポイントをヒントに、自分に合った対処法を見つけ、健やかな日々を送りましょう。
【参考文献】
※(1)出典:愛知医科大学医学部「Lowering barometric pressure induces neuronal activation in the superior vestibular nucleus in mice」
(オトナンサー編集部)





