糖尿病治療薬「マンジャロ」が25%値下げ、売れすぎが理由? ダイエット目的での“不適切利用”に専門医が警鐘
2型糖尿病治療薬「マンジャロ」の薬価が8月1日に約25%引き下げられました。その理由や乱用のリスクについて、糖尿病専門医が解説します。

2型糖尿病治療薬「マンジャロ」の薬価が、8月1日に約25%引き下げられました。乱用が問題となる中、なぜこのタイミングで引き下げられるのでしょうか。薬価引き下げの背景や、マンジャロの乱用リスクなどについて、eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。
保険診療による販売額が急増
Q.そもそも、2型糖尿病治療薬「マンジャロ」はどのような医薬品なのでしょうか。また、ダイエット目的で乱用する人が増えて問題となっていますが、この場合、どのようなリスクがありますか。
市原さん「マンジャロは、一般名『チルゼパチド』といい、週に1回皮下注射する2型糖尿病の治療薬です。
食事をすると腸から分泌される『GIP』と『GLP-1』という2つのホルモンの受容体に作用し、血糖値が高いときにインスリンの分泌を促します。また、食欲を抑えたり、胃から食べ物が排出される速度を遅らせたりする作用があるため、血糖値を改善するだけでなく体重減少も期待できます。
美容やダイエット目的で使用した場合、その人に対する有効性や安全性が十分に確認されているわけではありません。特に、肥満ではない人が使用すると、吐き気、嘔吐(おうと)、下痢、便秘、腹痛などの副作用が出やすい傾向があります。まれではありますが、高用量での使用で急性膵炎(すいえん)などの重篤な副作用の報告があるため、自己判断で使用することはおすすめしません」
Q.マンジャロの薬価が8月1日に約25%引き下げられましたが、なぜこのタイミングなのでしょうか。また、薬価引き下げにより、患者の負担は7月末までと比較し、どの程度軽減されるのでしょうか。
市原さん「今回の引き下げは、薬の効果や安全性に問題があったからではありません。マンジャロが予想を大きく上回って使用され、保険診療における販売額が急速に拡大したため、『持続可能性特例価格調整』という薬価制度の対象になったことが理由です。
8月1日という時期に関してですが、通常薬価は毎年4月に見直されます。しかし今回は引き下げを5月に決定したので、準備期間も含めて8月1日になりました。
マンジャロは週1回使用するため、4週間分として計算すると、例えば通常量である5mgの場合、薬剤費が1万5392円から1万1544円に下がりました。3割負担の場合、薬剤費の自己負担は月4618円から月3463円となり、約1150円軽減されます。つまりマンジャロ自体の負担が25%減ります」
Q.2型糖尿病治療薬「マンジャロ」の薬価の引き下げにより、乱用リスクや転売リスクが高まる恐れはないのでしょうか。
市原さん「仕入れ価格の低下が自由診療の料金にも反映されれば、これまでより手軽に入手する人が増える可能性は否定できません。引き続き、適切な診察や検査、経過観察を行った上で処方することが求められます」
(オトナンサー編集部)



























コメント