食べる量は減っているのに…加齢で血糖値上がる原因は? 急上昇招く“意外なNG行為”を糖尿病専門医が解説
食べる量が減っているにもかかわらず、加齢とともに血糖値が上がりやすくなるのはなぜなのでしょうか。糖尿病専門医に聞きました。

加齢に伴い血糖値が上がる人は多いのではないでしょうか。中には若い頃に比べて食べる量が減っているにもかかわらず、数値が上がる人もいますが、この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。普段良かれと思ってやっている行為が実は血糖値を上げるケースも含め、eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。
加齢に伴い筋肉量が低下
Q.そもそも、加齢に伴い血糖値が上がりやすくなるのはなぜなのでしょうか。
市原さん「加齢によって、血液中の血糖の量を調節するホルモンである『インスリン』を分泌する力が低下すること、インスリンが効きにくくなることが原因です。インスリンの分泌能力は、加齢とともに低下する傾向があるため、注意が必要です。
また、加齢とともに筋肉量や身体活動量が減ることで内臓脂肪が増え、インスリンが効きにくくなります」
Q.若い頃に比べて食事量が減っていても血糖値が上がってしまう人がいるようです。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
市原さん「まず、基礎代謝や活動量、筋肉量の減少が考えられます。年齢とともに基礎代謝や活動量が低下するため、若い頃より必要なエネルギー量そのものが少なくなっています。食事量が減っていても、筋肉量がそれ以上に減っていれば、ブドウ糖を取り込む力が低下し、血糖値が上がりやすくなることがあるのです。
食事量だけでなく、食事の内容も重要です。白米やパン、麺類などの炭水化物に偏り、肉や魚、卵、大豆製品などのたんぱく質、野菜の摂取量が不足している場合は、筋肉量が落ちやすくなります」
食事量を極端に減らすと血糖値が上昇
Q.良かれと思ってやっている行為が、実は血糖値を上げてしまうケースはありますか。
市原さん「血糖値や体重を気にするあまり、食事を極端に減らしてしまうことです。
特に高齢になると、食事量を減らし過ぎることで必要なたんぱく質やエネルギーまで不足し、筋肉量が減ってしまうことがあります。先述のように、筋肉が減るとブドウ糖を取り込む力が弱くなるため、インスリンが効きにくくなり、逆に血糖コントロールが悪くなる可能性があります。
また、健康のために果物ジュースや野菜ジュース、乳酸菌飲料などを積極的に取っている人も注意が必要です。これらの飲み物は健康的なイメージがありますが、糖質を多く含んでいることが多く、血糖値を上げる原因になることがあります。
血糖値が下がると思って食事を抜くこともおすすめしません。食事の間隔が大きく空いた後に一度に食べると、食後の血糖値が急激に上昇しやすくなるからです」
血糖値の数値を無理なく改善する方法とは?
Q.もし加齢に伴い血糖値が上がった場合、数値を改善することは可能なのでしょうか。そのためにはどのような取り組みが有効なのでしょうか。食事や運動などの生活習慣の点で教えてください。
市原さん「生活習慣を見直すことで改善は可能です。特に重要なのは、食事をただ減らすのではなく『筋肉を減らさない』という視点を持つことです。適切なエネルギー量を取りながら、肉や魚、卵、大豆製品などからたんぱく質をしっかり摂取し、野菜や食物繊維を取り入れたバランスのよい食事を心掛けます。白米やパンなどの炭水化物だけに偏らないことも大切です。
運動では、ウオーキングなどの有酸素運動に加え、スクワットなどの筋トレを無理のない範囲で取り入れるとよいでしょう。また、食後に座りっぱなしにせず、少し歩いたり家事をしたりするだけでも、食後の血糖値上昇を抑えるのに役立ちます。
『食べないことで血糖値を下げる』のではなく『適切に食べて、筋肉を維持し、体を動かす』ことが大切です」
(オトナンサー編集部)














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