「へそが臭い」 膿や痛みは病気のサイン? 無理に掃除してはいけないワケ【医師に聞く】
へそが臭う場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。対処法やNG行為などについて、泌尿器科専門医に聞きました、

へそにあかがたまって気になったことがある人は多いのではないでしょうか。中には「へそが臭う」という人もいるようですが、この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。へそのNGな手入れ方法や受診目安について、なかざわ腎泌尿器科クリニック(石川県野々市市)院長で泌尿器科専門医の中澤佑介さんに聞きました。
無理に汚れを取り除くのはNG
Q.そもそも、へその部分にあかがたまるのは自然なことなのでしょうか。
中澤さん「へそに多少のあかや汚れがたまること自体は、珍しいことではありません。へそはくぼんだ形をしているため、皮脂や古い角質、汗、衣類の繊維などが入り込みやすく、特にへそが深い人では汚れがたまりやすくなります。
皮脂や角質が長期間蓄積すると、『臍石(さいせき)』と呼ばれる、石のように硬い塊になることもあります。臍石は皮脂や角質が蓄積してできるもので、通常は良性ですが、炎症や細菌感染を起こすことがあります。
そのため、汚れが気になるからといって、爪やピンセットなどで無理に取ったり、綿棒をへその奥まで強く入れたりするのは避けましょう。皮膚に傷がつくと、そこから細菌が入り、感染を起こす可能性があります。
普段は入浴時にせっけんなどを使ってやさしく洗い、清潔に保つ程度で構いません。硬くなった汚れが取れない場合も、無理に自分で取り除かないことが大切です」
Q.もしへその部分が臭い、あるいは膿(うみ)が出ている場合、どのような原因が考えられますか。
中澤さん「へそから嫌な臭いがする場合には、皮脂や角質などの汚れがたまっているだけのこともありますが、皮膚の炎症や感染症が隠れている可能性もあります。
例えば、へその周囲に皮膚炎が起きている場合や、細菌・真菌などによる皮膚感染症が起きている場合には、臭いに加えて赤みや腫れ、かゆみ、痛みなどを伴うことがあります。特に、膿が出ている場合にはへそやその周辺が細菌に感染する『臍炎(さいえん)』などを考える必要があります。臍炎では、へその赤みや腫れ、痛み、膿性の分泌物などがみられます。
また、成人の場合、注意したい病気の一つが『尿膜管遺残症』です。尿膜管は胎児期にへそと膀胱(ぼうこう)をつないでいる構造で、通常は出生前後に閉鎖します。しかし、一部が残ったままになっている人がおり、そこに感染が起きると、へそから臭いのある液体や膿が出たり、へその周囲や下腹部に痛みが生じたり、発熱したりすることがあります。
特に、『膿が何度も出る』『一度治っても繰り返す』『へその奥や下腹部まで痛い』といった場合には、単なる皮膚のトラブルだけではなく、尿膜管遺残症がないか確認することが重要です」
Q.では、へそについて、受診すべき目安を教えてください。膿や痛みが出ている場合はすぐに受診すべきなのでしょうか。
中澤さん「臭いだけで、赤みや腫れ、痛みなどがなく、へそを清潔にすることで改善するのであれば、必ずしも緊急性が高いとは限りません。
一方で、へそから膿が出ている場合や、赤み、腫れ、痛みを伴っている場合には、感染が起きている可能性があるため、放置せず医療機関を受診することをおすすめします。特に次のような症状が出ている場合は、早めに受診してください」
【医療機関を受診すべき目安】
・膿や血が出る
・赤みや腫れがある
・触ると痛い、あるいは何もしなくても痛い
・悪臭のある分泌物が続く
・症状を繰り返している
・発熱を伴っている
また、「強い腹痛がある」「発熱や寒気がある」「へその周囲の赤みや腫れが広がっている」といった場合には、感染が深い部分まで広がっている可能性もあるため、より速やかな受診が必要です。
受診までの間も、へそを無理に触ったり、膿を自分で押し出そうとしたりするのは避けてください。また、原因によって治療法が異なるため、市販の抗菌薬やステロイドなどを自己判断で塗り込むこともおすすめできません。
シャワーなどでへその周囲をやさしく洗って清潔に保ち、その後は水分が残らないように拭き取ってください。
受診先としては、へその表面の皮膚症状が中心であれば皮膚科でもよいですが、『膿が出る』『症状を繰り返す』『へその奥や下腹部まで痛む』といった場合には、外科や泌尿器科への受診も選択肢になります。尿膜管遺残症が疑われる場合には、超音波検査やCT(コンピューター断層撮影)検査などで詳しく調べることがあります。
(オトナンサー編集部)







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