水分補給として“炭酸水”を飲んでも大丈夫? 飲み過ぎのリスクは? 医師が解説
炭酸水を飲み過ぎると、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。医師に聞きました。

近年、健康志向の高まりを受け、無糖タイプの「炭酸水」が人気を集めており、家電量販店などでは、自宅で手軽に炭酸水を作ることができる「炭酸水メーカー」が販売されています。日々、炭酸水を飲んでいる人は多いのではないでしょうか。
ところで、水分補給の際に炭酸水を飲んでもよいのでしょうか。炭酸水を飲み過ぎると、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。なかざわ腎泌尿器科クリニック(石川県野々市)の院長・中澤佑介さんに聞きました。
消化器系の持病がある人は摂取を控えること
Q.炭酸水を飲むと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
中澤さん「炭酸による爽快感を得られるほか、一時的ですが、食欲を抑制することが可能です」
Q.水分補給の際に炭酸水を飲んでも問題ないのでしょうか。
中澤さん「一般的に、炭酸水は水分補給としての飲み物に適しています。ただし、水分補給として摂取する場合、ミネラルウオーターやスポーツ飲料のような電解質を含む飲み物よりも効率が悪いことがあります。なぜなら、炭酸水には炭酸ガスが含まれているため、消化吸収がやや遅く、胃腸にガスがたまりやすいからです」
Q.炭酸水を飲み過ぎると、どうなるのでしょうか。
中澤さん「炭酸水の摂取量の目安については、特に定められていませんが、適度に摂取するのが望ましいでしょう。個人の体調や好みにもよりますが、健康的な人であれば、グラスで1日数杯程度飲むのが一般的です。
炭酸水を過剰に摂取すると、胃腸の不快感や膨満感が生じたり、炭酸ガスや炭酸の摂取により、体内での酸性とアルカリ性のバランスが変化したりします。また、長期間にわたって過剰摂取した場合は、歯の表面のエナメル質の成分が溶け出すリスクがあるため、注意が必要です」
Q.炭酸水の摂取を控えるのが望ましいケースについて、教えてください。
中澤さん「胃潰瘍や逆流性食道炎といった消化器系の疾患がある人のほか、骨粗しょう症の人や歯に何らかの問題を抱えている人は、症状が悪化する可能性があるため、摂取を控えるのが望ましいです」
(オトナンサー編集部)
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