【大地震】揺れが収まった後の「二次災害」 防災士が驚いた“例”と“心構え”を聞く
7月28日午後4時27分ごろ「令和8年熊本地震」が発生しました。激しい揺れによる家具の転倒や建物の倒壊などの命の危険に直結する「一時災害」が収まった後に発生するのが「二次災害」です。「二次災害」の例と心構えなどについて防災士に聞きました。

7月28日午後4時27分ごろ、熊本県宇城市と氷川町で震度7を観測する地震が発生しました。私たちは激しい揺れによる家具の転倒や建物の倒壊などの命の危険に直結する「一時災害」と、その後に続く、連鎖的・間接的に発生する「二次災害」に警戒しなくてはなりません。2011年3月11日に発生した東日本大震災では甚大な津波被害をはじめ、火災や土砂災害、さらには避難所での健康被害など、地震が引き起こす災害が多岐にわたりました。大地震はいつ、どこで発生するかわかりません。そこで、「二次災害」の被害を最小限に抑えるための心構えなどについて、気象予報士で防災士としても活躍する橋本真希さんに聞いてみました。
調理中に被災し、やけどしたけど…水道管が損傷
Q.まず、「二次災害」とはどのような状況をさすのか、教えてください。
橋本さん「『一次災害』とは地震の揺れそのもので直接起こる被害のことを指し、揺れている間~直後に発生する建物の倒壊や家具・人の転倒などが当てはまります。
一方で『二次災害』とは、地震をきっかけとして連鎖的に発生する被害のことを指し、住んでいる地域や状況により想定される内容は異なります。主に都市部では同時多発的な火災や高層ビルでのエレベーター閉じ込め、ビルのガラスや看板などの落下、埋立地での液状化や地盤沈下、帰宅困難者の大量発生などが考えられます。
山間部では、道路の寸断などで集落が孤立したり、がけ崩れ・地滑りなどの土砂災害に注意が必要です。特に土砂災害は時間が経ってから起こったり、都市部の丘陵地や盛り土・切り土の住宅で発生することもあるため注意が必要です。
沿岸地域では、やはり津波です。繰り返し襲ってくることに加え、1960年のチリ地震のように遠方の地震により引き起こされることもあります。ただし、東日本大震災における津波のように、気象庁により『地震の揺れと同時に(あるいは直後に)発生した巨大な自然現象そのもの』として『一次災害(直接被害)』と分類されたケースもあり、一概に分類できない部分もあると認識しておきましょう」
Q.では、屋内で被災した時の二次災害として考えられる例と、驚いた被害例がありましたら、教えてください。
橋本さん「家具の転倒やガラスによるケガ、調理中のやけどなど直接の被害の他に、二次災害としては停電から復旧する際に損傷した配線や電化製品から火災が発生する通電火災、ドアの変形などによる閉じ込め、通信の寸断、暑さ・寒さ・栄養状態による健康被害など、それぞれの住んでいる地域や環境によってさまざまなリスクが考えられます。
例えば、『隣の部屋の子どもを助けに行きたかったけれど室内にはガラスが飛散しており、スリッパや靴が近くになくて行けなかった』という事例があり、家の各部屋に丈夫なスリッパを常備することの重要性を発信するようになりました。
また、驚いたのは『調理中に被災し、落下した鍋で足にやけどを負ったが水道管が損傷していたためすぐに冷やせず、腫れと痛みで靴を履いて避難することもできない、救急車も来ずに大変困った』という事例です。
ひと昔前は地震が起きたら最初に火を消すことが常識でしたが、今は火が自動で止まるコンロがほとんどなので、緊急地震速報や揺れを感じたら熱いもの以外にも包丁や食器など危険な物やキッチンからすぐ離れるようにしてください。
日頃からあらゆるリスクにアンテナを張って、どんな被害が起こり得るのか想定しながら、過去の災害の教訓や時代の進化に合わせてアップデートしておくことが大切です」
Q.震災被害を減らすための行動と心構えも教えてください。
橋本さん「まずは頭を守り、落ちてくる・倒れてくる・飛んでくるものから離れて身の安全を確保することです。次に、ドアを開けて避難路を確保してください。
避難する際は必ずブレーカーを落とし、ガスや水道の元栓も閉めましょう。排水管の破損で水があふれたり、漏電や天井の崩落につながる恐れもあるので、安全が確認されるまでは水を出さないことも大切です。
いざというときに大切な心構えとしては、『命を最優先にする』ことです。災害時は『パニック』に陥り被害を拡大してしまったり、反対に『自分は大丈夫だと思い込む』心理が働き、逃げるのが遅れたりする可能性もあります。
津波や火災、土砂災害などの恐れがある場合は『空振り』、つまり、無駄な避難になってもいいので迷わず逃げることが鉄則です。また、物への執着は命取りになります。過去の震災でもスマホや通帳を取りに戻って被災したケースも少なくありません。家具の固定や廊下・出入口付近に倒れやすい物や家具を置かないことも大切です。強い意志を持って、必ず『命を最優先にする』行動を心がけるようにしてください」
「令和8年熊本地震」の余震は続いており、まだまだ余談を許さない状況で、しばらく強い揺れに対する警戒が必要です。大きな地震が発生しても、いざというときのために正しい行動をすることで、被害をなるべく抑えることができるかもしれません。大切な命を守るために、どのような心構えを持ち、どう行動すべきなのか、日ごろから考えるようにしておきましょう。また、被災されました皆様に寄り添う心も忘れてはなりません。
(オトナンサー編集部)



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