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「五月病」で休職したら「傷病手当金」はいくら出る?  支給までの“空白期間”守る「生活防衛資金」の目安とは

傷病手当金を受け取るための仕組みと、もしもの時のために用意しておきたい「生活防衛資金」の目安について、ファイナンシャルプランナーに聞きました。

休職する際に必要となる生活資金は?(画像はイメージ)
休職する際に必要となる生活資金は?(画像はイメージ)

 GW(ゴールデンウイーク)の連休明けや寒暖差などで、5月は体調を崩しやすい時期です。中には五月病に悩まされ、仕事に支障が出るケースも珍しくありません。

 ところで体調が悪化し休職を検討しなければならなくなった場合、収入が得られなくなることで日々の生活がままならなくなってしまうのではないかと不安に感じる人も少なくないでしょう。休職した人には「傷病手当金」という保障制度がありますが、支給されるまでには一定の条件に当てはまる必要があります。傷病手当金を受け取るための仕組みと、もしもの時のために用意しておきたい「生活防衛資金」の目安について、テレビ番組への出演経験が豊富なファイナンシャルプランナー(FP)の水野崇さんに聞きました。

固定費の2カ月分の資金を用意すること

Q.もし明日から体調不良で長期休職することになった場合、健康保険から支給される「傷病手当金」だけで、今の生活費の何割程度をカバーできるのでしょうか。

水野さん「実際のところ、傷病手当金で支給される金額は、加入している健康保険や勤務先の制度によって差が生じるため、“生活費の何割がカバーできる”とは一概に言い切れないところがあります。ざっくり言えば、傷病手当金は普段の給与水準をもとにした金額の3分の2程度が目安です。

ただし、ここでいう給与水準には、基本給だけではなく、通勤手当や住宅手当なども含まれます。また、休職中に勤務先から給与や手当が一部出る場合は傷病手当金の額が調整されることもありますし、独自の上乗せ給付を設けている健康保険組合もあります。

つまり、同じ『3分の2程度』といっても、実際に家計をどこまで支えられるかは人によって変わります。給与明細の内訳、住宅費を含めた毎月の固定費、加入している健康保険の内容を併せて確認しておきたいところです」

Q.傷病手当金が支給されるまでの「待期期間」や、実際の入金までのタイムラグ(1~2カ月)を乗り切るためにどの程度の貯金が必要になるのでしょうか。

水野さん「傷病手当金で見落とされがちなのが、最初に支給されるまでの時間差です。というのも、傷病手当金には『待期期間』という仕組みがあります。具体的には『連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと』が受給要件となっており、休職の必要が生じてもすぐに入金されるわけではありません。また、申請書には本人だけではなく勤務先や医師の記入欄もあるため、相応の時間がかかります。

さらに協会けんぽでは、審査を経て支給可能と判断された場合、受付から10営業日以内の支払いを案内していますが、これは申請書が受け付けられた後の目安です。書類をそろえるための時間も考慮する必要があり、傷病手当金を受け取るまでには、予想以上に時間がかかる可能性があります。

その間も、家賃や通信費、光熱費、保険料、各種ローン返済といった削減の難しい支出は続きます。まずは毎月ほぼ確実に支払う必要のある、固定費の1~2カ月分程度を最低限の目安としつつ、食費や日用品費、通院費なども含めて用意しておきたいところですね。扶養家族がいる人や、月々の支払いが大きい住宅ローンを組んでいる人は、もう少し厚めに備えておくと安心でしょう」

Q.住宅ローンのような休職しても減らすことができない費用を考慮した場合、最低限必要な生活防衛資金はいくらになるでしょうか。

水野さん「結論からいえば、まず固定費の3~6カ月分程度を軸に、食費や日用品費など最低限の変動費も含めて考えておきたいところです。休職した際に家計を圧迫しがちなのが、住宅ローンのように毎月ほぼ同じ金額で出ていく支出です。他にも、管理費や修繕積立金、光熱費、通信費、各種保険料、教育費、駐車場代などは、すぐに削るのが難しい支出の代表例でしょう。

こうした支出の削減が難しいからといって、休職中に住み替えやローンの借り換えなどで家計を立て直そうとしても、体調面や収入面で思うように進まないケースもあります。あらかじめ『毎月いくらあれば暮らしを維持できるか』を見える化しておき、それに応じた貯蓄をしておくことが、休職時の家計を支える備えになります」

* * *

 やむを得ず休職する場合になったとして、すぐに傷病手当金の申請を始めたとしても、実際に手元に入金されるまでには時間がかかります。「今すぐお金が必要なのに」と焦ることのないように、事前に月にどの程度の支出があるのかを把握しておくと良いですね。

(オトナンサー編集部)

【豆知識】「えっ」 これが「休職時」に最低限必要な“費用”の目安です!

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水野崇(みずの・たかし)

FP

1級FP技能士、CFP、宅地建物取引士。東京理科大学理学部卒業。相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、メディア出演など多方面で活動する独立系ファイナンシャルプランナー。主なテレビ出演は、テレビ朝日『グッド!モーニング』、BSテレ東『マネーのまなび』、TOKYO MX『堀潤激論サミット』など。NHK土曜ドラマ『3000万』の家計監修を担当。中学、高校、大学で金融経済教育を行い、学校法人専門学校東京ビジネス・アカデミーでは非常勤講師として年間230コマ登壇。水野総合FP事務所代表。公式ホームページ(https://mizunotakashi.com/)。

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