「5分で寝落ち」は深刻な睡眠不足のサイン? 専門家が教える、睡眠負債をためる人がやりがちな“NG行動”
睡眠不足を解消する際のNG行為について、上級睡眠健康指導士に聞きました。

家族や友人などから「ベッドに入るとすぐに眠れる」と聞くと、「すぐ眠れていいな」「健康的だな」と思う人は多いのではないでしょうか。しかし、短時間で眠りに入る場合、睡眠不足の状態が続いており、体が悲鳴を上げている可能性があります。
新しい環境への順応や寒暖差などで疲れやすい春にこうした「隠れ不眠」に気付くためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。睡眠不足を解消する際のNG行為について、上級睡眠健康指導士の山本智子さんに聞きました。
休日の「寝だめ」はNG
Q.5分以内に寝落ちするのは、健康ではなく深刻な睡眠不足のサインという説がありますが、本当なのでしょうか。
山本さん「はい、これは本当です。横になってからそれほど時間がかからずに眠れるのは『寝つきがよい』と思われがちなのですが、通常健康な人であれば10分から15分ほどはかかるといわれています。これは、活動時間帯の交感神経優位から、リラックスや睡眠時に優位になる副交感神経優位へと、自律神経が緩やかに切り替わるのに時間を要するためです。
いわゆる『寝落ち』状態が起きるということは、単に『寝付きがよい』のではなく、交感神経優位の状態を維持できないほど体が疲れているのかもしれません。むしろ、日頃から睡眠不足がたまっている証拠ということも考えられます」
Q.春に増える「中途覚醒(夜中に目が覚める)」の正体について、教えてください。新生活の緊張やストレスが、睡眠の「深さ」にどう影響しているのでしょうか。
山本さん「新生活の不安、プレッシャーなどが大きくのしかかってくると、先述の交感神経優位の状態が続いてしまいます。脳が常に“戦闘モード”のような状態になり、体が緊張してしまうため、リラックスするための副交感神経を優位にする切り替えができないまま眠りにつくことになってしまいます。
そうなると、深い眠りにつくことができずに睡眠の質が低下したり、ちょっとした物音とか刺激に対して過剰に反応してしまい、中途覚醒が起こりやすくなったりするということにつながります」
Q.平日の睡眠不足を解消するために週末に8時間以上寝てしまう人は、どれくらい危険なのでしょうか。また、平日の睡眠負債がどの程度蓄積しているのでしょうか。
山本さん「まず大前提として、人によって『必要とされる睡眠時間』というのは異なります。普段から8時間以上の睡眠時間が必要ないわゆる『ロングスリーパー』で、それがその人にとって合っている、心身の回復に必要な時間である場合は全く問題ありません。
一方で、例えば平日は6時間睡眠なのに休日は8~9時間以上寝てしまうという、休みの日に平日よりも2時間以上長く寝てしまうような人は、平日の睡眠負債がかなりたまってしまっている証拠です。
ここで睡眠時間に差が生まれると、休日が終わる頃には生活リズムが乱れている状態になってしまうため、『社会的時差ボケ』と呼ばれる状態を招きます。こうなれば、体感としては月曜の朝がかなりつらくなってしまうことでしょう。
睡眠負債がたまっているかどうかの目安としては、週末の睡眠時間が『平日の睡眠時間+1時間未満』であれば、体内時計のズレは小さいと思います。一方、平日の睡眠時間よりも2時間以上多い場合、慢性的な睡眠不足、睡眠負債が蓄積している可能性があります。症状としては『日中に眠気が出てしまう』『倦怠(けんたい)感が抜けない』『集中力や注意力の低下』など日常生活に影響が出てしまうこともありますね」
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新生活や新しい環境にさらされると、どうしても人はストレスやプレッシャーを感じやすくなってしまいます。知らず知らずのうちに睡眠に影響を与えることも少なくないため、まずは生活リズムを整えて、質の高い睡眠を取りたいところです。
(オトナンサー編集部)







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