あなたは定期? それとも終身? プロが教える「生命保険」選びのポイント
生命保険の種類
生命保険の4つの分野
生命保険は、亡くなった時のための「死亡保障」、病気やけがが原因で入院や治療をするための「医療保障」、働けなくなった時のための「就労不能保障」、老後の生活に備える「年金・貯蓄」と、大きく4つの分野に分かれます。
ただし、「死亡保障」でも、支払った保険料を貯めてくれるものがあり、それらを老後の生活資金にすることで「年金・貯蓄」の代わりに使うことができる場合もあります。また「医療保障」にも、退院後の生活費までカバーしてくれる、つまり「働けない状態」にも対応できる商品があります。1つの商品で複数の分野をカバーできるものも多く、「保険がわかりにくい」と言われる所以です。
次は「死亡保障」の基礎について学びます。
死亡保障の3つの基本形-「定期保険」「養老保険」「終身保険」
「死亡保障」は「亡くなった時の保険」です。「死亡保障」には「定期保険」「養老保険」「終身保険」という3つの基本形があり、これを理解すれば、生命保険への理解度はグンと上がります。
ここでは「30歳男性のAさん」が「亡くなった時に1000万円が支払われる保険に60歳まで加入」という例で見ていきましょう。
<定期保険>
定期保険(「期限を定める保険」と覚えます)の保険料は月3000円程度です。
(※1000万円を60歳まで保障する場合、保険会社や保障期間、健康状態によって保険料は異なります)
Aさんが定期保険に入る場合、まずは自分で「期限」を決めます。保険会社はその間、1000万円の保障を提供することになります。今回であれば60歳までが「期限」です。保険会社によって、「今から何年」と指定する場合もあれば、「何歳まで」と指定する場合もありますが、多くの保険会社でどちらにも対応しています。
定期保険は、別名「掛け捨て」と呼ばれます。Aさんの場合、60歳までに亡くなれば、遺族が1000万円を受け取ることができますが、期間が終了すれば保険料は戻りません。これが「掛け捨て」と言われる所以です。
それでも、定期保険は安い保険料で大きな保障を得られる、という大きなメリットがあります。「保険はあくまで保険」と割り切る方には最良の選択です。一方、掛け捨てを「もったいない」と感じる人は抵抗を感じるかもしれません。

【メリット】
・少ない保険料で大きな保障を得られる
【デメリット】
・お金が貯まらない(掛け捨てである)
・期限を迎えるとその後の保障がない
<養老保険>
養老保険(「老いを養う保険」と覚えます)は「貯蓄型」の保険を代表する商品です。保険料は月2万7000円前後で定期保険の約9倍に跳ね上がります。(※1000万円を60歳まで保障する場合、保険会社や保障期間、健康状態によって保険料は異なります)
Aさんの例でいうと、養老保険も、加入時に期限を決めてもらいます。ただし、養老保険は「期限」ではなく「満期」という呼び方をします。養老保険の特徴は「亡くなった時」と「満期を迎えた時」で、受け取れる金額が同じということです。Aさんは、60歳前に亡くなっても、60歳で無事満期を迎えても、どちらも1000万円を受け取れます。
養老保険は「取りっぱぐれのない」保険ですが、保険料が高いというデメリットもあります。

【メリット】
・お金が貯まる
【デメリット】
・保険料が高い
・支払う保険料のわりに保障が少ない
・満期を迎えるとその後の保障がない
まさに「定期保険と真逆の存在」が養老保険です。
<終身保険>
終身保険(「身が終わるまでの保険」と覚えます)はその名の通り、保障が一生涯にわたって続きます。自分が何歳まで生きるかは誰もわかりませんから、いつ亡くなっても保険金が受け取れる終身保険は安心です。保険料は月2万2000円前後で、養老保険ほど高くありませんが、定期保険に比べると高めになっています。(※1000万円を60歳まで保障する場合、保険会社や保障期間、健康状態によって保険料は異なります)
保険料の支払いは「10年払い(10年間で払い切ってしまう)」「50歳払込」「終身払い(生きている限りずっと支払う)」など、会社によってさまざまなバリエーションがあります。今回は「60歳払込」を前提に説明します。
終身保険も養老保険と同様にお金が貯まります。どれくらい貯まるかは、商品によりますが、30歳男性であれば60歳ごろには、それまで支払った保険料以上のお金が貯まっているものも少なくありません。

【メリット】
・保障が一生涯続く
・お金が貯まる
【デメリット】
・養老保険ほどではないが保険料が高い
・支払う保険料のわりに保障が少ない
ニーズで異なる生命保険選び
生命保険を選ぶ際に大切なのは「何を目的にするか?」です。また、ニーズによっては、「定期+終身」「定期+養老」など2種類以上の商品を組み合わせることも効果的です。
ここでは、家族状況に応じたそれぞれのケース(ニーズ)で見ていきます。
【夫婦・子どもあり】
■ケース1
現在子育て中で保険料は安く抑えたい。でも、万が一の時には大きな保障が必要。
⇒ニーズが明確なので、安い保険料で大きな保障が得られる定期保険がおすすめです。
■ケース2
子どものことを考えると保障は大事。でも、貯金がないので、保険でお金が貯まるならありがたい。
⇒まずは、必要な金額の保障を定期保険でカバーしましょう。そして、家計の中でやりくりできる範囲の金額を「保障+貯蓄」の意味で終身保険にします。終身保険で500万円、1000万円の保障が用意できるなら、その分の定期保険を削ってもよいです。
■ケース3
掛け捨てに抵抗感がある。収入もそれなりにあるのでムダを減らしたい。
⇒子どもの学資用として養老保険や学資保険、夫婦の一生涯の保障と貯金を兼ねて終身保険という組み合わせを考えてみるのも一案です。
【夫婦・子どもなし】
■ケース1
将来、子どもは欲しいが今のところ予定はない。妻も働いているので、そこまで大きな保障は必要ないが、何かしらの保険には入っておきたい。
⇒「子どもが生まれた後に妻が仕事を辞める」「子どもの教育資金が必要になる」など、家庭の状況も劇的に変わります。将来を見通せなければ、現時点では定期保険がよいかもしれません。もしくは「子どもが生まれてもこれくらいなら大丈夫」という予算があれば、「一生涯の保障+貯蓄」で終身保険なども選択肢になります。ただ、いずれにせよ、子どもが生まれると保険を本格的に見直す必要があるので、無理をしないのが得策です。
■ケース2
子どもを作る予定はないが、夫婦のどちらかに何かあったら大変だし老後も心配。
⇒夫婦がそれぞれ、終身保険や養老保険に加入するのがよいでしょう。万が一の時の保障があり、支払った保険料が老後の生活費に積み上がりますのでムダがありません。
【独身】
■ケース1
独身だが、結婚するかもしれないし、子どもも欲しい。将来はわからないが、現時点でどんな保険を選べばいいのか。
⇒将来のことがまだわからないのであれば、現時点で高額な保険料は避けるべきです。一時的な保障として定期保険か、「これなら支払っていける」という程度の予算で「一生涯の保障+貯蓄」の終身保険などがよいでしょう。
■ケース2
現在独身で今後も結婚する予定はない。自分の将来が不安。
⇒「貯蓄」を目的に養老保険や終身保険などを比較するのがよいでしょう。また、働けないリスクも考慮し、就労不能保険などを検討するのも一案です。

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