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あなたは定期? それとも終身? プロが教える「生命保険」選びのポイント

定期保険

定期保険の仕組み

 定期保険は「安い保険料で大きな保障を提供する」という、生命保険の原点とも言える商品です。

 多くの加入者から保険料を「薄く広く」集めて、その中で、不幸にも亡くなってしまった人に保険金が支払われます。その保険金は、その他の加入者の保険料でまかなわれています。つまり、毎月の保険料が誰かを助けることになるのです。裏返せば、不幸にも亡くなった人が「得」をして、そうでない人が「損」をする仕組みともいえます。

 その上で「(亡くなってしまうのが)自分かもしれない。その時は助けてください」ということを承諾し、その集団(生命保険)に参加する、それが定期保険の意味です。

定期保険のメリット/デメリット

 定期保険は掛け捨てだからもったいない、という印象はありませんか? 事実、お金は貯まらないし、何もなければ何も戻ってきません。しかし、定期保険には「少ない保険料で大きな保障が得られる」という保険本来の機能があります。ここでは、定期保険の有効な利用方法とメリット/デメリットを見ていきます。

定期保険は“子育て世代”に有効

 生命保険文化センターの調査(2010年)によると、30代男性の生命保険の平均保障金額は2228万円、40代男性では2815万円となっています。独身者も含まれるので、子育て中の家庭に限定すれば、もう少し上がることが予想されます。子育て世代にとっては、平均で2200万円~2800万円、場合によってはそれ以上の保障が必要であることがわかります。およその中間の金額である「2500万円」を例に「定期」「養老」「終身」の3つの保険で保険料を試算すると、下記のようになります。

【35歳男性の場合】

定期保険:2500万円、毎月の保険料=4000円前後(35歳から45歳までの保障)

終身保険:2500万円、毎月の保険料=6万5000円~7万円(60歳までの支払い)

養老保険:2500万円、毎月の保険料=8万3000円(60歳までの支払い)

 定期保険の安さが際立ちます。現実的には、終身保険、または養老保険だけで2500万円の保障を用意することは難しく、すべてか一部を定期保険でまかなうことが合理的といえます。

期間限定を上手に活用する

 定期保険のメリットは、保険料が安く、期間限定であることです。終身保険や養老保険は一度始めると、最低でも10年程度は続ける必要があります。そうでないと、解約した時の返戻金が支払った保険料を下回り、損をするケースが多いのです。そうすると「貯蓄ができる」というメリットがなくなってしまいます。

 また、定期保険は掛け捨てのため、不要になれば、いつでもやめることが可能です。例えば、子どもの大学卒業までと決めて、それまでは定期保険で保障をまかなうという考え方が一般的です。

 手軽な保険料で大きな保障を用意でき、いつでもやめられる定期保険は、カーシェアやレンタルスペースに似て「必要な時だけ使える」使い勝手のよい保険でもあります。

定期保険の種類

 ひと口に定期保険と言っても、各社がさまざまな商品を取り扱っています。ここでは定期保険の種類について紹介します。

【収入保障保険(家族収入保障)】

 従来の定期保険は「死亡時に3000万円」という具合に一時金で支払われていましたが、収入保障保険は「死亡時に毎月15万円を60歳まで」といったように、「お給料のように」保険金を受け取れます。従来の定期保険は、縦長の形をしているので「箱型定期」と呼ばれます。これに対して、収入保障保険は「三角形」をしています。収入保障保険は、亡くなる時期に応じて受け取れる保険料の総額が変わるためです。

 例えば「死亡時に毎月15万円を60歳まで受け取れる」保険に加入している場合、

30歳で死亡すると、

「15万円×12カ月×30年(30歳から60歳まで)=5400万円」

 50歳で死亡すると、

「15万円×12カ月×10年(50歳から60歳まで)=1800万円」

 となります。

 保険金が減ってしまうのは嫌だと感じるかもしれませんが本来、年を取ってから亡くなれば、若い頃に比べて子どもも大きくなっていますし、家庭の貯金額も上がっているはずなので、万が一の時の保証金額は少なくて済みます。そうした点を考慮した保険が収入保障保険です。年齢を重ねてからの保障を少なくすることにより、全体的な保険料も「箱型定期」に比べて安く抑えられています。

 現在では、ほとんどの生命保険会社から提供されており、タバコを吸わない人向けの割引制度や健康体(体重・身長のバランス、血圧が正常など)割引、ゴールド免許を保有していると保険料が安くなる、という商品もあります。

【逓減定期】

 「逓減」の意味は「定期的に減る」です。逓減定期の特徴は、亡くなった時の保険金が減っていくことです。「減る」と言われるとイメージが悪いですが、例えば、子どもの学資。父親に万が一のことがあった場合、子どもの学費は一括で受け取りたい、そのような場面を想定してみてください。

 子どもが小学生のうちは高額な保障が必要ですが、大学生になっていればそれほど大きな保障は必要ありません。そのように「目的によっては保障が減っていってもよいもの」もあります。それらをカバーするのが「逓減定期」です。

 形は収入保障保険に似ていますが、「月々受け取れる」収入保障保険に対して、「一括で受け取れる」のが特徴です。この商品は、収入保障保険に取って代わられた感があり、今では取り扱いが減りました。

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加藤圭祐(かとう・けいすけ)

株式会社あおばコンサルティング代表取締役

外資系大手のプルデンシャル生命保険で11年間コンサルティング業務に従事。個人顧客700人、法人顧客30社を開拓。2015年4月に株式会社あおばコンサルティングを設立。インターネット上で保険情報サイト「みかづきナビ(http://www.mikazuki-navi.jp)」と、ライフプランニングやお金に関わるコラム「みかづきナビメディア(http://www.mikazuki-navi.jp/blog)」を運営。日々お客様のライフプランニングや執筆・講演活動などを精力的に行う。

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