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業界激震の「金融レポート」、保険販売手数料が白日の下にさらされる時代は近いのか

開示は保険料低下や保障内容充実につながる可能性も

 しかし買い手側、消費者側にとって、手数料開示のメリットは大きいと思います。

 これまで売り手側しか知らなかった情報を知ることで、販売手数料の観点から保険商品を分析・選択することができるようになるからです。

 前述の外貨建て一時払い保険でも、販売手数料が高ければ、「本当にお薦めなのか」「販売手数料が低い商品も見ておこう」「何か知らないリスクがあるのではないか」ということに意識が向くようになります。

 また中長期的には販売手数料が全体的に下がり、その結果、保険料自体が安くなる可能性もあるでしょう。これは買い手側にとって非常に大きなメリットと言えます。

 先ほどの商品A、商品Bの例(Aは手数料が高く、Bは低い)で言えば、買い手側が手数料について知っている以上、堂々とBを薦める販売員は減ります。

 これは同時に、保険会社の「高い手数料による販売強化」という施策の終焉を意味します。金融庁の本当の狙いもこの辺りにあるのではないかと感じます。

 手数料が各社およそ同じレベルに落ち着く――。こうした現象は手数料開示で先行する投資信託業界でも起きています。この部分のコストが減ることで結果的に、保険料の低下や保障内容の充実につながることが期待されます。

 生保業界にとって巨大な衝撃である手数料開示ですが、同時に変革のチャンスでもあります。「良いコンサルティングをしてもらったのだから、これくらいのフィーは当然」と言われる業界に生まれ変わるための、一つの試金石なのかもしれませんね。

(株式会社あおばコンサルティング代表取締役 加藤圭祐)

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加藤圭祐(かとう・けいすけ)

あおばコンサルティング代表取締役、1級FP技能士、宅建士

大手外資系生命保険会社にて11年間、個人・法人のコンサルティング業務に従事。2015年に株式会社あおばコンサルティングを設立。日本初の、チャットでのお金のサービス「みかづきナビ」を開始。現在ではzoomも活用し、FP相談や保険相談で顧客の課題解決に取り組んでいる。みかづきナビ(http://www.mikazuki-navi.jp/)。

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