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ローンを残して逃げた妻に子を奪われた44歳男性、「面会」実現までの苦悶(上)

「鬼の形相」で相談に来た男性

 今回紹介する、辻本卓也さんは別居後、妻への対応を誤ったせいで我が子と完全に引き離され、子どもの顔を見て安心したり、手をにぎって成長の跡を感じたり、相談に乗って励ましてあげたりすることを一切禁止されて途方に暮れていたところ、私のところへ相談に来たのですが、一体何があったのでしょうか。

<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名。年齢は現在)>

辻本卓也(44歳)  会社員で年収700万円(今回の相談者)
辻本りょう(40歳) 専業主婦
辻本陸(9歳)    長男
辻本梨花(6歳) 長女

「これじゃ、まるで生き地獄ですよ!」

 卓也さんは現在44歳。大学人事課の課長職で年収は約700万円。言ってみれば、どこにでもいる普通のサラリーマンです。卓也さんの顔はまさに「鬼の形相」で、烈火のごとく私に迫ってきました。顔の表面には脂汗がにじみ出て、両目の下には大きなクマができており、尋常ではない顔つきでした。

 卓也さんの妻が出ていったのは7カ月前。卓也さんは「子どものために」という思いで、妻に言われるがまま毎月16万円を妻の口座へ送金し続けてきたのですが、毎月の手取りがわずか30万円の卓也さんにとっては収入の半分以上を占めており、財布の中身はいつもスッカラカン。

「だいたい、金をちゃんと払ったって、もう半年近く息子や娘に会えていないんです! こんな感じで、働いても働いても妻に仕送りするばかりで、貯金なんてろくにできやしない。何のために働いているのか、ばかばかしいですよ! もう払うのをやめようと思っています!」

 卓也さんは身銭を削って、毎月欠かさず援助を続けているのだから、何かしら見返りがなければやっていられないでしょう。良くも悪くも養育費と面会は別です。「養育費を払うから子どもと会える」「養育費をもらっているから子どもと会わせなければならない」のいずれも間違っており、養育費の有無に関係なく、面会させるかどうかは「子どものため」かどうかで判断するのですが、あくまで妻次第。

「忙しい」「迷惑だ」「全部お前のせいなのに、何様のつもりだ」。妻は卓也さんと言葉のキャッチボールをする気はなく、ほとんど門前払いのような形で子どもから遠ざけようとしたのです。結局のところ、面会させてもさせなくても月16万円は変わらないのだから、「面会させない方」を選ぶのも当然といえば当然。下手すると、面会と引き換えに養育費の増額を求められても不思議ではない状況でした。子どもを連れていった妻が強く、連れていかれた夫の方が弱いという構図です。

「たった8万で子どもが育つと思っているの! だったら、お前が引き取ってよ!!」

 妻はメールの返事の中で、そんなふうに暴言をはいたようです。とはいえ、卓也さんは妻の言うことを真に受けることができるでしょうか。

※「下」に続く

(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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