母に家事を押し付けられ…娘の「家出」を防げなかった52歳男性の教訓
母親の代わりに家事や育児をするのが嫌で家出をした娘。父親の52歳男性は、どうすれば家出を防ぐことができたのでしょうか。
今年は新型コロナウイルスのせいで、長い長い春休みになりそう。3月2日から始まった早すぎる春休みですが、4月の始業式まで1カ月以上もあるので、本当に今まで通り登校できるのか心配です。
ところで、春休みが終わって、重い足取りで学校へ行き、階段を上って教室に入ると、クラスメート1人の姿が見当たらない。そして、1人が欠けたまま、宿題の提出や始業式の準備、学級委員の選定がまるで何事もなかったかのように淡々と行われる…子どもの頃、そんな光景を見たことはありませんか。
平成30年の高校の不登校率は1.6%(文部科学省調べ)。300人に4人は学校に通っていないのだから、それほど珍しい景色ではありません。不登校の理由は、教師からの体罰、同級生からのいじめ、そして、複雑な家庭環境などが考えられますが、最も心配なのは「家出」です。
例えば、日頃から母親と仲が悪く、テストの成績が悪いことを母親に叱られ、感情的に家を飛び出したまま行方不明に。電話は留守電にならず、LINEは既読にならず、メールの返事もなく音信不通…これでは、不登校件数にカウントされるのも当然といえば当然です。
今回の相談者・新町初也さん(52歳)も、家出娘を心配する父親の一人。初也さんが、筆者のところへ相談しに来たのは、娘さんが行方をくらました3日後のことでした。
<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名、年齢は現在)>
夫:新町初也(52歳) 会社員(年収900万円) ※今回の相談者
妻:新町幸子(51歳) パートタイマー(年収80万円)
長女:新町紗々(18歳) 高校生
長男:新町初弥(14歳) 中学生
「家事を私に押し付けてきて、もう我慢の限界! 昼も夜も家にいないのは母親じゃない! もうママとは一緒にいたくない!」
娘さんはそんなふうに言い捨てると、顔を真っ赤にして部屋を飛び出し、駆け足で外へ逃げてしまったそうです。
初也さんと妻は近所や公園などを捜し回ったのですが見つからず…娘さんは「初弥と遊んでいる」とLINEを送ってきたのですが、初也さんが息子さんへ確認すると「知らない」と言うので、うそが明らかに。翌日、初也さんが学校へ問い合わせたのですが、やはり、娘さんは登校していないようで手がかりは何も得られずじまいでした。
「どうしていいか分からない! もうお手上げだわ!!」
妻が投げやりな感じで捨てぜりふを吐き散らかしたせいで、初也さんの不安はますます膨らんでいったのです。
「あのときは精神的につらかったです。あまりのショックで胃のけいれんを起こして苦しかったですし、円形脱毛症のような症状まで出るし、もうダメかと諦めかけていました。もう死んでいるんじゃないかと」
どうして、娘さんは家を飛び出したのでしょうか。どうやら、娘さんは遊びたい盛りにもかかわらず、育児や家事を放棄する妻のせいで「妻代わり」「母代わり」をさせられたようなのです。
初也さんは妻との離婚を考えざるを得なかったのですが、その前に、どうすれば娘さんが家出するのを防げたのでしょうか。今回は「あらかじめ家出の兆候を察知する」「親子間の『家庭内別居』を実現する」「離婚の話を始める前に『守秘義務』を約束させる」という3つのテクニックを紹介しましょう。
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