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ローンを残して逃げた妻に子を奪われた44歳男性、「面会」実現までの苦悶(上)

別居中の子どもと面会する6つのテクニック(4~6)

4.夫ではなく「子の父親」として考えるように伝える

 別居した夫婦が「もう顔も見たくない」のは仕方ありませんが、一方、親子はどうでしょうか。子どもたちの唯一の父親であり、血のつながった肉親であり、代えのきかない存在ですが、そのことは出産からずっと、そして別居後も何ら変わることはなく、親子関係は永遠に続いていくのです。

 だからこそ、父親が子どもたちにどのように接し、どのように関わり、どのような影響を与えていくのかが、子どもたちの人生において極めて大事だということを踏まえた上で「自分目線ではなく『子ども目線』で、そして相手が夫ではなく『父親』と思って考えてほしい」と伝えましょう。

5.裁判所で発行した書面を元に妻に面会を求める

 妻が子どもを連れていく、という形で夫婦が別居状態に発展した場合、別居する前のタイミングで具体的な面会の条件(具体的な回数、時間、場所、面会方法、送迎方法など)を決め、書面化することは困難です。

 しかし、別居後、夫婦間の話し合いで面会の可否について折り合いがつかなかった場合、家庭裁判所へ面接交渉の調停を申し立てるという手もあります。示談ではなく調停に発展した場合、面会の条件を決めるだけでなく、合意内容を裁判所が書面化してくれるので、裁判所が発行した書面(調停調書)を元に、妻に面会を取り次ぐように強く言うことができるようになります。

6.裁判所で決定した面会条件に協力しない場合は罰金の対象なので、「面会させる+罰金なし」「面会させない+罰金あり」という二択を示すのが効果的

 裁判所で面会条件が決まったにもかかわらず、妻が協力しない場合はどうなるのでしょうか。平成25年3月に制度が変わり(平成25年3月28日最高裁判決)、裁判所の決定に違反すると間接強制(裁判所からの罰金命令)の対象になったため、妻が面会を断るたびに、罰金を支払わなければならない可能性もあるのです。

「子どもたちに会せないと罰金を払わせるぞ」という切り口は、少し過激すぎるかもしれませんが、ここまで言わないとまともに話を聞こうとしない妻にも、相応の非はあるはずです。

 特に、妻が金に汚いタイプで、興味関心はお金だけという場合は効果的でしょう。子どものことを「金ズル」としか思っておらず、夫と子どもとの面会を取り次ぐことで養育費の増額が期待できるのならともかく、面会させてもさせなくても養育費が変わらなければ「面会させない方」を選ぶのは至極当然です。

 逆に言えば、「面会させる+罰金なし」「面会させない+罰金あり」という二択を示せば、妻は「罰金あり(なし)」の部分しか目に入らないので、お金の損得勘定だけで「面会させる」を選びます。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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