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自閉症の息子は11歳、気付けば小6…将来は就労? 不安に押しつぶされそうな母が見いだした“一筋の光”

知的障害を伴う自閉症の息子を育てる女性ライターが、親として見つめる「息子の将来の選択肢」について紹介します。

身近な卒業生の保護者の話を聞いて、息子の将来を考える
身近な卒業生の保護者の話を聞いて、息子の将来を考える

「べっこうあめアマミ」というペンネームでライターとして活動する私は、重度知的障害を伴う自閉症の11歳の息子ときょうだい児である7歳の娘を育てながら、発達障害や障害児育児に関する発信を続けています。

 特別支援学校に通う息子はこの春、小学6年生になりました。「学校卒業後はまだ先」と思っていたものの、少しずつそのときが近づいていることを感じています。障害児が進む「就労継続支援A型事業所(以下、A型作業所)」「就労継続支援B型事業所(以下、B型作業所)」「生活介護」という存在を調べる中で、知らないことが不安の原因だったと気付きました。収入や働き方を知ることで、子どもの未来が少しずつ具体的に見えるようになりました。

 どれが正解かではなく「わが子に合う形はどれか」という視点から、小学生のうちに知っておきたい進路のリアルと、今できる準備について考えます。

将来が不安で動けない悩みをほどく

 小学生のうちは、まだまだ先のことのように思える進路の話。

「まだ小学生だし、考えるのは早いかも」

 そう思って後回しにしていた時期が、私にもありました。しかし、息子と同じ「放課後等デイサービス」(障害を持った子どもの自立を支援する施設)に通う子が高校を卒業し、「どこの作業所に就職が決まった」という話を聞くと、急に自分事化されてきます。

 障害者の進路というと、「A型作業所」「B型作業所」「生活介護」などと、聞いたことはあるけれど、違いはうまく説明できなかった私。

 しかし、調べていくうちに気付いたのは、「知らない」ということが漠然と不安を大きくしていたのではないかということでした。

 そして一度知り始めると、「今のうちに情報を持っておくって大事なんだな」と思うようになったのです。

 例えば、お金のこと。

「作業所って収入はどのくらいあるの?」と疑問に思っていた私は、具体的に調べてみました。

 A型作業所は、全国平均で月約9万1451円、B型作業所は、全国平均で月約2万4141円(2024年度の全国平均)

 もちろん地域差はあります。

 でも「どれくらいの収入になるのか」が見えるだけで、将来のイメージがぐっと具体的になります。不安は、ただ漠然と抱えているより、少しでも情報の形が見える方が、ずっと楽になるものです。

A型とB型の違いをつかむ

 混乱しやすいのが、「A型作業所」と「B型作業所」の違いです。ざっくり言うと、この2つの大きな違いは「雇用契約があるかどうか」です。

 A型作業所は、雇用契約を結んで働く場所。最低賃金以上の給料が出て、勤務時間や仕事内容も、「労働者」として扱われます。対象になるのは、「一般企業は難しいけれど、安定して働く力はある人」のようです。

 中には生活リズムを整えながら、将来、一般就労につなげることも視野に入れている人もいるのではないでしょうか。

 一方で、B型作業所は、雇用契約を結ばず「工賃」をもらいながら働く場所。体調や特性に合わせて、自分のペースで無理なく通うことができるのが特徴です。簡単な作業を通して社会とつながったり、日中の居場所をつくったりする役割が大きいようです。

 ここでうちの息子を思い浮かべると、長く座っていることは得意だけれど、知的障害が重く、仕事内容などを理解するには時間がかかります。そして、指示通りに動けるかも怪しいのが現状です。

 だから今の印象では、「A型とB型なら、B型の方が合いそうだな」と感じています。ここで大切なのは、どちらが上とか下とかではなく、どちらが本人に合うかという視点です。それだけで、進路の見え方はずいぶん変わるのではないでしょうか。

 ただ、「どこまでできればA型なんだろう」「安定して働ける力って、どのくらい?」という基準は非常に難しいところですよね。

 私が先輩保護者や学校の先生などから聞いた話では、重度の障害がある子が多い特別支援学校の卒業生では、A型作業所に行く子は少数なようです。

 やはりA型作業所は雇用契約を結ぶということで、それなりに生産性を求められるのではないでしょうか。

 逆に障害がそこまで重くない子にとっては、「作業所」と聞くと物足りない気がしていたけれど、A型なら合うかも…という場合もあるかもしれません。

 そして、B型作業所であっても、あくまで「介護」ではなく「就労」なので、働くこと(作業)が一番の目的です。

 地域や作業所の方針によりますが、自力で通所できない場合や、完全にオムツで、排せつ介助も全面的に頼みたいような場合は、難しいこともあるかもしれません。

 重度の障害があって、送迎サービスを含む、全面的な生活のサポートを頼みたい場合は、「生活介護」という選択肢もあります。

生活介護という選択肢を知る

 障害がある人の進路として、何も「働く」ことだけがすべてではありません。これも、私が知っておいてよかったことの一つです。

「生活介護」は、仕事というよりは日中を安心して過ごすための場所です。食事や排せつなどのサポートを受けながら、創作活動や軽い作業、リハビリのような活動を行います。対象になるのは、日常的に介護や見守りが必要な人。収入よりも、「安心して過ごすことができること」「生活を保つこと」が大切にされています。

 実際、息子の特別支援学校の先輩には、この進路を選んだ人も多くいるようです。働くかどうかにこだわらず、安心できる環境を優先して選べるという視点は、障害児の親として非常に救われるものでした。

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べっこうあめアマミ(べっこうあめあまみ)

ライター、イラストレーター

知的障害を伴う自閉症の息子と「きょうだい児」の娘を育てながら、ライター、電子書籍作家として活動。「ママがしんどくて無理をして、子どもが幸せになれるわけがない」という信念のもと、「障害のある子ども」ではなく「障害児のママ」に軸足をおいた発信をツイッター(https://twitter.com/ariorihaberi_im)などの各種SNSで続けている。障害児育児をテーマにした複数の電子書籍を出版し、Amazonランキング1位を獲得するなど多くの障害児家族に読まれている(https://www.amazon.co.jp/dp/B09BRGSY7M/)。「べっこうあめアマミ」というペンネームは、障害という重くなりがちなテーマについて、多くの人に気軽に触れてもらいたいと願い、夫と相談して、あえて軽めの言葉を選んで付けた。

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